日本で人気のウイスキーといえば、ジャパニーズウイスキーやスコッチをイメージする方が多いのではないでしょうか。
しかし世界的には、アイルランド産のウイスキー、いわゆるアイリッシュウイスキーの人気も急騰しています。
近年、クラフト蒸溜所が続々と誕生しており、過去のイメージとは異なる個性的なウイスキーブランドも数多く誕生しているからです。
その中でも、とりわけイノベーティブなウイスキーとして大きな注目を浴びているのが、美しいブルーのボトルに身を包んだ『ウォーターフォード』です。
今回は、こちらのブランドを紹介するべく、11/14にBar Thistle(バーシスル/名古屋市・伏見)で開催された「ウォーターフォードカクテルイベント」を取材。
同店のオーナーバーテンダー・吉田俊也(としや)さんと3名のゲストバーテンダーに『ウォーターフォード』の特徴や魅力、オススメの飲み方やカクテルなどを聞いてみました!
「ウォーターフォード」とはどんなウイスキー?
諸説あるものの“ウイスキー発祥の国”ともされるアイルランド。
長い歴史を誇りながらも、隣国のウイスキー大国・スコットランドの陰に隠れがちな産地で、個性的なスコッチに対して万人受けのアイリッシュと例えられるなど、大手メーカーによる飲み手を選ばないウイスキーブランドが多い傾向にありました。
しかし、前述したように近年はクラフトの波もあり、新しい価値観の新興蒸溜所が続々と誕生。
その中で2015年に、アイルランド南部にあったギネスビールの醸造所を買収・改修し、新たに誕生したのが「ウォーターフォード蒸溜所」です。
創業者のマーク・レイニアーさんは、今や大人気となったスコッチ「ブルックラディ」の復活に携わった人物。
同ブランドは、ワインの世界でよく語られる「テロワール(自然・地理的特性)」を重視していることでも知られていますが、マークさんは、アイリッシュウイスキーの世界では前例のなかったその考え方を『ウォーターフォード』にも活かしました。
アイルランド100%大麦にこだわったシングルモルトを製造し、フラッグシップとなるシリーズでは、異なる畑で栽培された大麦を使ったウイスキーごとにボトリング。
そうしたテロワールの違いを活かした姿勢は高く評価され、世界的なウイスキーの品評会である「ICONS OF WHISKY 2021」でブランドイノベーターオブザイヤーを受賞しています。
バーテンダーが語る「ウォーターフォード」の魅力と味わい
ウイスキーでは珍しいブルーのボトルに身を包み、まさに自らがイノベーティブであることを示しているような『ウォーターフォード』
Bar Thistleの吉田さんはどのような印象を持っているのでしょうか?
「やはり麦の畑に特化していることがユニークなポイントだと思います。ボトル裏面のコードを公式サイトに打ち込むと細かな情報を見れるようになっており、農場の情報や樽の情報などが分かります。また、そうした農場の違いによる麦の風味の違いを、しっかりと感じとれるのも大きな特徴です。“農場の違いでここまで特色が変わるんだ”と、麦の風味を知れますし、それが分かりやすいんです。ここまで特徴を出してるウイスキーは珍しいですし、麦の産地やテロワールにこだわっているウイスキーもそうはありません」と語る吉田さん。
その味わいについては「まだ4年熟成ぐらいなので若さはありますが、麦の味わい深さがしっかりしている印象です。例えば“シーズタウン”だとちょっと乳酸菌飲料っぽい、スッキリした柑橘のような香りが特徴的で、口にすると麦からくる甘みが感じられ、後からスパイシーな風味がやってきます。“バリーモーガン”は紅茶のような香り、カカオやキャラメルの甘香ばしい感じの味わいで、どことなくプリンのような余韻も印象的です」
現在日本で展開されている『ウォーターフォード』には“シーズタウン”と“バリーモーガン”のほか、6つのオーガニック農家が栽培した、麦を使用した“オーガニック ガイア”があります。
吉田さんによれば、同ボトルは特にユニークだそうで「レモングラスなどのスッキリした芳香がありながらもどこか漬物のような香りが感じられます。味わいはほんのり奥底に生姜が感じられながらも、余韻からはヨーグルトのような酸味とやはり漬物のようなニュアンスがあります」と語ります。
いずれのボトルも香りと味わいがしっかりしているそうで、今後熟成が進んでいくことでの変化も楽しみだと期待を寄せます。
オススメの飲み方
では『ウォーターフォード』の味わいを堪能する上で、どんな飲み方が良いのでしょうか?
「まずはストレートで、麦の香りを感じてほしいですね」と語る吉田さん。
一方でソーダ割りもオススメだそうで「炭酸で持ち上げることでそれぞれの味わいを感じやすくなります。若さとアルコール度数がしっかりあるので、割ったときの方が甘さがでますし、ハイボールの相性が良いと思っています。ストレートで香りを感じて、ソーダ割りで味わうを堪能していただくのが個人的にはオススメです」
3人のバーテンダーがオススメする「ウォーターフォード」のカクテル
今回取材した「ウォーターフォードカクテルイベント」では、フリーランスバーテンダーとして普段はBar jiji(大阪・南森町)のカウンターに立つ西山圭さんと、Scotch & Branch(京都市)のオーナーバーテンダー・辻英和さん、そしてBar Nave(名古屋市)のオーナーバーテンダー・清水宥介(ゆうすけ)さんといった、ウイスキーとカクテルに精通するバーテンダーがゲストとして参加し『ウォーターフォード』を使ったオリジナルカクテルを提供していました。
その3人のバーテンダーに、それぞれ一つずつオススメのカクテルを教えていただきました。
The Feels / 西山圭さん
材料:ウォーターフォード バリーモーガン、フェルディナンズ ザール ホワイト リースリング(ベルモット)、アマーロシビッラ(リキュール)、OYSTER38(オイスターソース)
ウォーターフォード、ベルモット、アマーロとシンプルな材料ですが、分量をコントロールしつつアクセントとしてオイスターソースをプラスしています。ネグローニやブールヴァルディエが好きな方にはもちろん、1日の終わりにゆっくり楽しんでいただきたいカクテルです!
Wrong Ireland Ice Tea / 辻英和さん
材料:ウォーターフォード オーガニックガイア、アールグレイシロップ、レモン、ソーダ、リースリング&クインスビターズ、レモンピール
有名なカクテル“Long Island Ice Tea”をもじったカクテルです。本家が紅茶を使わずにアイスティーっぽく仕上げたカクテルなので、こちらは「間違った」という意味で、逆に紅茶をふんだんに使ってます(笑)
ウォーターフォードのフローラルさを引き出すアールグレイと、香り豊かなリースリング&花梨ビターズで仕上げました。
Malty milky fizz / 清水宥介さん
材料:ウォーターフォード オーガニックガイア、オーツミルク、ピスタチオシロップ、卵白、ライムジュース、ソーダ
オーガニックガイヤは有機栽培の大麦由来の、麦本来の香ばしさや甘さが特徴です。その特徴をより引き出すイメージで副材料を考えました。
名前の通り香ばしく、ミルキーな味わいのごくごく飲める一杯です!
「ウォーターフォード」詳細
【ウォーターフォード シーズタウン 1.2】
大麦生産者:SHEESTOWN(シーズタウン)
容量:700ml
度数:50%
値段:6,578円
【ウォーターフォード バリーモーガン 1.2】
大麦生産者:BALLYMORGAN(バリーモーガン)
容量:700ml
度数:50%
値段:6,578円
【ウォーターフォード アーケディアン オーガニック ガイア 1.1】
大麦生産者:PADDY TOIBIN、ALAN JACKSON、THE BOOTHS、JASON STANLEY、TREVOR HARRIS、THE MALLICKS
容量:700ml
度数:50%
値段:7,678円
⇒ウォーターフォードの商品ページはこちら
Bar Thistleについて
名古屋のオフィス街・伏見に2019年にオープンしたウイスキーとカクテルに特化したバー。
“Thistle”はスコットランドの国花・アザミを意味し、同国のウイスキーを中心におよそ500本のウイスキーを取り揃える。
カクテルはクラシカルなものから、ミクソロジーの技術を取り入れたものまで多様なスタイルでご提供。カカオニブやエルダーフラワーなどを漬け込んだ自家製ウイスキーも12種類ラインナップし、自家製ポトフやビーフストロガノフなど充実した食事メニューとともに楽しめる。
住所:愛知県名古屋市中区錦2-15-20 三永伏見ビルB1 << MAPをみる >>
営業:16:00〜1:00 土日祝14:00〜23:00 水曜定休 ※時短要請中は営業時間に変更あり
電話:052-228-8869
SNS:[Instagram] [Facebook]
公式HP:https://www.bar-thistle.com/
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