女性達が手がけるメスカル「アハル」の魅力と、プロに聞く美味しい飲み方

女性達が手がけるメスカル「アハル」の魅力と、プロに聞く美味しい飲み方

「辛いときにメスカル、嬉しいときもメスカル」…メキシコにはこのような古いことわざが存在します。
同国の伝統酒であるメスカルは、それだけ飲み手に寄り添い、人生に彩りを与えてくれるお酒なのです。

今回ご紹介するのは、そんな彩りをイメージさせるボトルに身を包んだメスカル「アハル」。
伝統酒という括りではまだまだ珍しい、女性達が手がけるブランドです。
今回は、そもそもメスカルがどんなお酒なのか簡単に触れた上で、「アハル」独自の特徴についてご紹介。後半には、それを楽しむ上で欠かせない美味しい飲み方とカクテルについて、3/9に渋谷にオープンするバー併設のファインメキシカンレストラン「RUBIA」でヘッドバーテンダーを務め、ブランドへの造詣が深い河野成未さんに教えていただきました。

商品協力:株式会社コートーコーポレーション(正規輸入元)

テキーラとは異なるメキシコの伝統酒「メスカル」

日本での知名度はまだまだこれからなメスカル。しかしアメリカを中心に海外では、テキーラと並ぶメキシコの伝統酒として人気が急上昇しています。

メスカルとは、メキシコの9つの州でのみ造られる原産地呼称で保護されている蒸溜酒(スピリッツ)。
テキーラと同じく多肉植物アガベを原料とし、アルコール度数も40度前後と似た部分もありますが、テキーラではブルーアガベ品種のみ使用されるのに対し、メスカルは200種類以上あるアガベの中で、9つの州内で栽培されたものであれば品種に指定はありません。

メスカルでは多種多様なアガベが使われる

メスカルでは多種多様なアガベが使われる

テキーラとの最大の違いは、なんといってもその味わい。
メスカルではアガベを使う際、地中に掘られた穴(タテマド)で蒸し焼きにすることが多いのですが、この独自の工程によって、煙で燻したようなスモーキーなフレーバーが与えられているのです。
その他、テキーラと比べ、メスカルは造り手の規模が小さく、1000年来の歴史に基づく伝統的な手法によってごく少量ずつ造られるクラフトなブランドが多いのも特徴です。
こうした規則の違いや、原料、地域、そして味わいの幅広さから、メスカルは“多様性のお酒”ともされ、テキーラがもつ魅力とは少し方向性が異なる、複雑な世界観を有するお酒とされています。

そんなメスカルは、そのまま飲むのはもちろん、バーではカクテルのベースとして親しまれおり、世界的なアワードではテキーラから独立したカテゴリーとして認められるなど、もはや市民権を得ているお酒なのです。

メスカルの伝統的な酒器「ヒカラ」

メスカルの伝統的な酒器「ヒカラ」

6人の女性が立ち上げたメスカル「アハル」

では「アハル」はどんな特徴を持つメスカルなのでしょうか?

アハルのボトル

彩り豊かなボトルに身を包む「アハル」

働く女性の活躍が日本でも注目を浴びるなど、女性を取り巻くビジネス環境が変化している中、女性率いるビジネスを奨励するべく、6人の女性によって立ち上げたられたブランドが「アハル」です。
メキシコのお酒造りのビジネスはまだまだ男性主体とされている中、運営も女性主導で行っているというユニークなメスカルです。

生産を開始したのは2016年。メキシコ中北部のドゥランゴ州で原料となるアガベを栽培し、現地の蒸溜所で製造を行っています。
使用されるアガベの品種は、この州の山岳部に自生し、希少ともされる品種“セニソ”。最初の4年間は、害虫や病気から守り、強く健康なアガべに育て上げるためにハウスの中で育成。その後畑に移して6年間育成し、10〜12年経ったものを収穫します。なお、栽培の際には肥料や農薬、化石燃料などは不使用。つまり原料となるのはオーガニックのアガベであり、それをタテマドに入れ4日間蒸し焼きに。そうして発酵に必要な糖分を蓄えると、アガベを細かく切り刻んでから木桶に入れ、空気中に存在する天然の酵母の力を借りて発酵させます。
一般的なお酒のように酵母を添加することなく、ドゥランゴの自然に寄り添いながら発酵されるのです。
出来上がったアルコールは、古の製法にこだわるメスカルらしく、直火式の小さな蒸溜器で仕上げられます。

このような伝統的かつクラフト感あふれる製法で造られる「アハル」は、その身を包むボトルも特徴的。
日本でもインテリアで親しまれるメキシコの伝統織物“サラぺ”をモチーフにしたという、彩り豊かなデザインが施されたボトルが目を引きます。

ボトルのデザインはメキシコの伝統織物“サラぺ”をモチーフにしている

ボトルのデザインはメキシコの伝統織物“サラぺ”をモチーフにしている

一方で味わいもまた特徴的で、メスカル特有のスモーキーなフレーバーは比較的控えめ。優しさが感じられる味わいには、女性にも味わってほしいという、女性創業者たちの思いが滲み出ています。

プロに聞く、「アハル」のオススメの飲み方とカクテル

「アハル」への造詣が深いRUBIA(渋谷)のヘッドバーテンダー・河野成未さん

「アハル」への造詣が深いRUBIA(渋谷)のヘッドバーテンダー・河野成未さん

このように、メスカルの中では独自のポジションに位置する「アハル」について、プロはどう捉えているのでしょうか?
3/9に渋谷にオープンする、テキーラ&メスカルを豊富に取り扱うファインメキシカンレストラン&バーRUBIAでヘッドバーテンダーを務め、「アハル」関連のイベントにバーテンダーとして携わるなど、ブランドへの造詣が深い河野成未さんは、その味わいについて、次のように語ります。
「アハルは、ヨールグルトやチーズなどの乳製の優しい香りがあり、口当たりも大変穏やかでフルーティーなメスカルです。もちろん、スモーキーさもありますが、他のメスカルに比べかなり親しみやすいという点で、メスカル初心者の方や、度数の高さが心配!という方にも安心しておすすめできます。カクテルのベースとしても使いやすいです」。

では飲み方はどうでしょうか?
河野さん曰く、「アハルを味わう際は、甘く!そして可愛らしく!!がポイントです。なので、トロピカルなジュースと合わせて飲むことをおすすめします。特にマンゴーのとろっとした濃厚な甘みとの相性は抜群。より一層、アハルの丸く優しい味わいを楽しんでいただけます。シロップを少し加えたり、フレッシュの果物を添えたりなど、ご自宅で『女子力高め』を意識して飲んでみてください」とのこと。

アハルのマンゴージュース割り

【アハルのマンゴージュース割り】
アハル 30ml、マンゴージュース適量 (割合はお好みで)

続いてオススメのカクテルについても聞いてみました。
「最古のテキーラカクテルともされる“メキシカン”は、テキーラとパイナップルジュース、そしてグレナデンシロップで作るショートカクテルです。前述したようにアハルは、トロピカルなもの、そして甘いものとの相性の良く、これをベースにすることで大人っぽいスモーキーさも加わり、トラッドな印象の味に変化します。パイナップルは、柑橘類よりも酸味が穏やかなので、グレナデンと相まってアハルの良さをうまく引き立ててくれます」。

アハルベースのメキシカン

【アハルベースのメキシカン】
アハル 30ml、パイナップルジュース 25ml、グレナデンシロップ 5ml

甘みしっかりしている方が美味しいとのことで、上記のように、通常のレシピよりグレナデンシロップを多めにすると良いのだとか。
もちろん、これらの飲み方、カクテルは、河野さんカウンターに立つRUBIAで味わえます。

女性が手がけるメスカル「アハル」を、女性バーテンダーがカクテルとして仕上げる一杯…気になる方はRUBIAで体験してみては?

詳細

【アハル】
容量: 750ml
度数: 40%
価格: 4,312円(税込)※Amazon参考

「アハル」の購入はこちらから!
「アハル」Amazonページ

【RUBIA】
住所: 東京都渋谷区宇田川町13-4 国際ビル C館
電話: 03-6416-5253
営業: 8:00〜翌1:00 (月曜定休) ※時短要請中は営業時間に変更あり
[レストラン(1階) ブランチ&コーヒー 8:00-14:30、ファインメキシカンディナー&ワイン 17:00–23:30]
[ミクソロジー・バリスタラウンジ(2階) アフタヌーンティー&シャンパン 14:30-18:00、ミクソロジーバー: 18:00-1:00]
SNS:https://www.instagram.com/rubia_tokyo/

RUBIAの店内

RUBIAの店内


RUBIAの料理

RUBIAの料理

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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