徳利とグラス、日本酒はどちらで飲むのがおすすめ?【家飲み編】

日本酒・グラスか徳利か

日本酒といえば徳利とおちょこで飲むのが一般的なイメージかもしれません。
しかし一方で、他のお酒と同様にグラスに注いで飲むという方法もあります。

どちらが日本酒に適しているのでしょうか?

この疑問について、本記事では「家飲み」シーンを想定し、解説していきます。

家飲みならグラスで飲むのがおすすめ

まず先に結論を言うと、家飲みシーンではグラスで飲む方がおすすめです。
その方が日本酒をしっかり「味わえる」からです。

詳しくみていきましょう。
まず、日本酒の飲み方と聞いて多くの方が想起するであろう「徳利+おちょこ」という飲み方は、日本酒独自の文化でもあり伝統的な飲み方です。
いわゆる「お酌」をお互いしながらお酒を嗜むという作法ですね。
これは決して否定できるものではありませんし、お店で飲む場合や複数で飲む場合はこちらの方が日本酒を楽しめることもあるでしょう。
ただ、家飲みや一人で飲むなど、日本酒を「味わう」という観点でみると、グラスの方がより力を発揮します。
(そもそも一人でお酌しながらというのも面倒ですが…)

これはなぜかというと、まずおちょこはたいてい小さく、香りを広げてくれるような作りをしていません。
「味わう」ことに重きを置いて作られているわけではないのですね。
対してグラスの場合は「味わう」ことに重きを置いて作られています。
日本酒の味や香りを感じやすいように作られているのです。

家飲みや一人の場合、味わいをしっかり感じて飲みたいでしょうから、グラスの方がおすすめというわけです。

しかし全てのグラスが適しているわけではなく、専用のグラスや適したグラスがあります。
詳しくみていきましょう。

グラスは日本酒専用もしくはワイングラスで

リーデルの日本酒用のグラス

日本酒を味わうには、日本酒専用のグラスやワイングラスが適しています。

まず専用グラスについては、日本酒を飲むことを想定して作られてますので、しっかりと味わえるのはいうまでもありません。
特におすすめなのは、グラスの形状がチューリップのような形になっていて、口の部分が少しすぼまっているもの。
ワイングラスのような形状のものですね。

チューリップ型のグラスは、実は多くのお酒の専用グラスとして採用されていて、例えばウイスキーのテイスティンググラスなんかも同様の形をしています。
口にかけてすぼまっているぶん、グラスの中に香りが残りやすいのです。だから香りをより感じれるのですね。
味わいは主に香りに左右されますから、これは非常に重要なのです。(鼻をつまむと味を感じなくなるのもそのため)

特に吟醸酒や純米吟醸酒など香りが華やかなものは、専用グラスが適しています。
ただ、専用グラスが家にあるという方は多くはないでしょうから、その場合ワイングラスでも代用できます。

おすすめの日本酒専用グラス

せっかくですので、日本酒専用グラスにどんなものがあるのかも見ていきましょう。

リーデル・大吟醸グラス

リーデルは世界的なワイングラスメーカーで、ワイン好きの方ならご存知の方も多いでしょう。
リーデルはワイングラスだけでなく、ウイスキーや日本酒など各お酒に適したグラスを作っています。
この大吟醸グラスは、見た目はワイングラスですがれっきとした日本酒専用グラスです。
大吟醸の華やかな香りを捉えるのに適しており、見た目の高級感はさることながら、実用性も兼ねそろえています。
ただし1脚3,000円前後と決して安くはなく、ステム(脚)がついているので使用には少々気を使います。

リーデル・オー・大吟醸グラス

オーシリーズはリーデルの脚がないシリーズ。
脚がなく高さがないので、腕が引っかかってグラスを倒してしまうなど割れるリスクを軽減できます。(洗うのも楽です)
日本酒用に設計されたグラスですが、ビールやワインなど他のいろいろなお酒に代用できます。
値段も上記のものより安くなっています。

松徳硝子・大吟醸グラス

松徳硝子は、うすはりグラスで有名なメーカー。有名酒販店「はせがわ酒店」の各店舗に置いてあるのでご存知の方も多いかもしれません。
底の突起が特徴的ですが、これにより香りが引き立つようになっています。
ただし、この突起とグラスの薄さが洗いにくいと感じるかもしれません。
見た目のわりに値段は安いのは嬉しいポイント。

アデリア・味わいグラス

アデリアは業務用グラスではとても有名な国産のメーカーです。
これまで紹介したグラスほどの高級感や薄さはありませんが、これが逆に使いやすいポイントでもあります。
値段も1,000円を切る安さで、しっかり香りを引き立たせる形状で機能性も兼ね揃えています。
味わい重視タイプと香り重視タイプの2種類があります。

まとめ

ここまで、日本酒の家飲み用には徳利よりも専用グラスがおすすめであること、そしてその理由についてお送りしてきました。
専用グラスを用いるのと、普通のグラスやおちょこで飲むのでは味の感じ方が異なりますので、ぜひ一度試してみてください。

本記事では主に専用グラスの利点についてお送りしていきましたが、雰囲気を味わいたい方は徳利+おちょこでも良いでしょう。徳利には徳利の良さがありますからね。

どちらが正解というものではありませんので、色々試してみるとご自分の好みの飲み方がわかってくるかもしれませんね。

それではこの辺で。
以上「徳利とグラス、日本酒はどちらで飲むのがおすすめ?【家飲み編】」でした。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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