ワインにシャンパーニュなどのスパークリングがあるのと同様に、日本酒にもシュワっと泡立つスパークリングタイプがあります。
ここ数年、少しずつその認知度が上がってきていますが、まだ飲んだことがない、あまり知らないという方も多いのではないでしょうか?
当記事では、日本酒のスパークリングを美味しく楽しむために、まずは知っておきたい2つのタイプ分けについて、シンプルに解説。
実は日本酒のスパークリングには、どのような造り方で炭酸が生まれているのか、大きく分けて2つのタイプがあります。
微妙に味わいの傾向も変わってくるため、銘柄選びのためにも知っておくと良いでしょう。
1. 炭酸ガス注入タイプ
通常の日本酒に、あとから炭酸ガスを注入することで炭酸を生み出しているいるのが、炭酸ガス注入タイプ。
一般的な炭酸ジュースと同じ製法のため、安く安定した品質を保つことができます。
コンビニやスーパーなどで売られているカジュアルなスパークリング日本酒に多くあり、その親しみやすさが魅力です。
ガス圧(炭酸の強さ)や味わいのタイプは、銘柄によりけりですが、アルコール度数が低く女性でも楽しみやすいものも多く、例えば最も有名なスパークリング日本酒の一つ「澪(みお)」などは度数も低く、甘い口当たりが人気を呼んでいます。
日本酒ビギナーの方にオススメです。
主な銘柄
澪、白鶴 淡雪、など
※炭酸ガス注入タイプは、原材料名に「炭酸ガス」または「二酸化炭素」などと記されています。
2. 瓶内二次発酵
日本酒を造るには発酵という技術が欠かせませんが、発酵とは酵母の力をかりて原料の糖分からアルコールを生み出すこと。その際実は二酸化炭素、つまり炭酸ガスも生み出されています。
通常の日本酒では、この時の炭酸ガスは蒸発して行きますが、密閉空間でもう一度それを行うことで炭酸ガスを日本酒に溶け込ませることができます。
その仕組みを利用したのが、瓶内二次発酵タイプです。
日本酒を瓶に詰める際に、酵母が生きたまま詰めたり、または搾る前の日本酒(モロミ)を少し加えたりすることで瓶の中でまた発酵を促します。
瓶の中なので炭酸ガスの逃げ場はなくなり、日本酒に溶け込むのです。
瓶の中でもう一度発酵させるので、瓶内二次発酵と呼ぶわけです。
基本的に白くにごっているため「活性にごり」などと呼ばれることもありますが、にごり方にはバラつきがあるのと、中には全くにごっていないものもあります。
この製法は、シャンパーニュにも用いられる伝統的かつ手間がかかる製法と似ており、本格的なスパークリング日本酒に多い傾向があります。
ガス圧は基本的に強めですが、自然にできた炭酸のため、シャンパーニュ同様に泡がきめ細かく、ソフトなのが特徴。また、爽やかな口当たりになる傾向があります。
アルコール度数はさまざまですが、「一ノ蔵 すず音」のように低いものも多くあり、通常の日本酒と比べ飲みやすい傾向にあるため、スイスイ飲めてしまいます。
ただし、基本的に要冷蔵であることと、開栓時は泡が吹き出す可能性もあるため、ゆっくり慎重に開ける必要があります。(ガス圧が高いものほどラベルに注意書きが書かれています)
主な銘柄
一ノ蔵 すず音、獺祭 スパークリング、七賢 スパークリング、新政 亜麻猫・スパークリング、八海山 あわ、など
まとめ
炭酸ガス注入タイプと瓶内二次発酵タイプ、どちらかといえば炭酸ガス注入タイプの方が甘い傾向がありますが、良くも悪くも日本酒っぽさはあまりありません。
一方で瓶内二次発酵タイプは、味わいや炭酸の強さなどタイプはそれぞれですが、本格的な製法なので、ナチュラルな味わいであるのと、飲みやすさの中にも日本酒っぽさを感じます。
いずれにせよ、通常の赤白ワインよりスパークリングの方がスイスイ飲める方が多いように、日本酒もスパークリングの方が爽やかな甘さを感じるものが多く飲みやすい傾向にあります。
ワインのそれと同じように、乾杯のお酒または食前酒として、場を盛り上げてくれそうです。
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