ビールには、生ビールとそうでないビールがあるのはご存知の方も多いと思います。
これらの違いについて、それとなく知っているという方も多いと思われますが、実はこれらの違いは誤解されやすい部分でもあります。
本記事では、これらの違いについて、誤解されやすいポイントなどを踏まえながら解説していきます。
それでは見ていきましょう。
生ビールの定義 〜 缶ビールや瓶ビールも生ビール?
日本では飲食店などで飲める樽に詰められた、いわゆる樽詰ビールを「生ビール」、そうでない缶ビールや瓶ビールは生ビールではないと捉えている方が多くいます。
しかし実はこの捉え方は間違いです。
そもそも生ビールの正体は「非加熱処理ビール」
ビールが詰められた容器や酵母の有無などは問わず、加熱処理をしていないビールは全て「生ビール」となります。
したがって缶ビールでも瓶ビールでも加熱処理をしていなければ生ビールということになります。
今は生ビールが主流
そもそも加熱処理は、主に酵母を殺菌することを目的としています。
酵母が生きたままでは、完成後も質やビールの味わいが変化してしまう可能性があるからです。(意図的に酵母を生かすビールもあります)
昔は、酵母を取り除く手段が加熱殺菌したなかったので、加熱処理ビール、いわゆる生ビールではないビールの方が一般的でした。
しかし今現在は、技術の進歩により加熱殺菌しなくとも、ろ過だけで酵母を取り除くとこが可能になり、生ビールが主流となっています。
このように現在は、非加熱処理の生ビールが主流となっており、同じ銘柄なら中身全て同じ「生ビール」なのです。
よく、樽詰ビールと缶ビール、瓶ビールの中身は違うと誤解されている方が多いですが、詰める容器が違うだけで実は中身は全く同じものです。
樽詰ビールと缶ビール、瓶ビールに味の違いはない
前述のように、非加熱処理の生ビールであれば、樽詰ビールだろうと缶ビール、瓶ビールだろうと中身は同じもの。
しかし、これらそれぞれでビールの味わいが違うと感じる方も少なくありません。
中身が同じものなので、ビールそのものの味が違うといったことはありません、
ではなぜ味が違うと感じてしまうのか?
考えられるポイントは2点。
1つは飲む容器(グラス)の違い。
もう1点は、泡の状態の違いです。
飲む容器によって味の感じ方は変わる
まず1つ目の飲む容器(グラス)の違いについて。
樽詰ビールは基本的に飲食店にいかなれければ飲むことはできず、必ずジョッキやグラスに入れて提供されます。
しかし、ご自宅で楽しむことが多い缶ビールの場合、グラス注がず缶のまま飲む方も多いようです。
このように飲む容器の違いによって、ビールそのものの味は変わらないものの、味わい方(味の感じ方)は変わります。
そもそもビールメーカーはグラスに注がれることを前提として樽なり缶なりに詰めているので、たとえ缶ビールだとしてもグラスに注いで飲んだ方が、より本来の味を楽しむことができるでしょう。
泡の違い
樽詰ビールと缶ビール、瓶ビールとでは、容器に注いだ際の泡の状態が異なります。
ビールの泡には、注がれたビール中の香りの拡散や酸化を防ぎ「美味しさのフタ」をする役割があるとされています。
この泡を、樽詰ビールでは、専用器具を使うことで泡だけをキレイに作り出すことができます。
樽詰ビールだからこそ作り出されるきめ細かいクリーミーな泡は、ビールの味わい方に影響を与え、缶ビールや瓶ビールにはない味わいを作りだすことができます。
しかしだからといって、ビールそのものの味が変化するわけではありません。
あくまで感じ方の問題ですから、缶ビール、瓶ビールだからといって味が劣るわけではありません。
まとめ
ここまで生ビールとそうでないビールの違いについて解説してきました。
最後にざっくりまとめると…
- 生ビールとは非加熱処理のビールを言い、今はこれが主流。
- 樽詰ビールでも缶ビールでも同じ銘柄であれば中身は全く同じもの。
- よって「樽詰ビールが生ビール」というのは誤解である。
- 樽詰ビールと缶ビールで味が違うように感じるのは、飲む容器、泡の状態の違いによるもの。
このように樽詰ビールだろうと缶ビールだろうと、中身は一緒で味に違いはない(味わい方に違いはあるのしても)という事実は、少々意外に感じたのではないでしょうか?
ぜひ今後は、缶ビールだからと言って卑下せずに味わってみてください。
それではこの辺で。
【参考文献】
改訂新版・日本ビール検定公式テキスト|日本ビール文化研究会
⇒世界一売れているビールは?2015年世界シェアTOP10を発表!
⇒ピルスナーやペールエール、IPAにスタウトなど…ビールタイプを簡単解説
⇒日本のクラフトビール(地ビール)・おすすめ8銘柄
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