アメリカや本国メキシコでのブームを皮切りに、今後世界的なブームが予想されるメスカル。
とはいえ日本ではまだまだ認知が低く、「テキーラとの違いが分からない」という方が多いのが現状です。
そこで当記事ではメスカルがどんなお酒なのか、はたまたテキーラとの明確な違いは何なのか、ざっくりとご紹介していきます。
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メスカルとは?原料や定義をざっくりご紹介
メスカルはテキーラと同じく、多肉植物であるアガベを原料に造られるメキシコ産の蒸留酒。
52品種ものアガベの中から適宜使用され、テキーラと同じく葉を切り落とした球茎部分(ピニャ)を蒸し焼きにし搾汁したものを発酵、蒸留させ造られています。
2回以上蒸留されるためアルコール度数は基本40度以上。
実はシャンパンやコニャック、そしてテキーラ同様に原産地呼称が認められているお酒で、産地は現時点でメキシコの9つの州に限られます。
約500年前からメキシコで親しまれ、その製法をほとんど変えずに現在まで残っています。
近年はメスカル規制委員会が発足されるなど、メキシコの地酒として保護・発展させる動きがあり、現地メキシコやアメリカなどでは大注目のお酒となっています。
By GorissM|Mezcal and Tequilla Agave, CC BY-SA 2.0
メスカルとテキーラとの違いは?
メスカルとテキーラは何が違うの?というのは良くある疑問の一つ。
実はメスカルは「テキーラの母」と呼ばれています。
200年前ぐらいまではテキーラはメスカルだったされているのです。
その後別々の歴史を歩み、進化したのがテキーラで、伝統を守り続けたのがメスカルといったところ。
そのため似たお酒ではありますが、よくみると違いがあります。
By Russ Bowling|Mezcal Production, CC BY 2.0
原料のアガベの違い
テキーラは規定で原料に使用できるアガベの品種はブルーアガベ種のみですが、メスカルでは現状で52品種のアガベが使用できます。
ワインがブドウの品種によって大きく味が変わるのと同じように、このアガベの品種の違いは当然味わいにも違いを生みます。
産地の違い
テキーラは5つの州(ハリスコ、ナヤリ、タマウリパス、グアナファト、ミチョアカン)での生産が許されていますが、9割以上はハリスコ州で造られているとされています。
それに対し、メスカルでは9つの州(オアハカ、ドゥランゴ、サカテカス、タマウリパス、グアナファト、サンルイスポトシ、ミチョアカン、ゲレロ、プエブラ)で生産されており、産地の違いは味やスタイルにも違いを与えます。
熟成の違い
テキーラは樽で熟成させ茶色づいたタイプ(レポサド、アネホなど)も多いですが、メスカルではアガベ本来の風味を味わってもらうために熟成させないものが多いのだとか。
なのでメスカルはほとんど無色透明です。
味の違い
メスカルでは、アガベを糖化させる際に土に埋めて蒸し焼きにするのですが、それによって独特のスモーキーな香味が与えられます。
糖化に専用の設備を使用するテキーラにはないフレーバーです。
また、野生酵母での自然発酵など、500年続く伝統製法によって、メスカルには複雑でしっかりしたフレーバーが与えられます。
By Gérard Janot – Own work, CC BY-SA 3.0, Link
どんなところが魅力?
メスカルには多くの魅力がありますが、そのうち一つが、ブランド、銘柄ごとの個性や味わいがはっきりしていること。
また、メスカル特有のハーバルでスモーキーなフレーバーも魅力的です。
それから、メスカルは生産規模がとても小さく、今だに電気、水道が通っていないようなところで造られているようで、いわばメスカル自体がクラフトなのです。
その独自の生産背景もメスカルならではの魅力とも言えるでしょう。
まとめ〜 今こそメスカルを飲んでみよう
テキーラが「美味しいお酒」として認知されるようになり、クラフトビールやクラフトジンなど個性豊かなお酒が受け入れられるようになっている昨今。
メスカルもまた、その潮流の合ったお酒と言えるでしょう。
そんな今だからこそ、メスカルを飲んでみると新たな発見があるかもしれません。
ちなみに飲み方はストレートでゆっくり味わうの基本だとか。
とはいえ、度数が高いのではじめはカクテルで味わってみてもよいでしょう。
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