バーテンダーへの8つの質問 – THE SAILING BAR / 奈良・桜井市

学生だった1991年に、桜井市のイタリアンレンストラン&バーでアルバイトを始めたのが、バーテンダーという職業を知るきっかけでした。当時はイタ飯ブームの真っ只中でして、はじめは軽い気持ちでアルバイトをしていたのですが、その店のマスターバーテンダーが丁寧にバーテンダーの基本を教えてくださいまして…それからバーの世界にのめり込んでいきました。
そのマスターバーテンダーが1994年に独立しオープンさせたのが「THE SAILING BAR(現在のお店)」で、同じタイミングで声をかけていただき私も勤務することになりました。しばらくはマスターバーテンダーのご自宅に居候をしながら仕事をしてましたし、今となっては良い思い出です。
実際に本職としての自覚を持ち始めたのはその数年後ですかね。

クラシックなカクテルは好きですね。古いカクテルブックを海外オークションで買って記載カクテルのレシピを再現したりするのが好きなんです。
その中でも一つ挙げるならやはり「Aviation」ですね。1916年のHugo Ensslinの「Aviation」を私がアレンジした「Takumi’s Aviation」がGary ReaganのThe Joy Of Mixologisy （改訂版）というカクテルブックに掲載して頂いた経歴もあり特に感慨深いカクテルなんです。

憧れだけで言えばジャズミュージシャンですね。
当店は元々オープンから15年間は定期的にジャズを中心にライブ営業をしてました。Duke JordanやHank Jones、Ray Bryant、国内でも上田正樹さん、憂歌団さん、桑名正博さんなど多彩なアーティストのライブをしてきまして、見てて憧れました。近くで仕事が出来た私は本当にラッキーでした。破天荒な人生を歩んでそうなミュージシャンですが、そうであればあるほど音楽がまた繊細だったり…それもまた興味深いですね。

月並みかもしれませんが、お店のトイレ掃除や床の掃除は若手にさせるのではなく毎日私がしています。私の世代は「仕事の基本はトイレ掃除から」と言われ育ちましたので今でも続けてしています。むしろマイルーティンとしてはこれくらいかな…？

お気に入りの時間の過ごし方は映画鑑賞ですね。
ジャンルは問いませんが物語の世界に没頭出来るのはやはり楽しいですよね。ストーリー、音楽、衣装など考えると現代の総合芸術なんじゃないかなって思う時があります。特に好きな映画は映画館でひとりで観たいですね。

イタリアとか移住してみたいですね。
旅行で行ったことがあるくらいですが、石畳を歩いた時に物凄く風情の良さを感じました。料理もシンプルで美味しかったことや、勝手な思い込みですが馴染みの良さを感じたんですよね。もしかしたら渡邉の老後はイタリアの田舎街でバーを営んでるかもしれません…

お酒関係では、ウォッカの勉強でスウェーデンに1週間滞在したことがありまして…
オフスの森の中で鹿肉とザリガニ？を食べながら、ヨーロッパ各地のバーテンダー達と現地の歌を歌いウォッカで乾杯！…そこがどこか分からないくらい飲んではしゃいだ時かな(笑)
「友が遠方から来たらお酒を飲んで喜ぼう〜」という歌詞は覚えていて…
その1週間はウォッカ以外のお酒は飲んでないエキサイティングウィークでした。

現在、国内外のバーテンダーや仲間と共にカクテルブックを作成しています。
なるべく今までにないアプローチをしたいと思ってまして、2021年内に発売できる様に取り組んでいます。私はバーテンダーをやり始めて30年経ちましたし、1つの通過点として今まで作成したカクテルなどをまとめてみようかと思っています。