バーテンダーへの8つの質問 – Bar Oscar / 福岡市

福岡の大学に進学したての頃に、バーでアルバイトを始めたことがきっかけです。
地元宮崎では高校時代に喫茶店でアルバイトをしていましたし、それに近しいバーの内装がどことなく好きだったのかもしれません。その最初に働いたバーでは、先輩がシティコーラルというカクテルをお客様に作っていたことを印象深く覚えてまして…というのもそのカクテルは、のちの師匠となる上田和男さん(銀座の伝説的なバーテンダー)が考案者なんですよ。初めて買ったカクテルブックにシティコーラルが載っていたときは興奮しましたし、次第に上田さんに憧れを抱くようになりました。
そうして大学卒業後、上田さんに弟子入りするべく上京。最初は断られてしまったものの、諦めきれず懇願してなんとか弟子入りし、当時上田さんがいたバー・ロオジエで働くこととなりました。その後4年の修行を経て、96年に開業したのがBar Oscarです。
こうして振り返ってみると、大学時代のバイト先の方達とも今も繋がっていますし、良い先輩方に恵まれたからバーテンダーを本職として選んだのかもしれませんね。

「ラフロイグ 10年」のハイボールを毎晩仕事が終わった後に飲んでいます。
作るのはマティーニが好きですかね。一番思い通りにならないし、難しいからこそ作りがいがあるんです。
ただ、思い入れがあるのはダイキリでして…ロオジエ時代に初めて師匠に作っていただいたカクテルであり、卒業するときに一杯だけ作ったもらったのもダイキリだったんですよ。

実はバーテンダーを目指す前は、輸入雑貨のお店を開くことを目標にしていました。
だからこそ貿易学科のある大学に進学したんです。結果的に輸入のお酒を多く扱う仕事をしていますし、今に繋がっているかもしれませんね。
今やってみたいと思うのは、パティシエか焼き鳥のお店でしょうか。氷とは真逆の素材である火を扱う仕事ですし、どこかロマンを感じるんです。

とにかく風邪をひかないようにしていること、そのために体調管理に気をつけていることでしょうか。
(体調を崩しやすい)季節の変わり目より早めに服装を変えたりなど対処しています。
そしてやっぱり、毎晩美味しくお酒を飲むこと。毎晩全く同じハイボールを飲むことで、その日の体調を知る指針にもなるんですよ。

基本的には旅行とドライブが好きなんですが、去年の秋からはウィンドサーフィンにハマっています。
元々水泳をやっていましたし、海が大好きなんですよ。今では週に1-2回、出勤前に行っています。

スペインかイタリアか、はたまたロンドンか…ヨーロッパへの移住には興味があります。
ただ、理想でいえば世界中をわたり歩きながら仕事をしたいですね。

たくさんあるんですけど、強いて挙げるなら、初めて出場した世界大会(バカルディ・マルティーニ グランプリ)でスペインに行ったときでしょうか。
その数年後に世界大会(ビーフィーター・インターナショナル バーテンダーズ コンペティション)で部門優勝したときももちろん興奮したのですが、何しろ人生初の世界大会…歳も25と若かったですし、初のスペインに一人で行ったこともあり、何もかも刺激的でした。
少し意味合いは変わりますが、2005年の西部沖地震も自分の人生において重要な出来事となりました。
当時は2号店を開けたばかりだったのですが、お店も自宅も大きな被害を受けました。そのとき、同業者の方たちからグラスやボトルをいただくなどすごく助けてもらったんです。その経験があるからこそ、熊本地震の際にはバーテンダーとして復興支援のサポートをさせていただくなど、復興支援活動には積極的に参加するようになりましたし、今の自分の行動につながる出来事でした。

また海外で仕事をしたいですね。
実は大学3年の頃、バーテンダーとして修行を積みたいとアメリカ留学を考えたこともあるんです。結局は両親の猛反対もあり叶わずだったんですが、海外への憧れは元からありまして…その後アメリカを含め海外には仕事で行くことにはなるんですけど、基本的にはアジア圏が多かったものですから、一度はヨーロッパでも仕事をしてみたいですね。
それと先日、コロナ以降初めて全国のバーテンダーが集まるイベントがあったのですが、尊敬しあえる仲間と話すことはやはりとても楽しいと感じましたし、お互い良い刺激になれるように今後も切磋琢磨していこうと改めて感じました。
プライベートでは…ウィンドサーフィンが上手くなりたいですね(笑)