金賞受賞数5年連続NO.1!福島のおすすめ日本酒8選

福島の日本酒

日本酒の名産地として着々と認知度を上げている福島県。
特にここ数年は、写楽や廣戸川など同県産の銘柄が全国区で人気が出るなど、目にする機会が増えています。

その福島の日本酒…
実は鑑評会における金賞受賞銘柄数が日本一多いというのはご存じでしょうか?
それも、今年2017年も含む5年連続で日本一に輝いています。

日本酒愛好家だけでなく、専門家からの評価もかなり高いということです。
本記事ではその福島の日本酒の中から、筆者が思うおすすめ銘柄8つをご紹介していきます。

予めお伝えしておくと筆者は福島出身です。本記事に関しては個人的な贔屓目もありつつ福島の日本酒の魅力をお送りしていきます。

福島の日本酒の特徴をざっくり説明

福島県の位置
By Lincun – 国土交通省 国土数値情報(行政区域), CC 表示-継承 3.0, Link

全国で3番目の面積を誇るとても広い福島は、日本酒のタイプも様々。
基本的には、華やかな香りとお米の甘み、旨味を感じる、しっかりした味わいの銘柄が多いと言えるでしょう。
しかし新潟県にほど近い喜多方市などでは同県産の日本酒ような、スッキリ淡麗辛口タイプの銘柄も作られています。

使うお米の品種によっても味わいは変わり、福島では福島独自の酒米「夢の香」や同県産の五百万石、そして山田錦などがよく用いられます。
一般的に夢の香や山田錦などを使用したものは、華やかなタイプとなり、五百万石を使用したものはスッキリ淡麗辛口になる傾向があります。
(お米の品種はラベルなどに公表されていることが多いのでぜひチェックしてみてください)

福島の日本酒はここ数年評価を上げていて、冒頭でも述べたとおり、鑑評会で5年連続・金賞受賞銘柄数最多という記録を打ち立てました。
この鑑評会は「全国新酒鑑評会」という100年以上の歴史を持つ、業界でも最も権威のある品評会の一つ。

全国区で人気急上昇中の銘柄も多く、今まさに「アツい」のが福島の日本酒なのです。

酒米品種についてはこちらの記事で解説しています。
山田錦に五百万石…日本酒に使われる主な酒米をざっくり説明

福島のおすすめ日本酒8選

それではいよいよ銘柄紹介に移ります。
ここでは評価が高い福島の日本酒の中から、筆者が特におすすめする銘柄をご紹介していきます。
稀少なものばかりでなく、比較的気軽に入手できる銘柄もピックアップしています。

※番号を振っていますがランキングでありませんので並び順は関係ありません。

1. 大七・生酛純米

大七は、福島の日本酒の中では一番目にする銘柄ではないでしょうか。
福島県内ではTVCMも流れるこの大手銘柄は、全国の飲食店だけでなくスーパーなどでもよく売られていることから、とりわけ知名度が高い人気の銘柄です。
これを作る大七酒造は、すべてのお酒を「生酛造り」で作ることで有名。
生酛造りとは、時間をかけてゆっくり、手間暇かけて日本酒を作る伝統的手法で、これをすることにより味わいにお米本来の旨味やコクが生まれるとされています。
(大七は生酛造りで最も有名な蔵元と言っていいでしょう)

この大七の看板商品である「生酛純米」はお米の旨味をしっかり感じられる味わいで、飲みごたえのある1本です。

2. 国権・てふ

てふは、福島県南会津の国権酒造が作る、フラッグシップ「国権」とは別の銘柄シリーズです。
国権といえば日本酒愛好家の方ならご存知であろう蔵元で、なんと今年を含む10年連続で金賞を受賞している素晴らしい蔵元です。
フラッグシップの国権は、しっかりした味わいの銘柄ですが、この「てふ」シリーズは、可愛らしいラベルの印象通り、やわらかでスッキリした優しい味わいとなっています。飲みやすいため女性にもおすすめです。

てふは限定品であり、あまり県外には流通していないものなのですが、たまたまネット通販で発見したのであえて国権ではなく「てふ」をチョイスしました。
ちなみに「てふ」の意味は「蝶」で、ラベルにもしっかり蝶が描かれています。

3. 人気一・純米大吟醸

ユニークな名前が印象的な人気一は、福島県二本松にある「人気酒造」が手がける日本酒です。
人気酒造は日本酒だけでなく焼酎なども作る蔵元で、この人気一は今年金賞を受賞している銘柄でもあります。

この銘柄の良さはなんといってもコストパフォーマンスの良さ。
純米大吟醸というハイスペックながら一升瓶価格で3,000円程度という驚きの安さ。
そして純米大吟醸らしい華やかでフルーティーな味わいが魅力です。
純米大吟醸ながらも気軽に楽しめる1本です。

4. 奈良萬・純米大吟醸

奈良萬は、福島県・喜多方市の日本酒で、比較的に全国的に人気知名度があり、同県産の日本酒の中では淡麗辛口タイプとなっています。
「究極の食中酒」というコンセプトどおり、食事の邪魔をしないスッキリした味わいとなっており、それでいながら薄すぎずコメの旨味も感じる銘柄です。
蔵元は今年金賞を受賞しており、この純米大吟醸は、先日記事でも取り上げた日本酒版パーカーポイントで90点という超高得点をつけた銘柄でもあります。

日本だけでなく世界の権威からも評価された奈良萬。
ぜひ一度は味わってほしい銘柄ですね。

日本酒版パーカーポイントについてはこちらの記事からどうぞ。
あのパーカーポイントが日本酒に!90点以上78銘柄を発表

5. ロ万(ロマン)・皐口万

ロ万(ろまん)は、福島県南会津の花泉酒造が手がけ、ロマンの他に十口万(とろまん)、七口万(しちろまん)などユニークなネーミングが光る銘柄シリーズです。
全国的に人気が高まっている銘柄で、有名日本酒サイト「SAKETIME」では福島の日本酒ランキングで3位につけています。
数あるロ万シリーズの中で今回ご紹介するのは「皐ロ万(さつきろまん)」
名前のとおり5月に出荷されるもので、5月の過ごしやすい天候のように、すき透るようなクリアで優しい甘みとフレッシュな酸味が特徴的で、それでいながらお米の旨味も残る味わいとなっています。

よく言われるところの「キレイなお酒」なので、女性や普段あまり日本酒を飲まない方にもおすすめです。

6. 廣戸川・特別純米


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福島の日本酒は会津・喜多方・二本松市周辺で作られるものが多いですが、この廣戸川は天栄村という自然に囲まれた土地で作られています。
現在32歳という日本酒業界ではかなり若い方が杜氏を務めており(もうそれだけで応援したくなります)、現在全国区で人気急上昇中の銘柄です。
SAKE COMPETITION 2016の純米酒部門でGOLDを受賞、さらに鑑評会で今年を含む6年連続で金賞を受賞した蔵元でもあるため、今後さらに人気は高まっていくとされています。

廣戸川は全シリーズ「夢の香」という福島独自の酒米を使用しており、華やかな香りを持ちながらも穏やかで、程よい旨味と酸味を伴ったとてもバランスに優れた味わいとなっています。
ネクスト獺祭になる可能性もある銘柄ですので、見かけたら是非味わっておいてください。

7. 天明・純米吟醸 無濾過生

天明は、会津にある蔵元・曙酒造が手がける銘柄。
こちらも非常に若い方が杜氏を務めていて、先代の女性杜氏からバトンタッチしたときはまだ27歳だったとか。
曙酒造は天明の他にも「一生青春」という高級シリーズも作っており、こちらは今年の鑑評会で金賞を受賞しています。
震災の際は蔵が被災、そんな苦境を乗り越え今では被災地支援も積極的に行なっており、天明の「ハート天明」シリーズは売り上げの一部が寄付される仕組みになっています。

この純米吟醸・無濾過生は、無濾過生らしく、水々しいフルーツの香りとフレッシュな酸、そしてお米の甘み・旨味を感じる味わいとなっています。
日本酒初心者の方にもおすすめです。

8. 写楽・純米吟醸

全国的に有名かつ人気の日本酒として既に定番化しつつある写楽。
福島県内でも入手困難なお酒となっており、ネットはおろか店頭でもプレミア価格で売られていることが多い銘柄です。
写楽というネーミング(正しくは旧漢字の冩)と洗練された美しいラベルに目がいきますが、何よりその味わいが高く評価され人気を博しています。

定番商品である純米吟醸は、お米は五百万石し、精米歩合50%というもはや純米大吟醸レベルまで磨かれたお米による、水々しいメロンのような甘みとフレッシュな酸味が特徴的です。
濃すぎず、薄すぎずバランスに優れたとても飲みやすい味わいとなっています。

【番外編】飛露喜・特別純米

おすすめ8つのご紹介は以上で終了なのですが、最後に「飛露喜」についても触れたいと思います。
飛露喜といえば十四代などと並ぶ超人気日本酒銘柄ですが、なぜあえて番外編として取り上げたかというと、「実は飛露喜も福島のお酒なんですよ」と言いたかったから。
そんなことは知っているという方も多いでしょうし、筆者がわざわざおすすめしなくても飛露喜をご存じの方も多いでしょう。
ですが意外と「飛露喜は福島の日本酒である」ということを知らない方が少なくないのです。(実際にお店に立っていた者として感じたもの)

さてその飛露喜ですが、おいしいのは言うまでもありません。
長年人気があるお酒で本質的にまずいものはありません。(好みの問題はあるでしょうけど)
味わいはフルーティーで芳醇旨口。米の甘さや旨味がしっかり感じられる味わいです。

定価の3倍近くで売られているため、自分で購入となると中々難しいかもしれません。
なので飲食店などで見かけた際に飲んでみるといいかもしれません。

まとめ

気になる銘柄は見つかりましたでしょうか?

最後に少しだけまとめると…

スッキリタイプなら…てふ、奈良萬、口万、
しっかりタイプなら…大七、天明、飛露喜
バランスタイプなら…人気一、廣戸川、写楽

がおすすめです。

今回は8つに絞ってのご紹介でしたが、もちろんここで取り上げた銘柄以外にも福島にはたくさんの素晴らしい日本酒があります。
福島の日本酒を見かけた際には、ぜひ味わっていただけると嬉しいです。

それではこの辺で。
以上、「金賞受賞数5年連続NO.1!福島のおすすめ日本酒8選」でした。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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