製造の自由度が比較的高いジンは、例えばコチラの記事【クラフトビールを原料に造られた日本初のジン「KAGUA GIN」】でも紹介しているようにビールを原料とすることもできます。
今回ご紹介するジン「REVIVE」も、ビールを原料として使用しているのですが、コチラはなんと、廃棄されるはずだったビールを再利用したエコなジンです。
新型コロナウイルスの猛威によって、飲食店が苦しむ中、樽生ビールなど多くのビールが余剰となってしまいました。
そうしたビールをジンの原料として再利用しようと考えたのが、バドワイザーなどを展開するアンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパンと、老舗日本酒メーカー“月桂冠” 、そして、エコなジンをシリーズ化し話題となったエシカル・スピリッツの3社。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で余剰となった約80,000杯分のビールを、ジンとして蘇らせた「REVIVE」が9/1(火)に発売されます。
バドワイザーを蒸留し、ジンのベースとして再利用
それぞれ異なるカテゴリーのお酒を展開する3社の協業によって始まった「REVIVE」のプロジェクト。
これまでに、廃棄分の酒粕を再利用したジン「LAST」シリーズを手がけるなど、エシカル・スピリッツは、ジンを通して独自のエコシステムを築いてきました。
そんな同メーカーが次に着目したのはビール。ジンは原料選びに比較的自由が効き、ビールを原料として使用することも可能です。さらにビールには賞味期限がありますが、蒸溜酒であるジンにはそれがありません。
そうして、コロナ禍で苦しむビール業界とタッグを組むと、さらにはそれをジンへと変える製造場所として、京都を拠点におく日本を代表する日本酒メーカー・月桂冠とも手を組み、3社共同でジンを開発。
バドワイザーは月桂冠にビールの提供を行い、エシカル・スピリッツが持つジン製造の技術によって「REVIVE」を完成させました。
そんなREVIVEの特徴はビールの再利用に留まらず、その製造方法も特徴的です。
ビールはバドワイザーを2回蒸溜したものをベースに採用。そこに加えられるボタニカルは、ジュニパーベリーの他、2種類のホップとレモン。それを再度蒸溜して出来上がった原酒に、再びジュニパーベリーと、シナモン、そしてブナの木というユニークな素材を漬け込んで香りを抽出。最後に、蒸溜酒には出しえないコクやまろやかさを出すべく再びビールを少量加えてから瓶詰めされます。
一般的なジンは、ボタニカルを加えて再蒸溜して完成ですが、REVIVEはさらに漬け込みを行い香りを抽出しているのです。しかも最後にビールを添加という一手間もプラスされています。
製造を主導したエシカル・スピリッツの山口歩夢さんは、その仕上がりについて「ほんのりと甘く、最後にじんわりと木の風味がする、余韻の長いジン」と話しており、“コンパウンドジン(ボタニカルを加えて再蒸溜しないジン、または再蒸溜後に漬け込みやブレンドをするジン)”として最高のジンを目指すとしています。
「REVIVE」詳細
商品名:「REVIVE」
販売時期:2020年9月1日(火)~(予定)
エシカル・スピリッツ公式オンラインショップ( https://shop.ethicalspirits.jp/ )にて2020年8月1日(土)AM10:00より先行予約開始
品目:リキュール ※
アルコール分:40度
容器:360ml瓶
販売地域:全国
製造場所:月桂冠 大手蔵
※:コンパウンド製法で作った特別なジンであり、 蒸留後にビールやボタニカル等で加水・浸漬するという製法から酒税法上は「スピリッツ」ではなく「リキュール」に分類されます。
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