世界ではどんなウイスキーブランドが売れているのでしょうか?そして世界で最も売れているのはどんなウイスキーブランドなのでしょうか?
今回はそんな疑問に答えるべく、英Drinks Internationalによる「THE SPIRITS RANKING 2020」を元に、スコッチやバーボン、ジャパニーズウイスキーなど全世界のウイスキー売上(出荷数)ランキングを掲載!
上位30ブランドを、解説付きで30位から順にご紹介します。
※日本で展開されていないブランドについては英語でのみ表記します。
30位 トリス / Torys
売上(出荷数):260万ケース(1ケースあたり9L換算)
カテゴリー:ジャパニーズウイスキー(以下、産地は日本)
まず30位にランクインしたのは日本のブレンデッドウイスキー「トリス」。
近年急成長を遂げているブランドで、2015年以降出荷数は1.6倍に。実は1946年リリースの歴史あるブランドでもあります。
29位 ラベル5 / Label 5
売上:270万ケース
カテゴリー:スコッチ(以下、産地はスコットランド)
続いて29位はフランスのラ・マルティニケーズ社が所有するスコッチ「ラベル5」。
世界50カ国以上で展開されるブランドですが、所有元がフランスなだけあって同国内で大きな人気を誇ります。
28位 ブラック&ホワイト / Black & White
およそ300万ケース出荷し、28位にランクインしたのは犬のラベルが印象的なスコッチ「ブラック&ホワイト」。
世界最大手のスピリッツメーカー・ディアジオ社が手がけています。主にウイスキー新興国で愛され、成長が止まりつつあるブレンデッドスコッチの市場では珍しく急成長中のブランドです。
27位 Sterling Reserve Premium
売上:280万ケース
カテゴリー:インディアンウイスキー(以下、産地はインド)
インド産のプレミアムウイスキー「Sterling Reserve Premium」が27位に。
同国を代表するスピリッツメーカーAllied Blenders & Distillers社が手がけるブランドで、昨年1年間で131%出荷数が増えるなど急成長中のブランドです。
26位 J&B
ディアジオ社のブレンデッドスコッチ「J&B」が26位に。
1970年代にはその売上が300万ケースを超えたともされる長年人気のブランドです。ただし近年はマイナス成長を続けるなど人気に陰りが見えています。
25位 デュワーズ / Dewar’s
日本でもよく知られるバカルディ社のスコッチ「デュワーズ」が25位にランクイン。
ハイボールの起源にもなったとされるブランドで、特にアメリカで大人気とされています。そのバランスに優れた繊細な味わいは、日本人の舌にもマッチします。
24位 ウィリアム ローソンズ / William Lawson’s
売上:330万ケース
カテゴリー:スコッチ
24位にランクインしたのは、デュワーズに続いてバカルディ社がオーナーのスコッチ「ウィリアム ローソンズ」。
日本では正式に展開されてないブランドですが、イギリス以外の西欧や南米の一部ではとりわけ高い人気を誇るとされています。
23位 ブラックニッカ クリア / Black Nikka Clear
日本のニッカウイスキーが手がける「ブラックニッカ クリア」が23位にランクイン。
同社独自の連続式蒸溜機・カフェスチルの原酒を駆使したブレンデッドウイスキーで、そのクセのなさが幅広い層から人気を呼んでいます。
22位 Bangalore Malt
売上:420万ケース
カテゴリー:インディアンウイスキー
「Paul John」といったシングルモルトなど、インドで多数のウイスキーを展開するJohn Distilleries社の「Bangalore Malt」が22位に。
紙パックで販売されるブランドで、売上を4年間で4倍に伸ばすなど急成長中です。
なお、インディアンウイスキーの多くは、一般的なウイスキーの原料である穀物以外に糖蜜由来のスピリッツも加えており、そういったスタイルは「IMFL」とも呼ばれます。原料の規定上、IMFLはヨーロッパなど多くの地域でウイスキーとして販売することができません。
21位 グランツ / Grant’s
ウイスキーメーカーとしてとても有名なウィリアムグラント&サンズ社の主力ブランド「グランツ」が21位に。
180カ国以上で親しまれているブランドで、日本では三陽物産社が輸入を手がけています。フルーティーでバランスに長けた味わいが人気のブランドですが、昨年より出荷数が8%減っています。
20位 Director’s Special
売上:420万ケース
タイプ:インディアンウイスキー
20位は、ディアジオ社傘下のUnited Spirits社が手がける「Director’s Special」に。
他の多くのインディアンウイスキーと同じように国内外のモルトウイスキーのほか、糖蜜が原料のスピリッツがブレンドされています。40年の歴史を持つ老舗インディアンウイスキーです。
19位 シーバスリーガル / Chivas Regal
日本でも広く知られているブレンデッドスコッチ「シーバスリーガル」が19位に。
ディアジオ社に次ぐ規模の世界的なスピリッツメーカー、ペルノ・リカール社の主力ブランドの一つで、世界200カ国以上で売られています。
日本市場では「ミズナラ」シリーズも展開されるなど存在感の大きなブランドで、嫌味のない甘さとなめらかな口当たりを特徴としています。
18位 サントリー 角瓶 / Suntory Kakubin
言わずと知れた日本のウイスキー「サントリー 角瓶」が18位となり、日本勢ではトップに。
1937年発売のロングセラー商品でもあるこのブランドは、近年その売上を伸ばし続けており、大半が国内消費ながらも520万ケースというダントツの数字で国産トップとなりました。
17位 Old Tavern
売上:530万ケース
タイプ:インディアンウイスキー
角瓶を僅差で上回ったUnited Spirits社の「オールド・タヴァーン」が17位に。
こちらのブランドは、インド国内だけでなく、アフリカなどでも販売されています。ただし、他の大半のインディアンウイスキーと同じく日本での販売はありません。
16位 Royal Challenge
売上:550万ケース
タイプ:インディアンウイスキー
続けてこちらもUnited Spirits社のウイスキー「Royal Challenge」がランクイン。
レアなスコッチとインディアンモルトなどをブレンドしているとされ、インドを代表するプレミアムウイスキーの一つだとされています。
15位 Bagpiper
売上:610万ケース
タイプ:インディアンウイスキー
またも続けてUnited Spirits社のウイスキーがランクイン。
「Bagpiper」は、売上が減少傾向にありますが、かつてはインドで最も売れているウイスキーだとされていました。糖蜜由来のスピリッツも駆使しながら製造されています。
14位 Blenders Pride
売上:640万ケース
タイプ:インディアンウイスキー
14位は、ペルノ・リカール社が所有するインドのプレミアムウイスキー「Blenders Pride」に。
同社の傘下に入って以降、ロングセラー商品になったブランドで、同社内では「Royal Challenge」としのぎを削っているとされています。
13位 バランタイン / Ballantine’s
ペルノ・リカール社の看板ブランドの一つである「バランタイン」が13位に。スコッチとしては2番目の売上で、次点のシーバスリーガルの倍近くのシェアを誇ります。
日本ではサントリーが輸入を手がけ、特に高い年齢層から支持が厚いとされています。
その味わいは香りの甘さやボディ感のバランスに長けており、スコッチの王道ともいうべき味わいが長年の人気を支えています。
12位 クラウンローヤル / Crown Royal
売上:790万ケース
タイプ:カナディアンウイスキー(産地はカナダ)
12位にランクインしたのは、王冠を思わせるボトルが印象的なカナディアンウイスキー「クラウンローヤル」。
カナダ勢としてはトップとなったこのブランドは、イギリス国王に献上された格式高いウイスキーでもあります。
甘さがしっかりとしたマイルドな味わいを特徴的です。
11位 ジェムソン / Jameson
売上:810万ケース
タイプ:アイリッシュウイスキー(産地はアイルランド)
長きにわたりNO.1アイリッシュウイスキーとして君臨する「ジェムソン」は、11位という結果に。
その軽やかでスムースな口当たりは飲み手を選ばず、また、カクテルのベースとしても人気を集めています。王道ブランドの一つでありながらも近年売上を伸ばし続けており、2015年からおよそ1.5倍となっています。