デザイン性に富んだ客室や個性的な空間使いが特徴のブティックホテルの中でも、そのパイオニアともされるのが「Ace Hotel / エースホテル」。
ライフスタイル型ホテルとも呼ばれる独自のスタイルが人気のアメリカ発のホテルブランドですが、今年6月の待望の日本上陸を果たし、京都市の商業施設・新風館に「エースホテル京都」をオープン。
今回LiquorPageでは、すでに話題のスポットとなっているホテル内のバーを訪問し、ビバレッジマネージャーの齋藤隆一さんに話を伺いながらカクテルを堪能してきました。その様子を振り返りつつ、同ホテルの特徴についてご紹介します。
アジア初進出のブティックホテル「エースホテル」とは
1999年にアメリカ・シアトルで創業したエースホテル。アーティストやクリエイターらが集って新たなカルチャーが誕生する場所を目指し、現在ポートランドやニューヨークなど世界9都市で展開しています。
その特徴は、なんといっても遊び心あふれる独自の空間使い。ローカルのクリエイター達との積極的なコラボレーションで生まれる装飾や、名物ともされる客室に置かれたレコードプレイヤーやギターなど、感性を刺激するような空間使いは高感度な人達から支持されています。また、各地のホテルはそれぞれコンセプトが異なるのもエースホテルならではのポイントで、地域性も取り入れながらクリエイティブな空間を作り出しています。
記念すべきアジア初出店となった「エースホテル京都」は、大正時代の歴史的建造物を活用した「新風館」内にオープン。
烏丸御池駅直結という好アクセスながら、日本を代表する建築家・隈研吾さんの監修による建築内部はまるで異空間。どこか京都らしさを感じさせる和の温もりとエースホテルらしいカジュアルさが見事に融合しており、新たな体験を期待させてくれます。
ホテル内には、アメリカ風イタリアン・オステリア「Mr. Maurice’s Italian/ミスター・モーリスズ・イタリアン」と、バー&タコスラウンジ「PIOPIKO/ピオピコ」の2つのレストランがある他、2020年後半にはメインダイニングのオープンも控えており、そのいずれにもバーが併設されているのは同ホテルの大きな特徴です。
「ミスター・モーリスズ・イタリアン」で楽しむ和のエッセンスも取り入れたクラフトカクテル
この日まず訪れたのが、ホテル3階にある「ミスター・モーリスズ・イタリアン」。
アメリカにおけるイタリアンのスターシェフ、マーク・ヴェトリさんが監修するレストランで、窯焼きピザやパスタなどが楽しめる他、それらの料理にインスパイアされたクラフトカクテルを堪能できます。ルーフトップバーも併設されており、カジュアルにバー利用できるのも大きなポイントでしょう。
そんなレストランバーの特徴は、マークさんの哲学でもある素材の味わいを大切にした“シンプルさ”だと、ビバレッジマネージャーの齊藤さんは話します。
「例えばトマトベースのパスタならトマトそのものの味をしっかり感じていただけるように、素材の味を大切にし、あまり気をてらったことをしないようにしています。カクテルはそうした料理に寄り添うようなイメージで考案しました」と齊藤さん。
シグネチャーカクテルは、いずれも和の素材と洋酒の組み合わせからなっており、その土地のエッセンスも取り入れるエースホテルらしさが感じられます。
今回利用したルーフトップバーは、外の景色ではなく新風館の美しい中庭を望めるというユニークなスタイル。そよ風が心地よい開放感あふれるバーで、スターシェフの技術が詰まった料理とともに味わうカクテルは絶品。素材同士が絶妙なバランスで構成されており、口に含むと高揚感を感じさせてくれました。
「ピオピコ」で楽しむモダンにアップグレードされたテキーラ&メスカルカクテル
バーラバーにとっては、1つのホテル内にコンセプトの異なるバーがあるのは大きな魅力。
続いて訪れたのは、LAで大人気のタコス屋の仕掛け人、ウェス・アヴィラさんが監修する2階のバー&タコスラウンジ「ピオピコ」。「アルタ・カリフォルニア料理」とも呼ばれるアメリカン・メキシカンをテーマとしており、タコスやケサディーヤなどのフードを楽しめます。
カクテルリストは、バーテンダーとして日本一に輝いた経歴を持つバーマネージャー・水岸直也さん主導のもと考案されており、テキーラ&メスカルを軸としたカクテルを堪能できます。
店内に入るとまず驚くのが、広々としたスペースと天井の高さ。その中で大きなバーカウンターと、並べて配置された観葉植物が存在感を放っており、上を見上げると隈研吾さんらしい美しい木組みが目に映ります。
そんな贅沢な空間で味わえるカクテルはこれまたハイセンス。ピオピコのエッセンスが加えられた定番テキーラカクテル、パロマとマルガリータにはそれぞれローズマリー、ラベンダーといったハーブが用いられており、味はもちろん見た目でも楽しませてくれます。
フードは程よく濃いめの味付けで尚且つ洗練されており、メキシカンスピリッツやそれらのカクテルとの相性もぴったりでした。
なお、中2階にはデザイン性に富んだインテリアが並ぶラウンジスペースが併設。DJブースも備わっており、今後はイベント等のスペースとしても活用していくのだそうです。
まとめ
世界的なホテルのバーとしては珍しくカジュアルなスタイルで、内装や音楽、そしてフードにカクテルなど、全てがハイセンスで、気取らない真新しさが印象的だったエースホテルの2つのバー。ホテルバーというより街場のバーに近いとも感じるフレンドリーな対応も特徴的で、肩肘張らずにクリエイティブなカクテルを楽しめるのは大きな魅力と言えます。
「バーカルチャーが盛んなアメリカがベースで、全てのレストランにバーが併設されているのは当ホテルならでは。だからこそローカルのバーテンダーの方とコラボレーションしたイベントなども企画し、バー業界を少しでも活性化させていければと思っています」と語る齋藤さん。
そんな今後が楽しみなエースホテルですが、実はまだソフトオープン中。
前述したメインダイニングなど、全ての店舗が完成してからグランドオープンとなるようで、2020年後半を予定しているのだそうです。
バーでの新たな体験を望む方は、ぜひ一度訪れてみては?
詳細
「エースホテル京都」
住所: 京都市中京区車屋町245-2
公式サイト: https://www.acehotel.com/kyoto/
「ミスター・モーリスズ・イタリアン」
場所: エースホテル京都 3F
モーニング:7:00—10:30
ランチ: 11:30—15:00
ディナー: 17:30—22:00 (日〜木・祝)
17:30—23:00 (金・土)
定休日: なし
公式サイト: https://www.mrmauricesitalian.com/
「ピオピコ」
場所: エースホテル京都 2F
ランチ: 11:30—15:00
アラカルト: 11:30—22:00 (日〜木・祝)
11:30—23:00 (金・土)
定休日: なし
公式サイト: https://www.piopiko.com/