困難な状況でも前向きに行動する人の姿は、多くの人の心を動かします。
コロナ禍で様々な業界が苦境に陥り、バー業界もまた大きな打撃を受けました。そんな中注目を集めたのが、愛知のバーテンダー達による動画プロジェクトです。
「Go against the wind 〜向かい風に立ち向かう〜」と題した動画では、地元のバーテンダー69名が参加し、逆風の中でも前を向くバーテンダーの姿を発信しました。
今回は、動画の企画者である名古屋市の「バー ねじ錐」のオーナーバーテンダー・齊藤泰史さんと、主軸メンバーの一人である垣内亜希さん(CURTAIN CALL / 愛知県安城市)に伺った内容をもとに、プロジェクトについて簡単にご紹介します。
⇒バーテンダーが結集して送り届けるメッセージ動画
「Go against the wind 〜向かい風に立ち向かう〜」
【pray for cheers Created byXYOU.inc】
⇒YouTubeリンク
今回の動画は、映像制作会社のXYOU(エックスユー)が手がける、コロナ禍で苦しむ全国の飲食店を動画で支援するプロジェクト「#Prayforcheers」の一環として制作されました。
齊藤さんは、営業自粛期間中に動画での発信に興味が湧き、その可能性や手法について模索していた中でたまたま見つけたのが#Prayforcheersのプロジェクトだったそう。偶然にも知人が関わっていたこともあり「愛知でもできませんか?」と打診したことからプロジェクトが始まりました。
69名のバーテンダーは、2年前に開催した「100 Cocktails from 愛知 A1 カクテルコンペティション2018」というイベントに参加したバーテンダーが中心。齊藤さんを中心に、垣内さんら主軸メンバーがそれぞれ参加を呼びかけたと言います。
「たとえ困難な状況でも、お客様を招き入れる商売であるバーテンダーは暗い顔をしていられません。前を向いている姿を動画にするだけでも見る人の力になれると思っています」と語る齊藤さん。
動画はバーテンダーらしさを重視して、カクテルを作る様子を収録。外出自粛要請の最中だったこともあり、各バーテンダーが自身の手で撮影することに。それらをまとめ、メッセージを添えて一本の動画を仕上げています。
コンパクトにまとめられたショートフィルムですが、それを見てバーやバーテンダーになんらかのポジティブな印象を抱いてもらえればよいそうです。
地元テレビに特集されるなど大きな反響
一地域のバーテンダーがこれほど集まった動画プロジェクトはあまり前例がなく、「コロナに負けずに前へと進んでいく」というメッセージ性も相まり、多くのメディアで取り上げられました。
地元のテレビ局でも特集されたこともあり、大きな反響があったそうで、「勇気出たよ」などのメッセージも届いたのだとか。
「人に会うのが難しくなってしまった中で、オンライン上でみんなで一つのことを成し遂げることできたのはよかったですね」とメンバーの垣内さんは語り、手応えを感じているそうです。
コロナ後、バーのあり方は変わる?
企画者である齊藤さんは今後について、「ピンチはチャンスとも言いますけど、自由が制限されている今だからこそ、必死にもがいて新しいものが生まれていく感覚があります。前向きに新しいことを考えようといった気持ちになれています」と語り、バーという空間を超え、動画での発信や新しいサービスを検討中だと言います。
また、垣内さんも「バーテンダーが出来ることって実はまだまだたくさんあると思っています。対面の仕事が基本ではありますが、バーが何を出来るか発信していくことも重要です」と言い、同じく動画での発信を考えているそうです。
前向きに、そして果敢に新たな挑戦をしていく人の姿に心打たれるのはきっと筆者だけではないはず。
そうした人たちの活動を、動画で見て楽しむというのも良いかもしれません。
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