バーテンダーとして大事にしていることとは?
– そもそもなぜ浅野さんはコンペに挑戦するのでしょうか?
浅野: 当初は、バーテンダーとしての技量を向上させることが目的でした。
ですが、日本初開催となったバカルディレガシー(2015年)でセミファイナルに進出しまして、その際に強く感じたのが「出会いがあること」でした。
全国のバーテンダーとたくさん知り合えるんですよ。そんな彼らから得られる学びと刺激は何ものにも代え難いですね。
挑戦と出会いの積み重ねがあって、今年バカルディレガシーで日本代表になることができたのだと思っています。
– バーテンダーとして大事にしていることは何でしょうか?
浅野: 一番大切なことは、やはりお客様に喜んでもらうことですね。
技術の向上や味の追求も、コンペでのバーテンダーとの出会いも、最終的に全てそこにつながっていると思っています。
それと、バーは空間も大事。だからこそ自分も楽しむことで、お客様がハッピーになれる空間を作れれば、それが一番だと思います。
– バーテンダーとして嬉しい時ってどんな時ですか?
浅野: それはやはり、お出ししたカクテルを「美味しい」と言っていただけたときですね。
北海道に住んでいた時、ドラマ「北の国から」を見直していたのですが、その中で主役の方が「自分はできた人間じゃないから、ありがとうが聞こえる範囲のところに居たい」といったようなことを言っていまして、とても印象に残っています。
誰かに何かをして、感謝されたり、喜んでもらえることは自分にとっても幸せなことです。そして、バーテンダーという仕事も、それを日々すぐそばで実感することができます。もちろんその陰には、失敗や後悔もあります。でも、その経験があるからこそ、心からの「美味しい」の一言は、格別であり、やっぱり嬉しいんですよね。
カクテルは「自分自身の等身大」
– バカルディレガシーで優勝されてからお店に変化はありましたか?
浅野: 当店は元よりシグネチャーカクテルが人気なのですが、おかげさまで優勝後はALIVIOを飲みにいらっしゃる方が増えました。やはりバカルディレガシーはすごいなと。
PRにも注力されているからか、バー業界以外の方も知っているのですよ。他府県からも「コンペ見ました」と言って来てくださる方もいらっしゃるぐらいです。
– バカルディレガシーの世界大会も含め、今後の目標を聞いても良いですか?
浅野: 世界大会(2020年5月開催が延期に)に関しては、まだ足りていない部分をブラッシュアップさせながらトップを目指します。
それとやはり、当店をもっと良くしていきたいですね。自分がいるバーは誇れるところでありたいと思いますから。
当店には、「ザ・リッツ・カールトン」というブランドに期待を寄せていらっしゃる方も多く、その期待に裏切らない事はもちろんですが、「このバーがあるからザ・リッツ・カールトン京都に来る」というお客様もこれまで以上にもっともっと増やしたいですね。
– それでは最後に、浅野さんにとって“カクテルとは何”でしょうか?
浅野: 「自分自身の等身大」です。
今の自分を体現しているものであり、今自分が出せる最高のものがカクテルにも表れていると思いますね。
その時々によって知識や技術、感性も違うでしょうし、だからこそ尽きることはありません。
カクテルが無限にあるのと一緒で、自分の体現したいもの、高められるものも無限にあると思います。
– インタビューへのご協力、ありがとうございました!
安らぎの一杯で、ゆっくり自分を見つめ直してみては?
異色の経歴ながら、着実に歩みを進めることで日本一にまで上り詰めた浅野さん。
トップバーテンダーとはいえ、サクサクとカクテルを生み出しているわけではなく、様々な思考を巡らせ、細部にまでこだわり、ブラッシュアップを繰り返しながらカクテルを創作していることが分かりました。
そんな、「(カクテルは)自分自身の等身大」だと語る浅野さんが生み出した優勝カクテル「ALIVIO」は、まさにご自身の経験と思いが体現されたカクテルだと言えるでしょう。
ぜひ京都に立ち寄った際は、浅野さんが立つバーで「ALIVIO」を片手に、ゆっくり心を休めてみては?
ザ・リッツ・カールトン京都「ザ・バー」
住所:京都市中京区鴨川二条大橋畔 [MAP]
営業:17:00 – 23:30 (日 – 木)
17:00 – 24:30 (金・土)
公式HP:https://www.ritzcarlton-kyoto.jp/restaurant/bar.html
※新型コロナウイルスの状況に応じて、感染拡大予防対策に伴う営業時間の変更がある場合がございます。詳しくはホテル公式ホームページにてご確認ください。
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