象のフンの植物を使ったクラフトジン「インドラブ」の魅力と、プロに聞く美味しい飲み方

象の糞の植物を使ったクラフトジン「インドラブ」の魅力と、プロに聞く美味しい飲み方

飲むことで“象の保護”につながる、そんなジンの存在を日本人こそ知っておいた方が良いかもしれません。

今回ご紹介するのは、南アフリカのクラフトジン「インドラブ」。
あらゆる産業でサスティナビリティ(持続可能性)やSDGsなど、社会・環境課題への取り組みが重要視されている中で、このジンは飲むことで野生の象の保護につながるという前例のないブランドです。
それに加え、象のフン由来の植物を使用して造るという、とてもユニークな特徴があります。一体どういうことなのか、そしてなぜ日本人こそ知るべきなのか、ブランド誕生ストーリーに触れながら特徴と魅力について解説。また、「インドラブ」を楽しむ上で欠かせない“飲み方”について、日本を代表するジン専門店、BAR JUNIPER(大阪・北新地)の店長・瀬川亮さんに教えていただきました。

商品協力:アセントジャパン合同会社

象が紡ぎ、象に還るジン「インドラブ」

昨今、クラフトジンの世界的なムーブメントによって、産地として盛り上がりを見せるアフリカの大国、南アフリカの地で、2018年に誕生したクラフトジン「インドラブ」。
このジンを生み出したのは、イギリスの大学で免疫学者をしていたポーラ・アンスレーさんとその夫であるレスさん。
夫婦は大学での職を引退すると、15年過ごしたイギリスを後にし、研究者として野生動物の保護に携わるために南アフリカに移住しました。
夫婦で動物保護区を訪れた時のこと。ガイドから、象は食したものを半分ほどしか消化せず、残りはそのままフンとともに排泄されると知らされると、長年ジンの本場であるイギリスで暮らし、夫婦がこよなく愛していたジンと象を掛け合わせたアイディアが浮かびました。

アフリカ象

象は状態の良い植物しか食べないとされている

そもそもジンとは、ベースとなるお酒に、ジュニパーベリーのほか、様々なハーブやスパイスなどの“ボタニカル”を加え、蒸溜することで香り高いエッセンスが与えられるお酒。素材選びの自由度が高く、造り手のアイディアを形にしやすいお酒でもあります。
一方で象は、良質で状態の良い植物を厳選しながら食すとされており、そのフンから採取したコーヒー豆を使用した「ブラックアイボリー」など、象のフンを経由した植物は特別な風味が与えられるとされています。
つまりアンスレー夫妻は、象が選び抜いて食し、そのフンから採取した植物を香りづけのボタニカルとして使用したクラフトジンを造ろうと考えたのです。

一見すると奇抜なアイディアかもしれませんが、それだけが「インドラブ」の誕生のきっかけではありません。
夫婦は前述したように野生動物の保護に携わるべく南アフリカに移住しており、密猟による象の減少が深刻な現状を変えるべく、ジンを通じてその支援をしようと考えたのです。
そうして、夫婦の動物愛が形を成したクラフトジン「インドラブ」は、利益の15%を野生動物の保護活動を行うアフリカ財団に寄付すると決め、愛する動物のために還元されることとなりました。

「インドラブ ジン」と「インドラブ ピンク ジン」

現在日本で展開されている「インドラブ ジン(右)」と「インドラブ ピンク ジン(左)」、定番ボトルである「インドラブ ジン」は“SA Craft Gin Awards”でダブルゴールドメダルを2年連続で獲得している

象が見つけ出す良質なボタニカル

「インドラブ ジン」の最大の特徴である象のフン由来のボタニカルは、そのまま使用されるわけではなく、衛生的に処理された上で使用されています。
フンを乾燥させて洗浄作業を入念に行い、バクテリアやウィルスなど有害な細菌が0であることを確認した上で、ジュニパーベリーやコリアンダーなどジンの基本的なボタニカルとともに蒸溜されています。
ちなみにフンの中から使用される植物は、美しい花を咲かせるアカシアやアガトスマなど。これらの植物は、香りの良さだけでなく、ポリフェノールも多く含み、整腸効果なども期待される薬草として、現地では古くから重宝されてきたのだそうで、薬をルーツに持つジンとの整合性も感じさせます。

また、それらの植物は、フンが集められる場所と季節によって、ワインのテロワール(地理的特性)のようにフレーバーが変わると考えられており、いつどこで採取されたのか、ボトルの裏ラベルに記載されているのも特徴的。記された座標を地図アプリなどに打ち込むことで、どこで採取されたのか確認できるようになっています。

日本人が知るべきアフリカ象の実情

アフリカ象

アフリカ象の密猟は象牙目的であり、その象牙の最大消費国は…

このジンの造り手は、アフリカ象の保護もミッションの一つとして掲げています。
アフリカ象は、ワシントン条約で絶滅危惧種に指定されているのですが、それでもなお年間35,000頭もの数が象牙目的で密猟され死んでしまっています。
その数はアフリカ象の出生数を大幅に上回っているとされており、問題は深刻です。
そして私たち日本人が知るべきなのは、日本が象牙の最大消費国であるということ。
「インドラブ」の輸入元であるアセントジャパン社によれば、日本は象牙の輸入額が世界一であり、つまり日本は、象の密猟に間接的ではあるものの加担してしまっているとも言えます。

「インドラブ」は、その実情を知らせてくれるジンでもあり、さらには飲むことで保護活動にもつながるというジンなのです。

プロに聞く、「インドラブ」のオススメの飲み方とカクテル

BAR JUNIPER(大阪・北新地)の店長・瀬川亮さん

瀬川さんは国内におけるジンのスペシャリストの一人

では、「インドラブ」について、プロはどう捉えているのでしょうか?
700種に及ぶジンを扱うなど、ジンに特化したバーの国内最高峰であるBAR JUNIPER(大阪・北新地)で店長を務める瀬川亮さんは、その味わいについて次のように語ります。
「このジンから感じられるのは、まずコンセプトにもあるアカシアやその他、花由来の優しい口当たりと口内いっぱいに広がる花の蜜のような甘い香りです。ですが、飲み続けるにつれてしっかりとジュニパーベリーの爽やかさが余韻にあらわれ、ジンが本来持つべき香り、味がある非常にバランスのとれたジンです。象のフンから採取したボタニカルのジンというパワーワードとは裏腹に、非常に繊細で女性にも飲みやすいジンですので、ジンを飲み慣れた方はもちろん、初心者の方にも楽しんでいただけると思います」。

では飲み方はどうでしょうか?
瀬川さん曰く、「味の個性は繊細なので、ジンソニック(トニックウォーターとソーダを半々で割ったもの)のソーダ強めがオススメ」とのことです。

「インドラブ ジン」のジン&ソニック

【ジン&ソニック】
インドラブ ジン 30ml、フレッシュライムジュース 10ml、能勢ソーダ 60ml、サントリー トニックウォーター 30ml

また、「ジン30mlに対してトニック45mlの少し濃いめのジン&トニックや、水割りなどもオススメです」とのこと。
続いて、せっかくなので瀬川さん考案のカクテルについても教えていただきました。

「インドラブ ジン」のクローバークラブ(1917年レシピのアレンジ)

【クローバークラブ(1917年レシピのアレンジ)】
インドラブ ジン 30ml、ドライベルモット 10ml、ローズリキュール 1tsp、ラズベリーシロップ 10ml、フレッシュレモンジュース 10ml、卵白 20ml、バニラビターズ 5drop

「上記で述べた花の繊細な香りや、口当たりと口内に含んだ際の味わい深さを活かしたカクテルとしてオススメしております。クラシックなレシピにバラの風味と甘い香りにバニラを足した非常にシンプルなものですが、インドラブジンらしさを表現したカクテルになっています」と瀬川さんは説明します。
こちらのカクテルはお店で味わえるそうなので、お近くの方はぜひBAR JUNIPERに足を運んでみてください。

象のフン由来の植物を、人間がジンへと変え、そしてそこで得られたものを再び象へ還元させるという、象が軸となるジン「インドラブ」。
気になる方はまずは一度味わってみては?

詳細

色鮮やかな「インドラブ ピンク ジン」は、ウチワサボテンの実やバニラを使用したジン、華やかな甘い香りが特徴

色鮮やかな「インドラブ ピンク ジン」は、ウチワサボテンの実やバニラを使用したジン、華やかな甘い香りが特徴

【インドラブ ジン】
ボタニカル: アカシア、コリアンダー、ジュニパーベリー、ブッコ、グアリ、ヒース、シダ、オリスルート、サンアソウ、アンジェリカ
容量: 750ml
度数: 43%
価格: 8,000円(税抜)

【インドラブ ピンク ジン】
ボタニカル: コリアンダー、ジュニパーベリー、オリスルート、アンジェリカ、ウチワサボテン
容量: 750ml
度数: 43%
価格: 8,000円(税抜)

BAR JUNIPER / バー ジュニパー
【BAR JUNIPER】
住所: 大阪府大阪市北区堂島1-4-4 NJビル 1F
電話: 080-4829-8876
営業: 18:00〜翌3:00 (不定休)

BAR JUNIPER SECOND
【BAR JUNIPER SECOND】
住所:上記と同じ
電話:上記と同じ
営業:16:00~1:00(不定休)

※時短要請中は営業時間に変更あり

小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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