テキーラの“定義”をシンプルかつ丁寧に解説!実は厳しい決まりが…

陽気なイメージを強く抱かせ、どこか“自由”な雰囲気を漂わせるテキーラ。
しかし実はそのイメージとは裏腹に、テキーラの定義はかなり細かく決められています。
数あるお酒の中でも、とりわけ厳しい決まりのもと造られていると言ってもいいでしょう。

当記事では、その細かく決められた“テキーラの定義”について、テキーラ初心者の方でも分かるように、シンプルかつ丁寧に解説していきます。
各項目、それが何を意味するのかしっかり解説していきますので、定義だけでなくテキーラがどういったお酒なのかも知ることができます。

テキーラの定義とは?名乗るための7つの規定をチェック

メキシコの地酒とも言われるテキーラは、“原産地呼称”によって保護されたお酒であり、どこでも誰でも造れるわけではありません。
メキシコのCRT(テキーラ規制委員会)という組織によってテキーラの定義は定められており、それを満たしたものだけが“テキーラ”と名乗れるようになります。

以下がテキーラの定義ですが、パッと見ると難しいとも感じるかもしれません。
もちろん各項目しっかり意味を解説していきますのでご安心ください。

【テキーラの定義】

  1. アガベ・アスールを原料として使用
  2. テキーラ5州産のアガベを使用し、これらの地域で蒸留する
  3. 2回以上蒸留する
  4. アルコール度数は35〜55%の範囲内
  5. メタノールの値は3mg/ml以下
  6. 水以外の添加物は1%以下
  7. ボトルにNOM番号を表記
メキシコ国旗

テキーラはメキシコの限られた地域でのみ生産できる。

①アガベ・アスールを原料として使用

アガベ・アスールとは、アロエに似た多肉植物であるアガベの一品種名。(英名ブルーアガベ)
テキーラにはこれを51%以上、つまり原料比の半分以上を使用しなければなりません。

原料の品種まで指定されているお酒(しかも1品種のみ!)は他に類を見ません。

②テキーラ5州産のアガベを使用し、これらの地域で蒸留する

原料となるアガベ・アスールは、原産地呼称で指定されたメキシコのテキーラ5州と呼ばれる地域(ハリスコ州、グアナファト州、タマウリパス州、ミチョアカン州、ナヤリ州)で栽培されたものでなければなりません。
さらに蒸留(後述)もこれら地域で行わなければなりません。

実態はハリスコ州産がほとんどで、同州がテキーラの主産地と言っていいでしょう。

③2回以上蒸留する

蒸留とは、発酵させた原料を精製することで高アルコールのお酒を造り出す工程を言います。
これの回数が多いほど度数が高く、クリアで軽快な味のお酒となり、少ないほど原料の風味がしっかり残ります。(どちらにせよ度数はあとで指定の範囲に調整される)
多くのテキーラは2回蒸留となっており、稀に3回蒸留のものもあります。

蒸留についてイラスト付きで解説しています。
単式蒸留と連続式蒸留の違いとは?初心者向けに簡単解説!

④アルコール度数は35〜55%の範囲内

蒸留されたテキーラの原酒は、水を加えアルコール度数が調整されるのですが、最終的には35〜55%の範囲に収めなければなりません。
実態は38%もしくは40%のものがほとんどです。

同じく高アルコールのウイスキーやジン、ウォッカなどと比較すると(これらは40%超えが当たり前)、驚くべきことに“テキーラの度数は低め”なのです。

⑤メタノールの値は3mg/ml以下

メタノールは果物や野菜などにも微量ながら存在する物質ですが、人体には有害です。
テキーラだけでなくほとんどのお酒にも、普通に飲酒する分には問題にはならないとされる量ですがメタノールは含まれています。

テキーラの規制では、含有量は3mg/ml(0.3%)以下であれば十分ですが、日本の輸入規制では、かなり厳格とされる1mg/ml以下と定められています。

⑥水以外のメローイング(添加物)は1%以下

メローイングとは要するに添加物のこと。
テキーラではカラメル色素や糖蜜、香料など規定リストにあるものなら添加が許されています。
しかしその量は全体の1%以下でなければなりません。

⑦ボトルにNOM番号を表記

テキーラを造る施設(蒸留所)は、CRT(テキーラ規制委員会)から認可を受けなければならず、それはNOMと呼ばれる番号で管理されています。
そのNOM番号をテキーラのボトルに表記しなければなりません。

NOM番号は“NOM9999”といったように4桁の数字となっており、ボトルのどこかしらに表記されています。

まとめ

最後に、定義をおさらいしておきましょう。

  • アガベ・アスールを原料として使用
  • テキーラ5州産のアガベを使用し、これらの地域で蒸留する
  • 最低2回以上、蒸留する
  • アルコール度数は35〜55%の範囲内
  • メタノールの値は3mg/ml以下
  • 水以外の添加物は1%以下
  • ボトルにNOM番号を表記

いかがでしょうか?
かなり細かな決まりによって、テキーラは定義づけされていることがお分かりいただけたでしょう。
このように細かな定義づけがされているのは、世界に羽ばたくメキシコの地酒であるテキーラの品質と伝統を守るためであり、これを遵守しながら生産者は少しでも美味しくなるようにテキーラを造っているのです。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

関連記事

  1. テキーラのブランド、世界にいくつある?全ブランド数を調べてみたら驚きの数が流通していた テキーラのブランド、世界にいくつある?全ブランド数を調べてみたら…
  2. 5千〜1万円のちょっぴり高級なテキーラを5銘柄厳選してみた 5千〜1万円のちょっぴり高級なテキーラを5銘柄厳選してみた
  3. トップバーテンダーがオススメする、バーで飲みたいテキーラカクテル5選 トップバーテンダーがオススメする、バーで飲みたいテキーラカクテル…
  4. 家でテキーラ ビールよりお得?家飲みテキーラのすすめとおすすめの飲み方
  5. 待望の日本上陸を果たしたテキーラ「フォルタレサ」は一体何が凄いのか? 待望の日本上陸を果たしたテキーラ「フォルタレサ」は一体何が凄いの…
  6. あのギタリストが魅了され、オーナーになったテキーラ「カサノブレ」 あのギタリストが魅了され、オーナーになったテキーラ「カサノブレ」…
  7. 世界のトップバーでトレンドのテキーラ・ランキングTOP5【2019】 世界のトップバーでトレンドのテキーラ・ランキングTOP5【201…
  8. 米国で大人気!骸骨ラベルのテキーラ「エスポロン」の魅力と、アンバサダーに聞く飲み方 米国で大人気!骸骨ラベルのテキーラ「エスポロン」の魅力と、アンバ…

おすすめ記事

日本のジンの造り手21社が集結し創り上げた『YASO GIN DistiRally NEXT 2024』を発売! 日本のジンの造り手21社が集結し創り上げた『YASO GIN DistiRally NEXT 2024』を発売!

この度、洋酒専門の酒販店・株式会社千雅とLiquorPage(当メディア)は、国産ジンが造り手が一つ…

国産ジンの造り手21社が新潟に集い、唯一無二のジンを創る「DistiRally NEXT 2024」始動! 国産ジンの造り手21社が新潟に集い、唯一無二のジンを創る「DistiRally NEXT 2024」始動!

この度、当メディア(LiquorPage)、および洋酒専門の酒販店・株式会社千雅は、国産ジンが造り手…

「ボンベイ・サファイア」が仕掛けるお酒の枠を超えたクリエイティブな表現とは?〜上海イベント取材 「ボンベイ・サファイア」が仕掛けるお酒の枠を超えたクリエイティブな表現とは?〜上海イベント取材

美しく輝くブルーのボトルが印象的なジン「ボンベイ・サファイア」日本でも広く親しまれている人気のジ…

人気の記事

  1. あのパーカーポイントが日本酒に!90点以上78銘柄を発表 日本酒版パーカーポイント
  2. ジャパニーズ・クラフトジンが今アツい!話題の4銘柄をご紹介 ジャパニーズ・クラフトジン
  3. 日本でも流行必至!「クラフトジン」の特徴と銘柄まとめ クラフトジンとは?
  4. ウイスキー世界売り上げランキングTOP20 世界ウイスキー売上ランキング
  5. 世界一売れているビールは?2015年世界シェアTOP10を発表! 世界一のビールは?

新着記事

関連記事

PAGE TOP