プレミアムテキーラが悪酔い・二日酔いになりにくいのは本当?

プレミアムテキーラ・悪酔いしにくい?

テキーラには、透明のいわゆるシルバーテキーラと、ややゴールド色づいたものの2タイプがあるのはご存知の方も多いことでしょう。
これらは単純に色の違いですが、テキーラは他にも別の基準によって2タイプに分けられるのはご存知でしょうか?

その2タイプとは、アガベ100%テキーラ(通称プレミアムテキーラ)とミクストテキーラ

実はこの2タイプのうち、アガベ100%テキーラ(プレミアムテキーラ)は「悪酔いしにくい」や「二日酔いしにくい」などと言われているのです。
これは果たして本当なのでしょうか?

本記事では、プレミアムテキーラは本当に悪酔いしにくいのか、考えられる要因などをチェックしながら解説していきます。
それでは見ていきましょう。

プレミアムテキーラとミクストテキーラ

冒頭で記した2タイプが色の違いなのに対し、アガベ100%テキーラ(プレミアムテキーラ)とミクストテキーラは原料に違いがあります。

まずそもそもテキーラは、アガベと呼ばれる多肉植物(アロエに似ている)が主な原料となるのですが、テキーラと名乗るにはこのアガベを原料比率で51%以上使用しなければなりません。
つまり、比率の半分以下ならアガベ以外の使用も許されており、この場合トウモロコシやサトウキビの糖蜜などを使用するのが一般的です。
このようにアガベだけでなく他の原料も”混ぜて”造られたのが「ミクストテキーラ」

一方で、他の原料は使用せず”アガベだけ”でテキーラもあり、これが「アガベ100%テキーラ(プレミアムテキーラ)」
両方ともその名のとおりの意味なので、覚えやすいかと思います。

さて、このプレミアムテキーラとミクストテキーラですが「見分け方が難しそう」と思うかもしれませんが、実は簡単。
プレミアムテキーラには必ずラベルに「100% de Agave」「100% Agave」などと記されています。(しかもわりと大きく)

プレミアムテキーラとミクストテキーラの基礎知識が身についたところで本題。
悪酔いしにくいなどと言われているプレミアムテキーラですが、これは本当なのでしょうか?

プレミアムテキーラについて詳しくはこちら記事で解説しています。
ハリウッドで大流行!プレミアムテキーラとはどんなもの?

アガベしか使用しないプレミアムテキーラは、確かに悪酔いしにくいかもしれない

まず先に断りを入れておくと、プレミアムテキーラが悪酔いしにくいなど、その類の研究結果は出ていないので確定的なことはわかっていません。

しかし、あくまで筆者個人の定性的な感覚にはなりますが、これまでを振り返るとアガベしか使用していないいわゆるプレミアムテキーラは悪酔い、または二日酔いしにくい傾向があると言えます。
テキーラ好きであり、前職柄これまでたくさんのテキーラを飲んできた身として、一般的に言われていることは正しいと感じています。
日本テキーラ協会会長である林生馬氏も同じ主張をしていることからも、大方間違いではないのでしょう。

ではなぜプレミアムテキーラは悪酔いしにくい傾向があるのか?
次項でその理由について見ていきましょう。

プレミアムテキーラが悪酔いしにくいのはコンジナーが関係している?

プレミアムテキーラが悪酔いや二日酔いしにくいのはコンジナーが関係しているかもしれません。

コンジナーとは、お酒に含まれるアルコールと水以外の物質・成分、要するに不純物のこと。
このコンジナーの量が多いお酒は、悪酔い・二日酔いを誘発しやすいのではないかと言われているのです。
(不純物というと聞こえは悪いが、コンジナーは香味・風味の役割も果たしている)

プレミアムテキーラ(エレンシアとカサドレス)

プレミアムテキーラはコンジナー量が少ない?

アルコールと酔い

この主張のメカニズムを理解するにはまず「アルコールと酔い」について知っておいた方が良いでしょう。

摂取されたアルコール(エタノール)は、胃や腸から肝臓に送り込まれ分解が始まり、酵素の働きによってまずはアセトアルデヒドに分解されます。
このアセトアルデヒドがとんでもなく厄介者
本来これはさらに分解され、最終的に無害の炭酸ガスと水に変化し放出されるのですが、飲みすぎたりうまく分解されないと、頭痛や吐き気など、おなじみの悪酔いの症状をもたらします。(残念なことにアジア人の約半数はこの分解力が弱い。つまりお酒が弱い)

コンジナーが多いと悪酔いしやすい?

このように、悪酔いしないためにはアルコールをしっかり分解しきらなければならないのです。
しかし幸いなことに、一般的にアルコールは他の成分よりも優先的に吸収・分解されます。

ただしどうでしょう?コンジナーはこの分解のプロセスを邪魔するかもしれません。

コンジナーは不純物とは言うものの、何かしらの成分ですからこれも体内に吸収もしくは分解されます。
ということは、いくらアルコールが優先的に分解されるとしても、このコンジナーが多いと分解に負担がかかり、うまく素早く分解できずに結果的に悪酔いを誘発してしまう可能性があるのです。

プレミアムテキーラはコンジナー量が相対的に少ないから悪酔いしない?

コンジナーの量が悪酔いに関係しているかもしれないと分かったところで、これをテキーラに置き換えてみましょう。

アガベだけで造られるプレミアムテキーラと、他の原料も混ぜて造られるミクストテキーラ、どちらがコンジナー量が多いでしょうか?
これについての定量的なデータはないのですが、単一の原料で造られるプレミアムテキーラの方がコンジナー量が少ないのは明らかでしょう。

つまりプレミアムテキーラの方がミクストテキーラよりコンジナー量が少ないため、悪酔いしにくいかもしれないということです。

シルバーテキーラの方が悪酔いしにくい?

面白い研究結果があります。
酒の科学|白揚社 著アダム・ロジャース」によれば、数あるお酒の種類の中でも、赤なり茶なり色づいている有色のお酒より、色のない透明のお酒(いわゆるホワイトリカー)の方が二日酔いの症状が軽いという研究結果があるのです。(二日酔いの症状が重い順に並べるとブランデー、赤ワイン、ラム、ウイスキー、白ワイン、ジン、ウォッカとなるらしい。残念ながらテキーラは標本に含まれていない)
なぜ有色のお酒は二日酔いがひどくなりやすいのか?それは結局、色を与えている色素成分こそコンジナーに他ならないからです。

さらに、追い討ちをかけるように別の研究では、有色のお酒であるバーボンウイスキーより無色のお酒であるウォッカの方が二日酔いの症状が軽いという結果も出ているようです。

面白いことに、これはテキーラの中でも議論を進めることができます。
そう、テキーラには有色・無色の2タイプがあるからです。

つまり、この研究結果に則るなら、シルバーテキーラの方が悪酔いしにくいということになります。

テキーラのシルバーなど色の違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
テキーラのブランコ(シルバー)、レポサド、アネホの違いを徹底解説!

まとめ

ここまでプレミアムテキーラが本当に悪酔いしにくいのか?さらにはその理由は何なのか解説してきました。

確かな根拠とは言えないものの、ここまで記したようにコンジナー量の違いなどそれよりに考えられる要因もあるため、この通説は正しいように思います。
それから個人的な経験も踏まえても、やはりプレミアムテキーラは悪酔いや二日酔いがしにくい傾向にあると思います。

まあ公平を期して言うなら、ショットでグイグイ飲み干すことがほとんどのミクストテキーラに比べて、プレミアムテキーラはウイスキーのようにゆっくり味わう傾向があることも関係していることでしょう。
どちらにせよ、プレミアムテキーラの方が悪酔いしにくいという傾向は変わりません。

とはいえだからと言って、飲みすぎては元も子もありません。
テキーラに限らず、お酒は私たちの心を満たしてくれるものでもありますから、上手に付き合っていきたいものです。

それではこの辺で。

【参考文献】
酒の科学|白揚社 著アダム・ロジャース

小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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