ジンの定番の飲み方といえば、やはり昔も今もジン&トニック。
そのジン&トニックをより美味しく味わうために開発された国産クラフトジンと聞くと、どんなものなのか気になりませんか?
今回ご紹介するジン「スティルダム(STILLDAM) ing.」は、日頃カクテルにこだわるバーテンダーが届けるジン&トニック専用のジンです。
カクテルの大会で世界一になった経歴を持つ江刺幸治さん(SPIRITS BAR Sunface SHINJUKU/東京・新宿)が監修し、佐賀の楠乃花蒸溜所が製造するクラフトジンで、12/15より78本限定で発売となります。
当記事では、こちらのジンについて、江刺さんに話を伺いながら特徴やこだわりなどをご紹介します。
⇒バーテンダーへの8つの質問 – SPIRITS BAR Sunface SHINJUKU / 東京・新宿
カルダモンのスパイス香を軸にした未だかつてないジン「スティルダム ing.」
日本ではバーカクテルとしても人気が高いジン&トニックですが、バーテンダーはその一杯に並々ならぬこだわりを詰め込んでいます。
そんなバーテンダーたちの頂点に輝いたこともある江刺さんが、トニックウォーターで割るだけで個性際立つジン&トニックで作れるように開発したのが『スティルダム ing.』です。
こちらのジンのプロジェクトが始まったのは2021年の8月。
コロナ禍で思うようにお店の営業ができなかった中で、バーテンダーとして何かできないかと考えた先に行き着いたのが、カクテル作りの技術を活かしたオリジナルジンの開発でした。
今回製造パートナーとして選んだのは、クラフトジン『スティルダム(STILLDAM)』を手がけることで知られる佐賀市の楠乃花蒸溜所。
同蒸溜所はもとより製造委託(OEM)でのジンの生産を請け負っており、少量での生産も可能。
たまたま江刺さんが蒸溜所の見学に訪れた際に、それを知ったことから、企画案が浮かんだのだそうです。
「バーになかなか行けない中で、おうち飲み用としても使っていただけるジンを届けたいという思いから始まりました。それに、少量からの製造が可能であれば、個性が際立つジンを実験的に製造できますし、テストを繰り返しながら味の調整もしやすいと思ったんです」と、その経緯について江刺さんは語ります。
ではどのような特徴を持たせたのでしょうか?
「一言で表すなら、カルダモンが効いたジン&トニックのためのジンです」と説明する江刺さん。
カルダモンといえば、カレーなどに使われることでおなじみの香辛料で、その清涼感にあふれるスパイシーな香味が特徴です。
ジンにもよく使用される伝統的なボタニカルの一つなのですが、『ing.』はカルダモンのフレーバーにとにかく特化した個性際立つジンなのだとか。
もとより江刺さんは、スパイスを使用したカクテルを得意としており、その中でもカルダモンは個人的にも好きだったのだと言います。
「優等生というよりは、いわゆる“ぶっ飛んだジン”を目指していたので、カルダモンをたくさん使ったレシピを蒸溜所に提案しました。実はカルダモンの爽やかなスパイス香はジン&トニックに合うんです」と、ジン&トニックとの相性の良さも江刺さんは訴えます。
10種類のボタニカルを使用し、バランスも重視
結果的に、ジュニパーベリーとほぼ同じ量のカルダモンを使ったという『ing.』
とはいえ、カルダモンだけを使っているわけではなく、ジン&トニックにした際の仕上がり重視し、ボタニカルは全10種類を使用。
江刺さんがSunfaceの1号店を立ち上げてから今年で10周年を迎えたこともあり、10種類にこだわったのだそうで、コリアンダーやレモングラス、ゆずなども使用しています。
その中でも特徴的なのは、油分を加えるために使ったというゴマ。
「カルダモンを前面に押し出しすぎると苦味が出てしまうため、ゴマのオイリーさでそれを包みこんでバランスを取っています。その他にもゆずやレモングラスといった素材は、カルダモンの爽やかなフレーバーを広げる役割を担っています」と江刺さん。
また、楠乃花蒸溜所のジンは、日本酒由来のスピリッツをベースにしているのですが、そのスパイス香を最大限に活かすべく、あえてニュートラルなスピリッツを使用することにもこだわったのだそうです。
その仕上がりについては「とにかく香りが強く、ボトルを開けた瞬間からカルダモンの香りが広がります。スパイスの芳醇な味わいもあり、少量でもフレーバーがしっかりするため、ジン&トニックにする際はジン1:トニック4がちょうど良いですね(分量にするとジン30ml、トニック120ml、一般的なレシピはジン1:トニック3)」と説明します。
一杯あたりの使用量が少なく済むことから、よりたくさんのジン&トニックを味わえるのは魅力的です。
パッケージへのこだわり
「デザイン面も大変でした」と江刺さんが話すように、そのパッケージにもこだわりが見られるのが『ing.』
その名は、ジン(gin)のアナグラムであるほか、全く新しい進化系のジンであり、進化し続けるという思いも込められています。
また、ジンが薬をルーツにしたお酒であることから、昔の薬品のようなボトルに身を包み、ラベルはシンプルに。
江刺さんのお店の名が「Sunface」であることにちなみ、太陽と楠の花を配したロゴがラベルにあしらわれています。
今回のジンを発端に、「バーテンダーが作るカクテル専用ジンとしてシリーズも考えています」と意気込む江刺さん。
『ing.』は78本のみの販売となりますが、江刺さんのお店でそのジン&トニックを味わいながら、続編に期待するのも良いかもしれません。
詳細
【スティルダム ing.】
ボタニカル:ジュニパーベリー、カルダモン、コリアンダーシード、シナモン、リコリス、クローブ、レモングラス(佐賀産)、フレッシュローズマリー(佐賀産)、フレッシュ柚子ピール(佐賀産)、ゴマ(佐賀産)
容量:700ml
度数:45%
値段:4,840円(税込)
発売:12/15(水)より、千雅、武蔵屋で販売開始 ※78本限定
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