日本では現在ウイスキーがブームとなっていますが、日本だけ兆候ではなく、世界的にウイスキーはブームとなっています。
そんなブームの中にあって、巷ではよく「ジャパニーズウイスキーが世界的なブーム」と言われていますが、これは今に始まった話ではありません。
確かに日本のウイスキーは世界的に注目を浴びているのですが、今ウイスキー界で最も”アツい”と言って過言ではないのは「アイリッシュウイスキー」です。
これまでアイリッシュウイスキーといえば、世界五大ウイスキーに数えられながらも、どこか影の薄い存在でした。
そのアイリッシュウイスキーが、なぜ今アツいのか、まつわるエピソードや注目のウイスキーブランドをご紹介していきます。
ウイスキー界の古豪、アイリッシュウイスキーはしばらく衰退していた
アイリッシュウイスキーの産地アイルランドは、諸説ありますが、ウイスキー発祥国とされ、長い歴史を誇ります。
しかししばらくの間、スコッチやジャパニーズウイスキー、バーボンなどの影に隠れがちで、「アイリッシュウイスキー」と言われてもピンと来ない人も少なくなかったと思います。
それもそのはず、しばらくの間アイリッシュウイスキーは衰退していました。
今から100年前までは、スコッチをも上回る何百という蒸留所があり、ウイスキー大国として栄華を極めていたのですが、1920年ごろから徐々に衰退。
1970年代には、なんと蒸留所は2ヶ所のみというまでになってしまいます。
その後1987年にクーリー蒸留所が誕生し3ヶ所となるものの、かつてのウイスキー大国がここまでに衰退してしまっていたのです。
しかしそれは過去の話。
アイリッシュウイスキーは近年見事に復活を遂げました。
アイリッシュウイスキーの大復活!それはまるでアイリッシュ・ルネッサンス?
長年衰退していたウイスキー界の古豪ですが、ここ数年見事なまでに復活を遂げています。
By William Murphy – https://www.flickr.com/photos/infomatique/24107481145, CC BY-SA 2.0, Link
世界的なウイスキーブームも相まって、長年3つしかなかった蒸留所の数が激増。
その数は現在計画中のものも含めると約40にもなるようです。
たった数年で蒸留所が10倍以上の数に増えようとしているのです。
(ここ数年の増加数は日本やスコットランドをはるかに凌いでいる)
さらに、アイリッシュ独自のスタイルのウイスキー「シングルポットスチルウイスキー」にも注目が集まっています。
これは、シングルモルトとは異なり、大麦麦芽だけではなく未発芽麦芽も使用し、2〜3回ポットスチルで蒸留されるアイリッシュウイスキーのこと。
オイリーなフレーバーと穀物感を感じる独特の味わいが世界のウイスキーマニアから注目され、人気急上昇中なのです。
こうして活気が戻り、注目が集まるようになったアイリッシュウイスキーに、世界の資本が集まるようにもなり、さらにその動きを加速させているのです。
このような動きを「アイリッシュ・ルネッサンス」と言う動きもあるようです。
⇒アイリッシュウイスキーが今アツい!定義や特徴、銘柄をおさらい
復活を象徴するアイリッシュウイスキーたち
蒸留所の数が激増し、独自のスタイルのウイスキーによって復活を遂げたアイリッシュウイスキーですが、それだけでは大注目を浴びるには至りません。
当然のことながら、そこには世界的に評価されているウイスキーブランドの存在があります。
これらの存在もあって、アイリッシュウイスキーは「今一番アツい」とも言われるものになっているのです。
その中でも代表的なウイスキーブランドを5つ、簡単にご紹介していきましょう。
レッドブレスト
アイリッシュウイスキーの復活に一役買った、アイリッシュ独自の「シングルポットスチルウイスキー」
シングルポットスチルウイスキーとして昔から残るブランドで、昔も今も高い評価を得ているのがレッドブレストです。
ティーリング
ティーリング一族といえば、今のアイリッシュウイスキー界を語る上では欠かせない一族。
ジョン・ティーリングは、アイリッシュ復活に尽力した人物であり、このティーリングウイスキーは彼の息子たちによるウイスキーブランドです。
しばしば各国の酒類メディアで取り上げられる大注目のブランドです。
カネマラ
アイリッシュウイスキーといえば、伝統的にピート(スモーキーフレーバーも元となる泥炭)を使用しないのが通例。
その常識を良い意味で破ったのがこのカネマラ。アイリッシュウイスキーの中では異様なスモーキーなウイスキーで、これが世界的にウケており、アイリッシュが世界から注目を浴びることに一役買ったブランドでもあります。
グレンダロウ(グレンダロッホ)
2013年に設立されたばかりの、いわゆるクラフト蒸留所で、アイリッシュ・クラフトウイスキー界の雄とも言えるブランド。
シングルモルトやシングルグレーン、そも他にもクラフト蒸留所らしくジンもリリースしています。
メソッド&マッドネス
ジェムソンなどを手がけるミドルトン蒸留所で造られる新ブランド。
伝統国のウイスキーとは思えないぐらいモダンで挑戦的なボトルで、これまでシングルポットスチルやシングルモルト、シングルグレーンがリリースされています。
こちらも度々各国メディアに登場している大注目のブランドなのですが、残念ながら日本未上陸です。
⇒アイリッシュウイスキー定番&おすすめ銘柄8選
まとめ
このように、蒸留所の激増によってウイスキーブランドが増え、さらにそれらが世界で評価・注目されていることにより、アイリッシュウイスキーは過熱度を増し続けているのです。
最後にざっくりとまとめると…
- アイルランドはウイスキー伝統国ながら長年衰退していた。
- 近年のウイスキーブームも相まって蒸留所が激増。
- アイリッシュ独自の「シングルポットスチルウイスキー」にも注目が集まる。
- アイリッシュウイスキーの人気ブランドの存在もブームを支えている。
世界的にウイスキーはブームとなっており、日本のウイスキーも海外で躍進を続けていますが、今一番勢いがあるのはアイリッシュウイスキーと言われています。
長年影に隠れていた存在だけに、あまり味わったことがない人も多いかもしれません。
今こそ、ジャパニーズやスコッチとは一味違う、アイリッシュウイスキーを味わうべきかもしれません。
⇒ウイスキー世界売り上げランキングTOP20
⇒ウイスキーやワイン…二日酔いしやすいお酒・しにくいお酒まとめ
Amazonのウイスキーストアはこちら。
⇒Amazonのウイスキーストア