愛せよ、さもなくば憎めよ…熱狂的なファンを持つウイスキー「ラフロイグ」の特徴と魅力

「愛せよ、さもなくば憎めよ」熱狂的なファンを持つウイスキー「ラフロイグ」の特徴と魅力

熱狂的に好きか、全く口に合わないか…ハッキリと分かれるお酒があるとしたら、まずは試してみたくなりませんか?

そのお酒とは、ウイスキーの聖地ともされるスコットランド・アイラ島にて造られるシングルモルト「ラフロイグ」。
かなり独特の香りを有し、それがクセになるとして、日本含め世界中で人気を博すブランドです。
今回はそんなラフロイグについて、ブランドの特徴や魅力など、まだ味わったことがない方向けに簡単にご紹介します。

チャールズ皇太子も愛飲するシングルモルトの盟主「ラフロイグ」

アイラ島の波が穏やかな海沿いにそびえ立つラフロイグ蒸溜所。
時は1815年、とある兄弟2人が、当初牛の飼料として栽培していた大麦を、イギリスのビールではなく、スコットランド人らしくウイスキー造りに転用してみたことから蒸溜所の歴史が始まりました。
同じくアイラ島の名門、ラガヴーリン蒸溜所のすぐ近くに拠点を構え、切磋琢磨しながら発展させてきた蒸溜所が造るシングルモルトは、アイラ島はおろか、スコットランドのウイスキーとして随一の知名度を誇る世界的なブランドへと成長。
チャールズ皇太子の愛飲ブランドとしても知られており、英国王室御用達の称号(ロイヤルワラント)も得ているウイスキーの名門です。

ラフロイグ蒸溜所

ラフロイグ蒸溜所

同蒸溜所は、今ではすっかり行われなくなってしまったフロアモルティングと呼ばれる、原料である麦芽の伝統的な製麦工程を自社で行う数少ない蒸溜所の一つでもあります。
また、アイラ島のシングルモルトといえば、ピート(泥炭)と呼ばれる燃料を麦芽の乾燥工程で多用し、それによって生まれるスモーキーなフレーバーが有名。
ラフロイグは同様のフレーバーがとりわけ強いだけではなく、ヨード香と呼ばれる薬品のような強い香りを発することでも有名です。
あまりにも薬品に似た香りを放つことから、禁酒法時代のアメリカにて、お酒の販売が禁じられた中でラフロイグは“薬酒”として販売を許されたという、逸話もあります。

スモーキーで薬品のような独自の香りこそラフロイグが愛される所以

ラフロイグをラフロイグたらしめるのは、なんといっても前述したスモーキーかつ薬品のような香り。
日本では“正露丸”にも例えられる、一般的なウイスキーとは一線を画すフレーバーの持ち主なのです。
その個性的かつ刺激的な香りから好き嫌いがハッキリ分かれるとされ、そのことから「愛せよ、さもなくば憎めよ」という宣伝文句で売り出していた時期も過去にはあったのだとか。
最初は拒絶する方が少なくないですが、その独特の香りの奥にある甘みにだんだん虜になっていく方も多く、一度好きになるとクセになり、だんだんと熱狂的ファンへと変化していくというパターンは少なくないようです。
ここ日本でもファンは多く、ストレートなど王道の飲み方はもちろん、ソーダ割りも、少量でも風味がたち、食事にも合わせやすくなることから人気を得ています。

ウイスキーのソーダ割り

ラフロイグの主な銘柄

最後に日本でも入手できるラフロイグの定番銘柄をご紹介。
毎年限定品のリリースはありますが、現在日本で正式に通年で展開されているのは以下の2銘柄です。

ラフロイグ 10年

言わずと知れたラフロイグの定番商品。
前述したラフロイグの特徴が如実にあらわれた一本で、スモーキーで薬品のようなフレーバーのラフロイグの世界観を堪能できます。
一度は挑戦しておきたい銘酒です。

ラフロイグ セレクト

比較的近年リリースされたノンヴィンテージ(熟成年数の表記なし)アイテムであり、入門用のラフロイグとして親しまれている一本です。
10年に比べ、強烈な香りは多少抑えられ、甘みも若干感じやすくなっており、まずはコチラお試しするのも良いかもしれません。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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