サボテンボトルの「ポルフィディオ」実はテキーラじゃないって知ってた?

ポルフィディオはテキーラではない?

「サボテンボトルのテキーラ」として、日本でもよく知られる「ポルフィディオ」
特徴的かつ高級なテキーラとして有名で、テキーラ専門店以外でも扱っていることが少なくないことから、一度は見た、もしくは飲んだことがあるという方も少なくないと思います。

日本における高級テキーラの代名詞ともいえるポルフィディオですが、実は“正式には”テキーラではありません。

本記事ではポルフィディオはテキーラではない理由に触れつつ、ポルフィディオの特徴や魅力、そして主要銘柄をご紹介していきます。

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ポルフィディオは“正式には”テキーラではない

普段何気なく飲んでいるテキーラですが、実はテキーラは名乗るための規定がとても厳しいお酒
原産地呼称のお酒として認められているため、メキシコの限られた地域(ハリスコ州を含むテキーラ5州)の決められた原料(ブルーアガベ)を使用し、なおかつそれらの地域でしか造ることができません。

メキシコの国旗

テキーラはメキシコのテキーラ5州でしか生産できない。

他にもいくつか細く規定されており、それらを全て満たしたものがはじめて「テキーラ」と名乗れるようになります。
ポルフィディオはほぼ規定を満たしているのですが、ある1点だけ規定を満たしておらずテキーラとして認められていないのです。

それはNOMと呼ばれる、いわゆる製造者番号のこと。
NOMとはCRT(テキーラ規制委員会)に加盟している生産者(蒸留所)に与えられる番号で、規定云々の前にこれが与えられていることが大前提で、このNOM番号がないと当然テキーラとは名乗れなくなります。
(「NOM1110」といったようにテキーラのボトルには“必ず”記載されます)

ポルフィディオを手がけるインモビリアリア・マスト蒸留所は現在CRTに加盟していないため、このNOMがなく、だから“正式には”テキーラとは呼べないのです。
それ故にポルフィディオのボトルには、どこにも「Tequila」という表記がありません。

とはいえ、お酒としての造りや製造方法などは規定どおりのため、中身はしっかりテキーラであり、質が劣るどころか、実態はかなり質の高いお酒と言えます。

実は以前はテキーラとして認められていた

今でこそ“正式には”テキーラではないポルフィディオですが、以前はテキーラとして認められていました。
製造元のインモビリアリア・マスト蒸留所は、以前はCRTに加盟しNOM番号があったのです。
しかし、理由は諸説あるようですが、自らCRTから脱退し、NOMがなくなりました。

お店などでは、今でも便宜上テキーラに分類されることが多いのですが、強いて言うならアガベスピリッツといったところでしょう。

ポルフィディオの特徴 〜 テキーラではないとしても最高峰のアガベスピリッツ

ポルフィディオの中身は、高級感あふれる味わいの、ハリスコ州産の最高峰アガベスピリッツです。

原料はもちろんアガベのみの100%アガベ(いわゆるプレミアムテキーラ)で、しかもそのアガベは12年かけて育てられた最高級のものを使用(一般的なテキーラは6年前後)
しかも製造工程が独特で、糖化と圧搾の順序が通常のテキーラとは逆で、ポルフィディオの場合圧搾してアガベジュースを作ってからそれを糖化させています。
これを成し得たのは酵素を用いた糖化方法のおかげで、これにより通常のテキーラに比べメチルアルコール含有量を半分以下に抑えられています。

簡単に言うと、体に優しいお酒なのです。

それだけでなく、蒸留は通常のテキーラより1回多い3回行います。
蒸留回数が増えることで当然ながらコストがかかるのですが、これにより雑味の少ないクリアなスピリッツが出来上がります。
さらに看板商品であるアネホでは、なんと7年もの熟成を行います。(よって最高グレードのエクストラ・アネホに分類される、どれだけ長期熟成のテキーラでも3年前後の熟成がほとんど)

強いこだわりと、かなりの手間をかけ造られるお酒がポルフィディオなのです。

サボテンのテキーラとしてだけでなく「ロバート・デニーロの愛飲酒」としても有名

可愛らしいサボテンボトルのテキーラ(正式にはアガベスピリッツ)として有名なポルフィディオですが、「ロバート・デニーロの愛飲酒」としても有名です。

テキーラはアメリカでは「セレブのお酒」として浸透しており、なかでもポルフィディオはその造りや味わい、見た目からセレブ感溢れるテキーラとして人気を集めているのです。

上品で濃厚な甘みと、複雑かつ奥行のある味わいのポルフィディオはさながらセレブテキーラで、ロバート・デニーロといった誰もが知るスターが愛飲していることには納得がいきます。

ポルフィディオの主要銘柄紹介

ポルフィディオの主な銘柄についてもご紹介しておきましょう。

ポルフィディオ・スーパーハリスコ・アネホ

看板とも言うべき商品。
1本1万円を優に超える高級テキーラながら日本でも人気が高い銘柄です。
アメリカンオークの新樽にて7年もの歳月を熟成に費やしたシングルバレルのテキーラ(単一の樽から瓶詰めしたもの、通常は複数の樽の原酒がブレンドされる)で、商品名はアネホですが、テキーラの規定になぞらえれば「エクストラアネホ」に該当します。

ポルフィディオ・スアヴェ

こちらは「飲みやすく、味わいのわかる度数の低いテキーラ」を目指して造られた低アルコールの商品。(24.7度と焼酎と同程度)
通常のポルフィディオと同じように造られ、2年間熟成された原酒を加水して度数を調整しています。
焼酎感覚で飲めるので、テキーラがちょっとキツいと言う方にもオススメできる銘柄です。

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まとめ

最後にポルフィディオについてまとめると…

  • 以前は正式にテキーラだったが今はテキーラではない。
  • 理由は製造元がCRTから脱退し、NOM番号がなくなったから。
  • とはいえ中身はテキーラそのもので、むしろ最高峰のアガベスピリッツ。
  • ロバート・デニーロにも愛されるほどの味わい。

「正式にはテキーラではない」と聞くと、「質が低いのでは?」「中身がちょっと違うのかも」といったように誤解してしまうかもしれませんが、ポルフィディオは強いこだわりのもと造られる最高峰のアガベスピリッツであり、実体としては「セレブなテキーラ」として人気を集めています。

それが“正式にテキーラなのか”は重要ではなく、あくまで中身が重要ということなのでしょう。

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小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPage代表] 豊富な現場経験と長年のお酒愛によって、ジンを筆頭にあらゆるお酒の知識を持つ。ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。

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