季の美のお茶香る限定クラフトジン「季のTEA」の魅力に迫る

季のTEA(KI NO TEA)・特徴と魅力

今話題となっている日本の京都発のクラフトジン「季の美」
季の美については、先日こちらの記事【日本・京都発のクラフトジン「季の美」を徹底解説!】で解説したばかりですが、実は今、季の美を手がける京都蒸留所から数量限定スピンオフ商品がリリースされています。
それが今回ご紹介する「季のTEA(KI NO TEA)」です。

季のTEAは、季の美の特徴の一つである「お茶」の部分に、よりフォーカスしたお茶香るクラフトジン
本記事ではこの季のTEAについて、以前筆者が参加した生産者のセミナーの内容を元に、季のTEAの特徴やその魅力、そして味わいなどをご紹介していきます。

ジンとは
糖蜜や穀物などが原料のベーススピリッツに、ハーブや果皮、スパイスなどのボタニカルを数種加え、蒸留させてできるスピリッツ。
なかでもクラフトジンと呼ばれる、少量生産で造りに強いこだわりがあるジンでは、個性的なボタニカルや地域特産のボタニカルなどを使用し、味わいも個性的な銘柄が多い。

老舗茶舗「堀井七茗園」とのコラボによって生まれた、お茶香るクラフトジン

季のTEA(KI NO TEA)は、前述のようにお茶に重きを置いたクラフトジン。
こだわりが強く質が高いジンを生産する京都蒸留所ならではの要素が詰まっており、この季のTEAは、極上の茶を産する京都・宇治の老舗茶舗「堀井七茗園」とのコラボレーションによって生産されています。
最高級と名高い堀井七茗園のお茶(玉露と碾茶)をボタニカルとして使用し、造られたのが季のTEAなのです。

季の美は「京都であること」にこだわりがあるクラフトジン

季のTEAの魅力を知るうえでは、まず季の美についても知っておくと良いでしょう。
「京都ドライジン」と名乗る季の美は、ただ京都の蒸留所で作られているからそう名乗っているわけではありません。
京都であること」に並々ならぬこだわりがあるのです。

ゆずや玉露、山椒など季の美を構成する主要なボタニカルは、そのほとんどが京都産
割水に使用する水も「伏見の名水」
そしてパッケージのデザインは、江戸時代から続く唐紙屋「雲母唐長(KIRA KARACHO)」が監修した文様が施されています。

このように強いこだわりのもと、京都らしさを表現したクラフトジンが季の美なのです。

京都蒸留所・公式ホームページ

堀井七茗園は足利時代より続く茶園をもつ最高級茶舗

茶畑

そして今回京都蒸留所とタッグを組んだ宇治の老舗茶舗「堀井七茗園」は、室町時代から続く茶園を所有する由緒ただしき茶舗。
室町時代に足利将軍が、質の高い茶をつくる茶園として指定した「後世宇治七茗園」の中で、唯一今に残る「奥の山」という茶園を所有しているのです。

ここで栽培されるお茶は当然のことながら最高級品で、玉露に至っては30gで3,000円もするような代物を手がけています。
質の高い茶を産する京都・宇治の茶のなかでも、とくに素晴らしい茶を手がけているのが「堀井七茗園」なのです。

季のTEAに使用するのは「奥の山茶園」で栽培された玉露と碾茶(てんちゃ)
いかに季のTEAが贅沢な造りをしているかがわかります。

堀井七茗園・公式ホームページ

碾茶とは
碾茶(てんちゃ)とは、抹茶の原料となるもので、碾茶を石臼で挽き粉状にすることで抹茶となる。
渋みが少なく甘みが強いとされる。中国茶として知られる甜茶とは全くの別物。

季のTEA(KI NO TEA)の魅力・特徴

堀井七茗園の玉露と碾茶を主要ボタニカルとする季のTEA(KI NO TEA)は、お茶の風味が強いとても斬新なジンとなっています。
今までのジンとはまるで異なる、全くもっての新境地と言えるジンです。

使用されているボタニカルや味わいについても詳しく見ていきましょう。

季のTEAに使用されているボタニカル

玉露、碾茶、ジュニパーベリー、オリス、ヒノキ、ゆず、レモン

季のTEAの味わい

香り:抹茶のような上品な甘い香り。かなりお茶の香りが強いが、だんだんとジン特有のハーバルな香りがあらわれる。
味わい:抹茶チョコのような上品な甘みが強い。とてもまろやかなでやさしい口当たり。

全体的に強い茶の風味のなかでも特に強く感じる抹茶のような甘みは、碾茶によるものだと思われます。
はじめは「これがジン?」と思うかもしれませんが、ジン特有のハーバルでスパイシーな風味も若干ながら感じます。
このような味わいは、筆者が知る範囲では季のTEAだけのもの。
斬新で唯一無二の味わいが季のTEAの強みでもあり、魅力と言えるでしょう。

抹茶のチョコレート

抹茶チョコような上品な甘みがある

その造りゆえ数量限定商品

季のTEAは残念ながら数量限定の商品で、その数は6,000本のみとなっています。
当然のことながら、堀井七茗園の玉露と碾茶は大量生産品ではなく、ジンのボタニカルとして安定的に十分な量を確保するのが難しいのです。

季のTEA・公式ブランドサイト

まとめ

季の美を手がける京都蒸留所と老舗茶舗・堀井七茗園との異色のコラボによる、斬新かつ上品な造りのクラフトジン。
季のTEA(KI NO TEA)の特徴や魅力について、お分りいただけたかと思います。

最後にまとめると…

  • 季のTEAは堀井七茗園とのコラボによるお茶香るクラフトジン
  • 堀井七茗園は室町時代から続く唯一の茶園「奥の山」を所有
  • 季のTEAは奥の山茶園の玉露、碾茶を使用

その造りゆえ、たったの6,000本限定となっています。
気になる方はお早めに味わっておくと良いでしょう。

それではこの辺で。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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