「私たちのお酒造りは“自然との対話”です」と話すのは、宮崎が誇る焼酎の名門・黒木本店の蔵元であり、尾鈴山蒸留所の代表を務める黒木信作さん。
そんな地元の自然を大切にする造り手が、新たな挑戦として製造したジン「OSUZU GIN」が7月16日に発売されました。
自然との対話から生まれたOSUZU GINはどのようなジンなのか、その製造の経緯と特徴について、代表の黒木さんに聞いてみました。
⇒造り手に聞く – 焼酎の名門が尾鈴山蒸留所で始めたウイスキー造りとは
「OSUZU GIN」は地元・宮崎の香りを閉じ込めた“大地の香水”
宮崎の地で150年近く焼酎を造り続けてきた黒木本店。
「百年の孤独」や「㐂六(きろく)」などを手がける日本でも指折りの人気を誇る焼酎蔵であり、「山ねこ」などを手がける別屋の尾鈴山蒸留所にて、昨年末より新たな設備を導入してウイスキー、そしてジンの製造を開始しました。
人里離れた深い森の中にある同蒸留所では、自社栽培の原料を中心に使用し、自家培養酵母を用いて希少な木桶の発酵槽を用いて発酵。蒸溜に際しては廃液を肥料としてリサイクルなど「自然循環農法」にて、自然に寄り添いながらお酒造りをしています。
ジンを手がけることになった経緯について、黒木さんは「焼酎造りを行ってきた中で、より故郷の豊かな自然の香りを閉じ込めた大地の香水のようなお酒を造りたいと思うようになりました。その表現方法の一つとしてジンを選びました」と語ります。
ジンは、ベースとなるスピリッツに、ジュニパーベリーの他、ハーブやスパイス、フルーツなどのボタニカルで香り付けしたお酒。用いる素材は造り手が自由に選ぶことができ、メッセージ性や独自性を持たせやすいお酒でもあります。
“大地の香水”を目指すべく使用されるのは、金柑、日向夏、ゆず、榊(さかき)など地元宮崎の素材を中心とした8種類のボタニカル。
その中でも特徴的なのは榊です。
榊とは、神棚や祭壇に祭られるなど、神社などで重宝される植物。実は黒木本店にとって縁のある素材だそうで、「私の先祖が神主であったことから採用することにしました」と黒木さん。
緑茶よりも濃厚な緑の香りを感じさせるという榊の葉を使用し、酒質を引き締めているのだそうです。
また、ボタニカルの香りのベースとなるスピリッツには、焼酎蔵らしく尾鈴山蒸留所で造られる本格焼酎・山ねこのみを使用。それにボタニカルを漬け込み、新たに導入した銅製のポットスチルで蒸溜し香りが抽出されています。
その仕上がりについては「ボタニカル由来の華やかな香りはもちろんですが、ベースの芋焼酎のフルーティな香りとも相乗効果が生まれ、質感も丸く柔らかな印象が感じられます。焼酎の延長線上にある新しい蒸留酒が出来上がりました」と語り、定番商品として定期的に製造していくそうです。
また、尾鈴山蒸留所は自社山でジュニパー 、山椒、柑橘類の栽培も行っており、今後はそれらを使用したジンがお目見えするかもしれません。
「OSUZU GIN」詳細
ボタニカル:ジュニパーベリー、山椒、金柑、日向夏、ゆず、生姜、榊、椎茸
アルコール度数:45度
200ml / 1,850円(税別) 7月16日発売
700ml / 3,900円(税別) 7月28日10時〜発売
全国の特約店及び尾鈴山蒸留所オンラインストアにて販売。
【オススメの飲み方】
ジンリッキー、ジン&トニック、マティーニ、ネグローニなど、様々な飲み方で表情が変わる尾鈴ジンの香りを楽しんでいただけます。アルコールの刺激感が丸いため食中でも楽しめます。
ウイスキーのニューポットも発売
尾鈴山蒸留所は、ジンとともに新たな挑戦として始めていたウイスキーの製品も同時にリリース。
自社で栽培し製麦したモルトを使用し、麹の力も借りて造られる未だかつてないウイスキーのニューメイク「OSUZU MALT」が8月3日10時より発売予定です。
独自の哲学で焼酎を造り続けてきた名門が新たに挑戦した洋酒造り。
気になる方は一度試してみては?
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