実は誤解が多い?泡盛の定義について簡単にまとめてみた

泡盛の定義

沖縄の地酒として知られる泡盛。
大まかには焼酎の一種として捉えられてますが、その歴史は焼酎より長いとされ、日本における蒸留酒造りの原点ともされています。

そんな泡盛ですが、意外にもその特徴や定義については知られていません。

ということで本記事では、泡盛について少しでも知っていただくために「泡盛の定義」について簡単に解説していきます。
実は、泡盛の定義は少し誤解されているかもしれません。

泡盛の定義をまずはざっくりご紹介

泡盛には、芋、麦、米などのいわゆる本格焼酎とは、少し異なる定義があります。

【泡盛の定義】

  1. 米を原料とすること
  2. 黒麹菌を使用すること
  3. 全量麹仕込みであること
  4. 単式蒸留器で蒸留すること

上記の4つの定義について、それぞれ解説していきましょう。

泡盛の定義は本格焼酎の定義とは少し異なる。

泡盛の定義は本格焼酎の定義とは少し異なる。

定義① 米を原料とすること

泡盛は米のみを原料として造らなければなりません。
その点では米焼酎と同じなのですが、米焼酎とは異なり泡盛ではタイ米が使用されます。

大半の泡盛がタイ米を原料としているため「泡盛にはタイ米を使用しなければならない」と思われることが多いのですが、実はタイ米の使用は義務ではありません。
これはよくある誤解の一つで、慣例として、またはタイ米の方が適しているため、泡盛にはタイ米が使用されているのです。

泡盛にはタイ米が使用されるが義務ではない。

泡盛にはタイ米が使用されるが義務ではない。

定義② 黒麹菌を使用すること

泡盛の仕込みには黒麹菌を使用しなければなりません。

黒麹菌とは麹菌の一種で、麹とは、原料であるお米の発酵を助ける菌の一種。
米など穀物は、発酵に必要な糖分を含まず、その主成分はご存じデンプン。
デンプンは分解によって糖分に変えることができるのですが、これをサポートするのが麹の役割です。

泡盛に限らず、麹は焼酎や日本酒など日本の酒造りには用いられ(醤油や味噌にも)、ある意味では日本の食文化を支えていると言うこともできます。
ちなみに黒麹菌は、黄麹や白麹など数ある麹の種類のなかでも、クエン酸を多く含むとされ、これにより気温が高い沖縄でも安定した酒造りを可能にしています。

黒麹、黄麹、白麹の違いについてはこちらの記事で解説しています。
芋焼酎の黒麹・黄麹・白麹…それぞれの特徴や違いを簡単解説

定義③ 全量麹仕込みであること

泡盛を名乗るには、全量麹仕込み、つまりすべて麹で仕込む必要があります。

日本の酒造りにはおいては、泡盛に限らず、米に麹菌を植え付けた米麹を使用するのですが、泡盛以外のお酒は米麹に主原料(芋焼酎なら芋、米焼酎や日本酒なら米)を加えてお酒が造られます。
しかし泡盛では、その全てに米麹を使用して造られています。

これにより、泡盛独特のリッチで深みのある味わいが生まれているのです。

定義④ 単式蒸留器で蒸留すること

泡盛は、焼酎と同じ蒸留酒の一種なので、蒸留という工程を経る必要があります。
蒸留には主に、単式蒸留と連続式蒸留の2つの方法があるのですが、泡盛は単式蒸留によって蒸留する必要があります。

クリアで雑味のないお酒を生み出す連続式蒸留に対して、単式蒸留では原料の風味を感じるお酒を生み出し、単式蒸留だからこそ泡盛の米の甘みを感じる味わいを生み出せているのです。

ちなみに本格焼酎も泡盛同様に単式蒸留を用いています。
逆に甲類焼酎では連続式蒸留を用いられています。

単式蒸留と連続式蒸留の違いについてはこちらの記事で解説しています。
単式蒸留と連続式蒸留の違いとは?初心者向けに簡単解説!

まとめ

このように、焼酎の一種として捉えられている泡盛ですが、実は、焼酎とは少し異なる独自の規定によって「泡盛」となっているのです。
そしてよく勘違いされる「タイ米を使用する」は、義務ではないのです。

最後に泡盛の定義をおさらいすると…

  1. 米を原料とすること
  2. 黒麹菌を使用すること
  3. 全量麹仕込みであること
  4. 単式蒸留器で蒸留すること

泡盛の根幹がわかったところで、ぜひ実際に味わってみてください。
知ったことで、より美味しく感じるかもしれません。

小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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