世の中には、あらゆる分野での神様が存在しますが、
バーテンダーや蔵元、酒類メーカーに酒販店などの酒類関係者や、大のお酒好きだという方にとって、“お酒の神様”は是が非でも拝みたい存在ではないでしょうか。
お酒の神様というと、真っ先に名が挙がるのがギリシャ神話に登場する“バッカス”ですが、
実はここ日本にもお酒の神様がおり、なんとその神を祀る神社が存在します!
しかも1つではありません…
当記事では、その中でも有名な3つの神社について、簡単にご紹介していきます。
蔵元からの信仰を集める出雲の「佐香神社」
佐香神社(さかじんじゃ)は、島根県出雲市にある神社。
「日本書紀」や「出雲国風土記」にも登場する神社で、酒の神様でもあり、農業の神様でもある“久斯神(くすのかみ)”を主祭神としています。
久斯神は、出雲大社に全国から集まる800万の神様に、酒を振る舞ったという伝説があり、また、他にもこの神社がある出雲地方には、お酒にまつわる逸話があることから、出雲は日本酒の発祥地の一つともされているのだとか。
10月13日の例大祭は、濁酒祭(どぶろくまつり)とも呼ばれ、宮司自らが杜氏となって神酒の醸造を行うことでも有名。
今日でもお酒と結びつきが強い神社であり、蔵元など酒造りの関係者からの信仰を集めているとされています。
同じ出雲市でも、出雲大社や市街地からは少し離れていますが、この神社をめがけて行ってみるのも良いでしょう。
奉納された酒樽は圧巻!京都の「松尾大社」
京都市左京区、嵐山にほど近い、市街地からのアクセスが悪くない場所にある松尾大社。
全国にある松尾神社の総本山とされ、実は前述した佐香神社の別名は松尾神社。松尾大社はその大元にあたるわけです。
狂言「福の神」によれば、松尾神は「神々の酒奉行である」とされ、それゆえにこの神社も酒の神様として信仰を集めています。
また、ここの湧き水である“亀の井”は、これを使用して酒を造れば腐らないという言い伝えがあるのだとか。
お酒に関わる層からの信仰の厚さは、奉納された酒樽の多さが物語っており、境内には酒樽が山のように積まれています。
京都を訪れた際は、ぜひお参りしておきたいところです。
あの杉玉が造られる奈良の「大神神社」
奈良県桜井市、三輪山にある大神神社(おおみわじんじゃ)は、日本最古の神社の一つとされています。
主祭神である大物主神(おおものぬしのおおかみ)は、国造りの神様であり、酒造りを含むあらゆる産業の神様。さらに、この地に祀られる高橋活日命(たかはしのいくひのみこと)は、第十代崇神天皇の命を受けて、一夜で酒造りを行い神酒を奉納したとされ、今日に続く杜氏の先祖とされています。
それゆえに、大神神社はお酒の神様とされ、今でも数多くの杜氏や酒造りの関係者が多く参拝するのだとか。
また、蔵元や酒販店などで縁起物として飾られることが多い“杉玉(酒林)”ですが、実はこれ、この地で造られたもの。
大神神社の御神木である三輪山の杉の葉を用いて造られているのです。
奈良市からは少し離れていますが、ここをめがけて行くのもありでしょう。
観光ついでにお参りしてみては
蔵元やメーカー、バーテンダーなどのお酒の関係者や、大のお酒好きだという方にとって、その御利益のためにも、お酒の神様は拝みたいことでしょう。
今回ご紹介した3つの神社は、出雲、京都、奈良と、いずれ観光地にあります。
京都の松尾大社を除いては、市街地からは少し離れていますが、観光で訪れた際に参拝すると良いかもしれません。
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