ウイスキーにおすすめ?「トワイスアップ」とはどんな飲み方?

トワイスアップ、どんな飲み方?

ワインや日本酒、ビールなどにおいてはもちろんのこと、ウイスキーやテキーラなど強いお酒においてもストレートは定番の飲み方の一つとなっています。

しかし、そういった強いお酒ではストレートはキツく感じることもあることから、似たような飲み方として「トワイスアップ」がしばしばオススメされています。
この「トワイスアップ」という飲み方、一体どんな飲み方なのでしょうか?

本記事では、何か専門的な雰囲気を醸し出す「トワイスアップ」なる飲み方が、どのような飲み方で、どうやって作るのか、はたまたどんなメリットがあるのか等をご紹介していきます。
トワイスアップは、実は自宅でも超簡単に実践でき、しかもメリットが多い飲み方です。

トワイスアップとはどんな飲み方?

まず先に、トワイスアップがどんな飲み方かご紹介しましょう。
トワイスアップとは、お酒と水の1:1、つまり半々で割った飲み方を指します。

「お酒が濃いめの水割り」とイメージするかもしれませんが、水割りとは大きな違いがあり、トワイスアップでは基本的に氷は使用しません
つまり常温のストレートに、同量の水(水も常温)を入れただけの飲み方で、出来上がったものも常温です。

言葉からは専門的な雰囲気を醸し出しますが、トワイスアップは実は単純明快な飲み方なのです。

トワイスアップの作り方

トワイスアップの作り方

お酒:1/2
水:1/2
お酒1に対して水1を注ぎ、グラスを軽く回しなじませる。

このように、トワイスアップの作り方は超簡単です。
専門的な用具は一切使用せず、お酒と水さえあれば誰でも作ることができます。(氷やマドラーさえいらない)

トワイスアップのメリット

トワイスアップはこのように単純な飲み方なのですが、なぜオススメされているのでしょうか?
というわけでトワイスアップのメリットをご紹介しましょう。

トワイスアップのメリット

  • 度数が下がるので負担が軽くなる
  • 刺激が和らぎ味がわかりやすくなる
  • なんといっても超簡単

それぞれ詳しく見ていきましょう。

度数が下がるので負担が軽くなる

水で割るのですから、当然アルコール度数は下がります。
単純に半分の度数に下がり、例えば40度のウイスキーなら20度に下がります
40度と20度では、当然のことながら飲みやすさが異なり、体への負担も軽くなります。

要するにトワイスアップにすることで飲みやすくなる、優しい飲み方なのです。

刺激が和らぎ味がわかりやすくなる

トワイスアップにすることで、単に飲みやすくなるだけではありません。
実は、ウイスキーなど度数が高いお酒においては、味がはっきりわかるようになるのです。

トワイスアップにしたウイスキー

トワイスアップではむしろ味がわかりやすくなる。

「水で薄めるのだから味も薄くなるのでは?」と思うかもしれませんが、むしろわかりやすくなります。
これは、ウイスキーなど度数が高いお酒はそのままでは舌への刺激が強すぎて、正確に味を捉えられないためで、度数が下がることで刺激が和らぎ味を捉えやすくなるという仕組み。
常温の水で、しかも多く注ぐわけではないので、ウイスキーやお酒そのものへの影響は限定的なのです。

しかもロックのように氷が溶け出して味が変わってしまうこともないので、よりゆっくり味わうことができます。

例えば「ストレートで飲みたいけど40度では度数が高いな」と思っていた人も、これなら実践できるかもしれません。

なんといっても超簡単

それから、超簡単な飲み方で、誰でも自宅ですぐに実践できるのも大きなメリット。

超簡単な飲み方にも関わらず、例えばウイスキー業界では愛好家や専門家はこぞってこの飲み方を実践します。
その理由についてご紹介していきましょう。

なぜウイスキー界隈でよくオススメされる?

前述のように、トワイスアップはウイスキーの味を正確に捉えやすい飲み方。
そのため、ウイスキー愛好家や専門家は、ストレートとは別にこの飲み方も実践するのですが、理由はそれだけではありません。

味の変化もウイスキーの評価

トワイスアップなど少量の水を加えることを、テイスティング用語で「加水」とも言うのですが、加水することでしかわからない味があります。
要するに味が変化しているのですが、愛好家や専門家の間では、この、加水による味の変化さえウイスキーの評価の対象です。
加水しないと見えてこない味があり、その味も含めてのウイスキーの評価というわけです。

つまりトワイスアップは、ウイスキーテイスティングの流れの一部でもあるのです。
例えば、サントリーの名誉ブレンダーである輿水精一氏の著書「ウイスキーは日本の酒である(新潮社)」によれば、ブレンダーがウイスキーを口に含む際は「一対一の水割りになうよう加水」とあり、必ず実践していることがわかります。(ブレンダーとは、数限りない原酒をブレンドしウイスキーを完成させる、ウイスキーのプロ中のプロ)

このようにトワイスアップは、簡単に実践できる飲み方にも関わらず、かなり本格的な飲み方でもあるのです。
だからウイスキー界隈でよくオススメされるというワケです。

まとめ

最後に、トワイスアップについてざっくりまとめると…

  • トワイスアップは酒1:水1の飲み方。
  • 度数が下がり負担が軽くなる優しい飲み方。
  • 刺激が和らぎ味がわかりやすくなる。
  • 超簡単にできるのに本格的。

このように、メリットがたくさんあるからよくオススメされるワケです。
もちろんトワイスアップは、ウイスキーだけでなく、テキーラやジン、ブランデーなど度数が高いお酒全般にオススメです。

「度数が高いお酒をしっかり味わいたいけど、度数がちょっとキツイ」と思っていた人にもオススメできる飲み方です。
ぜひ一度試してみてください。

【写真に使用しているグラス】
トップ画像⇒リーデル・シングルモルトグラス
記事中画像⇒リーデル・スピリッツグラス

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著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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