バーテンダーはなぜカクテルを作る際にシェイクするのか?

Why shake?

「バーテンダー」と聞くと、シャカシャカと銀の容器を振ってカクテルを作っている姿を想像する方は多いでしょう。

あの銀の容器はシェイカーといい、それをシャカシャカと振ってカクテルを作ることを、シェイクというのですが、そもそもなぜシェイクするのでしょうか?

バーによく行く方ならご存知かもしれませんが、そうでない方や、お酒初心者の方は中々知る機会がないと思います。

そこで本記事では、バーテンダーがカクテルを作る際にシェイクをする理由について、わかりやすく説明していきます。

シャカシャカとシェイクする理由は主に3つ

まずシェイクは、シェイカーの中に材料と氷を入れて、その材料が入ったシェイカーを勢いよく振って行われています。
このシェイクを、バーテンダーがカクテルを作る際に行う理由は主に3つあります。

  1. 混ざりにくい材料を混ぜ合わせる
  2. カクテルを冷やす
  3. お酒のカドをとって飲みやすくする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

混ざりにくい材料を混ぜ合わせる

棚に飾られたたくさんのお酒

カクテルは、様々なお酒や飲み物を混ぜ合わせて作られています。
カクテルにはほぼ無限とも言えるレシピがあり、混ざりにくい組み合わせのレシピも多くあります。
普通ならかき混ぜるだけでOKでも、混ざりにくいもの同士の場合そうはいきません。

シェイクは、混ざりにくいレシピのカクテルを、しっかりと混ぜ合わせるために行なっているのですね。
シェイカーで、勢いよく振ることによって、材料同士がしっかり馴染みます。

カクテルを冷やす

人間は冷たいもの、温かいものをおいしく感じるようにできています。
ビールが冷えていた方がおいしく感じるのと同様に、カクテルも冷えていた方がおいしく感じますよね?

そもそもお酒はアルコールなので、ものによってはキツく感じます。
しかし、これらのお酒も冷やすことで飲みやすくなります。

シェイクは、材料と氷をシェイカーの中に入れて行いますから、キンキンに冷えたカクテルが出来上がります。
シェイクを行うことで、カクテルを飲みやすくしているのですね。
(なのでシェイクするカクテルの完成品には氷が入ってないことも多い)

お酒のカドをとって飲みやすくする

アルコールの強いお酒は、レシピの組み合わせによっては、よりカドやエグ味を感じることがあります。
しかし、シェイクして、しっかり混ぜ合わせることによって、お酒のカドがとれ、味がまろやかになります。

例えばジンにライムジュースを入れればジンライムになりますが、
これをシェイクするとギムレットというカクテルになります。

どちらが飲みやすいかで言ったら、個人差はあるでしょうが、明らかにギムレットの方が飲みやすいです。
(バーに行った際にでも試してみてください)

シェイクするか否かカクテルによって決まっている

シェイクして作られたカクテル

カクテルは主に3つの手法を用いて作られます。
一つはビルド、2つめはステア、そして3つめはシェイクです。

これらの違いをざっくり説明すると、
ビルドは、グラスに注いでマドラー(バースプーン)でかき混ぜるだけ
ステアは、専門の容器で氷とともにバースプーンでかき混ぜ、氷を除いた中身だけグラスに注ぐ
というようになります。

実はカクテルによって、どの手法を用いて作るのかはあらかじめ決まっています。
この辺りは料理と一緒ですね。(おでんなら煮る、オムライスなら炒める、みたいな)

ちなみに一般的によく知られている、スプモーニ、ソルティードッグ、モヒートなどのカクテルは、より簡単なビルドによって作られています。
(カクテルの王様マティーニはステアですね)

シェイクを必要とする代表的なカクテル

どんなカクテルだったらシェイクするのか?についても簡単に触れておきましょう。

  • ギムレット:ジン+ライムジュース
  • ダイキリ:ラム+レモンジュース
  • コスモポリタン:ウォッカやクランベリージュースなどを使用
  • マルガリータ:テキーラベースの王道カクテル
  • グラスホッパー:チョコミント風カクテル
  • セックスオンザビーチ:人気トロピカルカクテル

もちろんもっとたくさんありますが、挙げればキリがないので、本記事ではこれくらいにしておきます。
この中ではグラスホッパーが、チョコミント風味で甘く、度数も低めでデザート感覚で飲めるカクテルなのでお酒初心者の方や女性にはおすすめです。

まとめ

ここまで、バーテンダーがシェイクをする理由とそもそものカクテルについてを書きましたが、お分かりいただけたでしょうか?

実際にバーに行って、シェイクしたカクテルを飲めればいいですが、中々機会がなかったりしますよね。
そんな時は、自宅で自分で作ってみることをおすすめします。
シェイカーはAmazonや楽天で2,000円もしないで購入できますよ。

飲みに行くのもいいですが、自分で作ると何より楽しいです。

それではこの辺で。
以上、「バーテンダーはなぜカクテルを作る際にシェイクするのか?」でした。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

関連記事

  1. 人気シングルモルトによるハイボール&カクテル向けのボトル!「エックス バイ グレンモーレンジィ」が新登場 人気シングルモルトによるハイボール&カクテル向けのボトル!「エッ…
  2. 都内80店舗が参加!クラフトカクテルの祭典「東京カクテル7デイズ 2021」が10/14~11/13まで開催! 都内80店舗が参加!クラフトカクテルの祭典「東京カクテル7デイズ…
  3. 動画でラムを知ろう!ラムの歴史や製法、カクテルを網羅できるYouTube動画 動画でラムを知ろう!ラムの歴史や製法、カクテルを網羅できるYou…
  4. 自宅で楽しむ「フィーバーツリー」カクテル / On 2 Off Bar 座談会 No.1 (YouTube) 自宅で楽しむ「フィーバーツリー」カクテル / On 2 Off …
  5. バー初心者必見!知っておくと安心するバー専門用語をざっくりまとめてみた バー初心者必見!知っておくと安心するバー専門用語をざっくりまとめ…
  6. 「東京カクテル 7 デイズ 2019」レポート 〜 最先端のクラフトカクテルをカジュアルに体験 「東京カクテル 7 デイズ 2019」レポート 〜 最先端のカク…
  7. 87店舗が参加!クラフトカクテルの祭典「東京カクテル7デイズ 2022」が11/4~11/13まで開催! 87店舗が参加!クラフトカクテルの祭典「東京カクテル7デイズ 2…
  8. 「パロマの日」を楽しむ!テキーラセノーテでつくる#私のパロマ / On 2 Off Bar 座談会 No.2 (5/22YouTube無料配信) [YouTube]「パロマの日」を楽しむ!テキーラセノーテでつく…

おすすめ記事

広島市・ベネチア市 友好協力記念!「SAKURAO GIN」と「MARTINI」を使ったカクテルプロモーションを開催! 広島市・ベネチア市 友好協力記念!「SAKURAO GIN」と「MARTINI」を使ったカクテルプロモーションを開催!

水の都として世界的に知られるイタリアのベネチア市、そして中国地方最大の都市・広島市が友好協力関係にあ…

日本一のバーテンダーと行くロンドン・バー巡り - 旅でかきたてられた創造力とは?その集大成カクテルもご紹介 日本一のバーテンダーと行くロンドン・バー巡り – 旅でかきたてられた創造力とは?その集大成カクテルもご紹介

新たな発見や想像しえないインスピレーションを得られるのは、旅の大きな醍醐味の一つ。日本一のバーテ…

日本一のバーテンダーと行く『ボンベイ・サファイア蒸溜所』後編 - こだわりの蒸溜法と最先端のサスティナビリティとは? 日本一のバーテンダーと行く『ボンベイ・サファイア蒸溜所』後編 – こだわりの蒸溜法と最先端のサスティナビリティとは?

『ボンベイ・サファイア プレミアクリュ』のカクテルコンペティションで日本一に輝いた加藤晋悟さん(TH…

人気の記事

  1. あのパーカーポイントが日本酒に!90点以上78銘柄を発表 日本酒版パーカーポイント
  2. ジャパニーズ・クラフトジンが今アツい!話題の4銘柄をご紹介 ジャパニーズ・クラフトジン
  3. 日本でも流行必至!「クラフトジン」の特徴と銘柄まとめ クラフトジンとは?
  4. ウイスキー世界売り上げランキングTOP20 世界ウイスキー売上ランキング
  5. 世界一売れているビールは?2015年世界シェアTOP10を発表! 世界一のビールは?

新着記事

関連記事

PAGE TOP