限定ボトルのこと、新設予定の蒸溜所のこと
— 「YASO GIN」はレギュラーボトルである「131」のほかに、定期的に限定ボトルをリリースしていますね。これはどのようなプロセスでリリースされているのでしょうか?
2021年の定番ボトルである「131」は、80種類の薬草由来の「YASO SPIRITS」をベースに、51種類のボタニカルを加えて蒸溜したもの。それを通年で販売しながら、ほぼ毎月限定ボトルをリリースしています。
当社はそもそも酒類メーカーではなかったですし、ボタニカルの仕入れルートが他社とは違います。
生産者と直接繋がれる環境にありますから、それを活かしながら、実際に生産者のもとを訪ね、その時々に心が震えた素材を選定し限定ボトルのアイディアとしています。
どのようなジンにするのかは、製造責任者である梅田という社員に一任していて、基本的には彼のアイディアが主体となって限定ボトルがリリースされています。
毎回300〜500本ほどをリリースしているのですが、商品発売時にインスタライブで告知し、ありがたいことに自社のオンライン通販では2-3分で完売することがほとんどです。
— お酒の造り手として実現させたいこと、目指しているのはどんなことでしょうか?
当社の主力事業のテーマである健康とお酒は、いわば対極にあります。
とはいえ、酵素商品もお酒も元は同じ素材で、蒸溜によって別れただけ。健康食品を手かげるだけでなく、あると生活が豊かになる嗜好品としてのお酒も手がけることで、手に取る方が心身ともに豊かになってほしいと思っています。
幸い「YASO GIN」にはヘルシーなイメージがあるようで、アパレル誌やフィットネス関連のメディアからの取材も多く、SNSのフォロワーはほとんどが女性なんです。
バックグラウンドが他社とは異なりますし、新しい角度でお酒の良さ、ジンの良さを発信していきたいですね。
— 今後の展望を教えてください
「YASO GIN」に関しては、10年計画で、ボタニカルの数を変動させながらその年ごとの定番ボトルをリリースしていく予定で、10年目にジュニパーベリーだけをつかった「81」というジンを造ろうと予定しています。
それと、まもなく輸出が始まるほか、来年夏ごろには新たに蒸溜所も開業予定です。
アート的な要塞をイメージした見学もできる蒸溜所で、新たに蒸溜器を2基導入し、アートを展示するギャラリースペースやバーも併設予定です。
ゆくゆくはゲストシェフを招いて、食と結びつけたペアリングイベントなどもやりたいですね。
外にはジュニパーの木を植えて、将来的にはそれを自社で使う予定で、蒸溜の際の熱を活用したサウナも設置する予定です。
廃棄物を出さないモノ造りをしたいと思ってますし、ジンの蒸溜に使ったボタニカルの残渣は、土に還るように処理をしてから肥料として活用する予定です。
単にモノ造りをするだけではなく、さまざまな取り組みをしていくことで、新しい層の方たちにも興味を持っていただきたいですね。
— 最後に、塚田さんは“ジン”というお酒についてどう捉えているか、教えてください
ジンは“香りのお酒”だと思っています。
ボタニカル由来のナチュラルな香りですし、そのタイプも千差万別…ジンが好きではないという方は、たまたま自分好みのジンに巡り会っていないだけだとすら思います。
また、ジンに使われるワードも“ボタニカル”や“アロマ”ですとか、ナチュラルさを連想させるものが多く、今の時代に合っていますし、得られる楽しさがわかりやすいのもジンならではですね。
これからは流行りではなく、カルチャーになっていくのではないかと思っています。
— ありがとうございました!
詳細
【YASO GIN 2021】
「YASO SPIRITS」に、ジュニパーベリー、越後トウキ、日本ヤマニンジン葉、ジンセンベリーなどの野草をはじめ、51種類のボタニカルを加え、蒸溜して造られたお酒「YASO GIN」2021年限定のオリジナルブレンドです。
容量:700ml
度数:41%
値段:6,380円
【YASO SPIRITS】
「野草の王様」とも言われるヨモギ。新潟県上越地方に自生する良質なヨモギを主とした80種類の原材料を、1年かけてじっくりと陶器のかめで発酵・熟成させたのち、アルコール分を抽出させた蒸溜酒「YASO SPIRITS」
容量:700ml
度数:41%
値段:5,280円
⇒「YASO GIN」公式HP
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