2021年版の世界一売れているジンブランドはフィリピンの「ヒネブラ サンミゲル」という結果に! では2位以降はどのようなラインナップとなったのでしょうか?
ここ数年酒類カテゴリーの中でも最も成長しているジン。その世界を巻き込むムーブメントは収まる気配がなく、まだまだ人気を拡大させています。
しかしながら昨年は新型コロナウイルスの問題が世界中に波及し、酒類業界全体に大きな損害を与えた中で、もちろんジンにも大きな影響がありました。
当記事では、2021年版のジンのブランド別世界売上ランキング(2020年の年間販売実績)を、イギリスの酒類メディアDrinks Internationalが発表したデータを元にご紹介。上位8つのブランドを、8位から順に簡単な解説つきでご紹介していきます。
⇒世界一売れているジンは?ジン世界売上ランキングTOP8【2020版】
8位 ヘンドリックス / Hendrick’s
売上(出荷数):100万ケース(1ケースあたり9L換算)
産地:スコットランド
まず8位にランクインしたのは、昨年同様に「ヘンドリックス」。
1999年に発売されたこのジンは、通常の香りづけのボタニカルの他に、バラとキュウリのエキスを加えるというユニークな特徴を持ちます。その斬新さはジンの世界に大きな影響を与え、現在の世界的なクラフトジンのムーブメントを礎を築いたブランドの一つです。
ここ数年は大きな成長を続けていた中で、2020年の年間売上は2019年から26%もマイナスに。全世界でバーの営業自粛やロックダウンがあったことが要因です。
7位 ラリオス / Larios
売上:100万ケース
産地:スペイン
続いて7位は、こちらも昨年版と同様に「ラリオス」がランクイン。
サントリー傘下のビームサントリーがスペインで展開する巨大なジンブランドです。
スペインは近年のジン人気を牽引する国の一つであり、世界でもトップクラスのジン消費量を誇ります。
そのスペインで圧倒的な人気を誇るのがラリオスです。
やはりコロナの影響が大きく、2019年と比べ33%マイナスとなりました。
なお、日本では展開されていないブランドです。
6位 シーグラム ジン / Seagram’s Gin
売上:250万ケース
産地:アメリカ
かつて世界に名を馳せたスピリッツメーカーの名を冠する「シーグラム ジン」が6年以上連続で6位に。
日本でもその名が知られていたシーグラム社の酒類部門が、2000年にペルノ・リカール社に買収されて以降は、シーグラム ジンも同社のブランドとなっています。
シーグラム社がカナダ発のメーカーということもあり、特に北米で高い人気を誇ります。
その特徴は、トップブランドとしては珍しく長期熟成されていること。
かつては日本でも流通していましたが、現在は正規輸入はされていません。
5. ビーフィーター / Beefeater
売上:270万ケース
産地:イングランド
“赤い兵隊のジン”でお馴染みのイングランド産ジン「ビーフィーター」が5年連続で5位につけました。
創業から200年経った今もなおロンドンで造り続ける伝統的なジンですが、近年は時代に即した新商品を積極的にリリース。2019年より日本でも発売された苺フレバーのジン「ピンクストロベリー」や、低アルコールボトル、ジン&トニック缶など、バラエティが豊かになっています。
日本では、そのバランスの取れた味わいから、カクテルのベースとして重宝されています。
⇒今こそ知っておきたい4大ジンの一つ「ビーフィーター」、王道であるワケとは?
4. タンカレー / Tanqueray
売上:410万ケース
産地:スコットランド(発祥はイングランド)
シェイカー型の緑色のボトルが物語るように「タンカレー」も、バーのシーンで欠かせないジンの一つ。
2019年の年間売上と比較して9%マイナスとなっていますが、他のブランドも大きく売上が落ちているため、昨年に続いて4位をキープしています。
定番商品のロンドンドライジンの他、プレミアムジンの定番「ナンバーテン」も、変わらず高い人気を誇ります。
柑橘が香るドライでシャープな味わいから、マティーニやギムレットなど人気のカクテルに使用するバーテンダーも少なくありません。
⇒今こそ知っておきたい4大ジンの一つ「タンカレー」、バーテンダーに愛されるジンの特徴とは
3. ボンベイ / Bombay
売上:470万ケース
産地:イングランド
日本でも大人気のジン「ボンベイ・サファイア」などを展開するブランド「ボンベイ」が2020年版に続いて3位にランクイン。
ジン業界が低迷していた80年代にリリースされたボンベイ・サファイアは、青く輝く鮮やかなボトルデザインやクリアな香り、そして使用ボタニカルの公開など、当時では斬新な手法で展開され、それまでのジンのイメージを覆し業界に変革をもたらしました。
“4大ジン”とも称される、ジンの中では唯一ヴェイパーインフュージョン製法(漬け込みではなく蒸気によってボタニカルの香味を抽出する方法)によって造られており、そのクリーンで爽やかな味わいから、様々な飲み方やカクテルで楽しめるとして、プロアマ問わず人気を集めています。
⇒なぜボンベイ・サファイアは“ジンを知る”上で重要なブランドなのか?
2. ゴードン / Gordon’s
売上:670万ケース
産地:スコットランド(発祥はイングランド)
「ボンベイ」に大きく差をつけて2位にランクインしたのは「ゴードン」。
リーズナブルな価格も相まって、家庭用としての人気も高いブランドで、だからこそ3位以下のブランドが全て売上を落としている中で、ゴードンは670万ケースを維持しています。
1769年にアレキサンダー・ゴードンが創業したこのブランドは、ジンとしては初めて英国王室御用達の認可を取得するなど、業界の発展やジンの地位向上に大きく貢献。そのチャレンジ精神は今も変わらず、近年リリースしたフレーバージンやジン&トニック缶などのRTD商品はいずれも好調だとされています。
⇒「ゴードン」はジンの歴史を知る上で欠かせないブランド!誕生ストーリーと特徴に迫る
1. ヒネブラ サンミゲル / Ginebra San Miguel
売上:3120万ケース
産地:フィリピン
記事冒頭でもお伝えしたように、2021年版もダントツのトップに輝いたのは、フィリピンの「ヒネブラ サンミゲル」でした。
他のブランドが軒並みコロナの影響に苦しむ中で、こちらのブランドは唯一プラス成長を続けており、昨年対比で8%伸びています。
3120万ケースという驚異的な売上は、ビール市場を除く酒類全体のランキングでは2位を記録しています。
少し意外な結果に感じる方もいるとは思いますが、実はフィリピンはジンの消費量が世界一(※IWSRより)。その同国で最も飲まれているブランドだからこそ圧倒的な売上を誇るのです。
余程のことがない限りは今後もトップであり続けるでしょう。
⇒国産クラフトジンの造り手インタビュー記事まとめ
⇒ジン好きが選ぶ、まず味わっておきたい「定番クラフトジン」6選
全国のバーテンダーの人となりを知ろう!
⇒バーテンダーへの8つの質問
ジン・クラフトジンを買うならAmazonがおすすめ!
⇒Amazonのジンストア