バーや居酒屋などでお水を飲みたいとき「チェイサーください」と頼む方は少なくないでしょう。
なんとなく「チェイサー=水」と認識していて、それで店員さんにも通じているので「チェイサーの意味」について考える機会は少ないと思います。
少し意外かもしれませんが、実はチェイサーは本来、お水だけを意味する用語ではありません。
本記事では、このチェイサーの本当の意味と、お酒の場における重要性について解説していきます。
それでは見ていきましょう。
チェイサーは水だけじゃない?
まずチェイサーとは、カタカナ言葉によく見られる和製英語などではなく、「chaser」という英語であり、その意味を辞書で調べてみると「強い酒の直後または間に飲む水・ビールなど」とあります。
chaserとはchaise(チェイス)が変化したもので、チェイスには追いかけるなどの意味があります。(カーチェイスなどの用語でご存知の方もいるかと)
つまりチェイサーとは、本来「お酒の後を追うように飲む飲み物」ということになります。
辞書にもあるように、決してお水だけを指すわけではなく、ジュースはもちろん、ビールやその他お酒も、場合によってはチェイサーとなります。
ただし、一般的にはお酒の直後や間に飲むものは、お口直しや休憩的な意味合いであることがほとんどなため、欧米人に比べてお酒が弱い傾向がある日本人の間では「チェイサー=お水」が一般的となっているのでしょう。
日本ではチェイサー=お水が一般的
前述のように日本においては、特殊なケースを除いてチェイサーといえばお水を指します。
そのため、バーや居酒屋で「チェイサーください」と言って、いきなりビールが出てきたり、オレンジジュースが出てきたりすることはありません。
少数派ですが、なかにはソーダ水をチェイサーとして出すバーなどもあります。
和食のお店なら、お水の代わりとして、お茶を出してくれるところもありますね。
とはいえ、「チェイサーとはお水のこと」という捉え方が一般的なため、単純にこちらから「チェイサーください」と言った場合、お水が出てくることがほとんどです。
「チェイサー=お水」という認識は、必ずしも正解ではないですが、少なくともここ日本では間違いとは認識されないと言えるでしょう。
お店でも特に気にせず、オーダーして大丈夫です。
ただし、もし絶対にお水が欲しい場合は、ストレートに「お水ください」とお願いする方が確実ではありますね。
ビールがチェイサー?世界のチェイサーあれこれ
前述した辞書上でのチェイサーの意味にも記してあるように、お水ではなく、お酒をお酒のチェイサーとして飲む人もなかにはいます。
特に海外ではその傾向があり、例えば日本国内でも海外の方が多いパブなどでは、しばしばウイスキーのチェイサーとしてビールを飲んでいる人を見かけます。
他のケースだと、メキシコといえばテキーラが有名ですが、本場ではそのテキーラのチェイサーとしてビールを飲む人も多いのだとか。(メキシコのビールがすっきりしているのはチェイサー需要を見込んでのことだったり?笑)
他にもテキーラには、「サングリータ」という、トマトジュースがベースの飲み物をチェイサーとして用いるのが、本場での伝統的な飲み方とされています。
ちなみにこちらは、お酒ではなくジュースです。
ただし当たり前ですが、上記のようなケースでは「チェイサーください」とお願いすると自動的にビールが出てくるのではなく、客側がビールをオーダーしてそれをお水代わり、つまりチェイサーとして飲んでいるといった感じです。
ちなみに、前述したようにチェイサーは決して和製英語ではなく、一般的に用いられる英語であるため、当然アメリカなどでも通じます。
がしかし、お水だけでなくお酒も含まれることから、聞き返されることもあるため、お水が欲しい場合は、「Can I have some water?」などとシンプルにお願いする方が良さそうです。
このように海外におけるチェイサーとは、「お水」だけを指すわけではなく「お酒」も含まれるのです。
⇒Amazonの洋酒ストア
意外と知らないチェイサーの重要性
チェイサーについて一通り理解できたところで、今度はチェイサーの重要性について解説しましょう。
皆さんはお酒を飲む際、どれぐらいの頻度でチェイサーを飲んでいるでしょうか?
きっとお店などでは、会計の際などに〆で飲むことはあっても、頻繁に飲んでいる方はそう多くないと思われます。
しかし実は、お酒があまり強くない私たち日本人にとって、実はチェイサーはとても重要な物。
チェイサーとしてお水をたくさん飲むことで、アルコールによる体への負担を和らげ、悪酔いを防いだり二日酔いの予防にもつながるとされているのです。
また、チェイサーを飲むことによって口寂しさが紛らわされる他、胃がある程度満たされることで、お酒を飲むスピードが遅くなり、飲み過ぎの予防にもつながります。
アルコールは利尿作用などがあることはよく知られていますが、それによって脱水状態を陥りやすく(飲んだ翌朝口がカラカラになるのはこのせい)、これが一つの原因となって頭痛や吐き気を引き起こすとされています。
チェイサーとしてお水をたくさん飲んでいれば、これらの予防にもつながることでしょう。
特にウイスキーや焼酎など度数が高いお酒を飲む際には重要で、お酒と常に一緒に飲むイメージが良いでしょう。
度数が高いお酒をよく飲む筆者は、基本的にお酒1杯に対してチェイサー1杯程度飲むようにしています。
(お酒と一緒にチェイサーを頼むことについて、「格好悪い気がする」「(お店に)失礼な気がする」と思う方もいるようですが、度を超えて酔っ払う方が格好悪いですし失礼ですので、あまり気にせずオーダーしましょう。)
⇒二日酔い対策で「水を飲む」は本当に効果があるのか?
バーでは自動的にお水を出してもらえることも
そもそも自分からお願いせずとも、バーや一部のレストランや居酒屋など、こだわりのお酒を楽しむようなお店では、自動的にチェイサーとしてお水が出てくることが少なくありません。
特に、ウイスキーやテキーラ、焼酎などの蒸溜酒をそのまま飲む際や、度数の高いカクテルを飲む際は、わりと高確率で自動的にお水ももらえます。
また、度数がそう高くないお酒を飲んでいる際でも、飲み始めて一定以上の時間が経つと、自動的にお水を出してもらえることも少なくありません。
要するに、お酒のプロでもあるお店の方からしても、チェイサーとしてのお水は、お酒を存分に楽しむ際には重要なものなのです。
⇒ワインや日本酒、テキーラなど…各お酒のアルコール度数比較
帰宅後や就寝前にもお水を一杯
この辺で、二日酔いにおけるお水の重要性について補足します。
二日酔いの予防という観点から言うと、帰宅後や就寝前にもお水をたくさん飲むと良いでしょう。
脱水の状態では代謝が悪くなることから、アルコールの分解が正常に行われない可能性があるとされています。
とにかく水分が不足した状態では眠らないことが重要です。
自宅に常に飲料水をストックしておくと、飲み忘れにくくなるため良いかもしれません。
二日酔いが心配な方の場合、通常の水より経口補水液の方が効果が高くおすすめです。
まとめ
本記事で記したように、チェイサー=お水が一般的な認識とはいえ、実は決して水だけを指しているわけではないのですね。
最後にざっくりまとめると…
- チェイサー(chaser)の本来の意味は、お酒の後を追うように飲む飲み物であり、水以外もチェイサーとなりうる。
- 海外ではビールなどをチェイサーとする人もいる。
- ただしお水とすることが一般的で、チェイサーと言えば基本お水が出てくる。
- 体への負担軽減のためにもチェイサーは重要。
ちなみに、チェイサーが水以外の飲み物も指すからといって、あえてビールなどをチェイサーとして飲む必要はありません。
なんだかんだで、筆者はお水がチェイサーとして一番適していると思います。
チェイサーを飲みながら、お酒とは上手に付き合っていきたいものですね。
それではこの辺で。
⇒「スパリブ」は二日酔いに本当に効果があるのか?【検証実験】
⇒日本でも購入可!「アルコール度数が高すぎる」お酒8選
⇒ワインや日本酒、テキーラなど…各お酒のアルコール度数比較
Amazonのお酒ストアはこちら。
⇒Amazonのお酒ストア