長年、日本でも高い人気の誇るウイスキー「ジャックダニエル」。
その中でも特に有名な銘柄といえば、ブランドの定番商品でもある「オールドNO.7(通称ブラック)」ですが、実はジャックダニエルには他にもいくつか銘柄があり、日本でも飲むことができます。
「ジャックダニエル・シングルバレル」や「テネシーハニー」などが、日本でもよく知られるところでしょう。
各種値段も異なりますが、一体ウイスキーとしてどのような違いがあるのでしょうか?
本記事では、ジャックダニエルの主な銘柄のそれぞれの特徴や度数や値段の違いなど、ざっくりと解説していきます。
ご紹介するのは下記の銘柄です。
- ジャックダニエル・オールドNO.7
- ジェントルマンジャック
- ジャックダニエル・シングルバレル
- ジャックダニエル・ゴールド
- ジャックダニエル・テネシーハニー
ジャックダニエルの基本情報をざっくりおさらい
まずは、どの銘柄にも共通する「ジャックダニエルの基本」についておさらいしていきましょう。
ジャックダニエルは、アメリカ産ウイスキーを指すアメリカンウイスキーの一種である「テネシーウイスキー」にあたります。
バーボンと捉えらえがちですが、テネシー州リンチバーグで造られており、製法はその独自の定義を満たしているためテネシーウイスキーに該当します。
テネシーウイスキーとしてだけでなく、アメリカンウイスキーとしても世界一売れているブランド(※)で、1866年の誕生以降、日本はもちろん世界中で人気と知名度を獲得しているウイスキーです。
そんなジャックダニエルの最大の特徴は「チャコール・メローイング」というテネシーウイスキー独自の製法からくる「ピュアでまろやかな甘み」。
バーボンにはない独自の工程を経ることにより、一般的なバーボンと比べて口当たりが優しくなっていることが、人気を集めている大きな要因の一つとされています。
また、その味わいだけでなく、何十年も前から多くのロックスター達に愛されていることや、昔から変わらないクールなボトルデザインなども人気の秘訣だと言えるでしょう。
By ljv|Charcoal Mellowing, CC BY-ND 2.0
【チャコール・メローイングとは】
「ウイスキーの原酒をサトウカエデ(メープル)の木炭でゆっくり濾過をする」という、テネシーウイスキーには必須の工程。
とても手間のかかる行程ながらも、行うことでピュアで優しい口当たりとまろやかな甘みが与えられるとされている。
それではジャックダニエルの各銘柄の特徴について、ざっくりと比較解説していきましょう。
ジャックダニエル・オールドNO.7
値段:2,550円(税別)
特徴:定番銘柄
ジャックダニエルのフラッグシップである銘柄。「オールドNO.7」となっていますが、7年熟成というわけではありません。
名前の由来は諸説あり、真実は定かではないのですが「創業者ジャックダニエル氏の7番目の試作品」との説がよく知られるところです。
一般的なバーボンと比較すると若干高価ながらも、ブランドのイメージや入手のしやすさ、そしてそのなめらかな味わいから、アメリカのウイスキーとしては世界一の人気(売上)を獲得しています。(データは前述)
ジャックダニエルを知る上では、まずは味わっておきたい銘柄です。
⇒ジャックダニエルを飲む前に知っておきたい基本のこと
ジェントルマンジャック
値段:3,350円(税別)
特徴:チャコール・メローイング2回のプレミアム版
ジェントルマンジャックは、ジャックダニエル蒸溜所初の新製品として1988年にリリースされたプレミアムなウイスキーです。
ただでさえ手間がかかるチャコール・メローイングを、通常は1回のところ2回も行って造られているのが最大の特徴。これによりさらにクリアな酒質となり、洗練されたボトルデザインのイメージどおり、スムースで上品な味わいとなっています。
その口当たりの良さから、ウイスキー初心者の方にもおすすめです。
ジャックダニエル・シングルバレル
値段:7,010円(税別)
特徴:一つの樽から瓶詰めされるシングルバレル
シングルバレルとは、厳選された一つの樽のみから瓶詰めされるウイスキーのこと。
通常ウイスキーは、複数の樽の原酒を(品質を安定させるため)ブレンドしてから瓶詰めするのですが、シングルバレル(またはシングルカスク)と呼ばれる製品では、数多ある樽(原酒)の中から特に優れた状態の樽を厳選し、ブレンドせずに瓶詰めします。
一般的には、少量生産であることなども影響して高価となり、その仕上がりは多少ながらバラつく傾向がありますが、それが「樽の個性」として、ファンの間では受け入れられています。
「ジャックダニエル・シングルバレル」は1997年に発売。まずは定番銘柄に慣れてから体験するのが良いでしょう。
⇒簡単解説!バーボンウイスキーのシングルバレルの意味とは?
ジャックダニエル・ゴールド
値段:10,000円(税別)
特徴:チャコール・メローイング2回、メープルの樽で追加熟成
「ジャックダニエル・ゴールド」は、2017年より日本でも販売された、レギュラー展開されているジャックダニエルの中では、最上級シリーズにあたる銘柄。
チャコール・メローイングを通常より多い2回行うだけでなく、通常のオーク樽熟成を経た原酒を、メープルの樽に移し替えて追加熟成(フィニッシュ)。ろ過だけでなく、熟成にもメープルを使用するというプレミアムなウイスキーです。
そうした製法によって、ジェントルマンジャックのスムーズさに加えて、まろやかでリッチな味わいが増した、いかにも高級ウイスキーらしい銘柄です。
ジャックダニエル・テネシーハニー
値段:2,390円(税別)
特徴:蜂蜜フレーバーのリキュール
「ジャックダニエル・テネシーハニー」は、2013年に誕生した、ジャックダニエルに蜂蜜をブレンドし、甘く飲みやすく仕上げたリキュール。その飲み手を選ばない味わいだけでなく、アルコール度数が少し低くなっていることも特徴で、女性にも人気の銘柄です。
近年、ウイスキーに蜂蜜を加えたリキュールは続々と登場しているのですが、その中でも「ジャックダニエル・テネシーハニー」はとりわけ高い人気を誇ります。
その証拠に、リキュールとしては歴史の浅い銘柄にも関わらず、世界に数多あるリキュールの中でも、全世界で5番目に売れている銘柄となっています。(※)
まとめ
ここまでジャックダニエルの主要銘柄について、ざっくりと解説してきました。
気になる銘柄は見つかったでしょうか?
最後に、各銘柄の特徴をざっくりまとめると…
- オールドNO.7:フラッグシップであり、入門銘柄。
- ジェントルマンジャック:チャコールメローイング2回により、とりわけ飲みやすい。
- シングルバレル:単一の樽から瓶詰めされた個性を楽しむ上級品。
- ゴールド:チャコールメローイング2回、メープル樽で追加熟成により、リッチな飲み口。
- テネシーハニー:蜂蜜フレーバー付きのリキュール。
ここで記したように、各銘柄ジャックダニエルらしさがベースにありながらも、それぞれ異なる特徴を持っているため、バーなどに行った際には飲み比べてみるのも面白いかもしれません。
ちなみに、ウイスキー初心者の方であれば、オールドNO.7かジェントルマンジャック、もしくは(リキュールとはなりますが)テネシーハニーがおすすめです。
ぜひ試してみてください。
⇒バーボンウイスキーの定義解説〜他のウイスキーとの違いを知る
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