待望の日本上陸を果たしたテキーラ「フォルタレサ」は一体何が凄いのか?

待望の日本上陸を果たしたテキーラ「フォルタレサ」は一体何が凄いのか?

メキシコの限られた地域でのみ生産されるテキーラですが、世界的に有名でありながら日本に未輸入のテキーラも実はたくさんあります。

そうした中、先日待望の日本上陸を果たしたテキーラブランドが、当記事でご紹介する「フォルタレサ」
実はこのブランド、テキーラの歴史を語る上では欠かすことのできない一族の末裔が造っており、凄みに満ちた背景を持つテキーラなのです。

発売に合わせ創業者が来日し、一族の歴史とフォルタレサについて語ってくれました。
その誕生ストーリーは必見です!

テキーラ界の超名門、サウザ家の5代目「ギレルモ・サウザ」

2002年にメキシコ・ハリスコ州で誕生した「フォルタレサ」
その創業者の名は「ギレルモ・エリクソン・サウザ」と言います。
世界で最も知られているテキーラの一つ、“サウザ”の創業家であるサウザ家の5代目にあたる人物です。

サウザ家の5代目にあたり、フォルタレサの創業者であるギレルモ・サウザ氏。

サウザ家の5代目にあたり、フォルタレサの創業者であるギレルモ・サウザ氏。

なぜ創業家一族に生まれながら、別のテキーラを造ることになったのか?
それは一族の歴史を知ることで分かります。

サウザ家の歴史は、ギレルモ氏の高祖父にあたるセノビオ・サウザ氏が1873年にテキーラを造り始めたことから始まります。
セノビオ氏は、世界的テキーラの創業者というだけでなく、テキーラを初めて輸出した人物であり、それまでメスカルに大別され特別呼び名がなかったお酒のラベルに初めて“テキーラ”と記した、いわば名付け親。ゆえに“テキーラの父”と称される人物でもあります。
また、同氏の孫であり3代目にあたるハビエル・サウザ氏は、テキーラの原産地呼称制度を提唱し、今に続く制度確立の功労者としても知られています。
このように、テキーラの歴史を語る上で欠かすことのできない一族、それがサウザ家です。
その偉大な家系に生まれたギレルモ氏でしたが、サウザ家は1976年に事業を他企業に売却し、一族はテキーラ造りをやめてしまいます。

「あいつはクレイジーだ」と言われながらも蒸溜所を再興

サウザ家のテキーラの歴史は、こうして(ギレルモ氏の)祖父の代で途絶えてしまったのですが、幼いながらにテキーラ造りを見ていたギレルモ氏は、一族の伝統とテキーラに対して特別な感情を抱いていたと言います。
月日が流れ、その強い思いに突き動かされた同氏は、1999年、ついにテキーラを再び造り始める決心をします。

ギレルモ氏はサウザ家のテキーラを復活させることを決意する

ギレルモ氏はサウザ家のテキーラを復活させることを決意する。

そこで目をつけたのが、“ラ・フォルタレサ”という、サウザ家が所有していた小さな蒸溜所。
およそ100年前に建てられた古い蒸溜所で、テキーラ事業売却に先立ち1968年に操業を停止していたため、ミュージアムとして売却されずに残っていました。
「これこそ祖父たちが残してくれたもの」だと悟ったギレルモ氏は、この場所で再興を図ることに。

しかし、建物自体が古いというだけでなく、長い間停止していた蒸溜所の再興はとてもハードルが高く、難しい挑戦でした。
その状況に「あいつはクレイジーだ」とまで周囲に言われたと言います。
そうした逆境の中、ギレルモ氏の不屈の精神によって、2002年、ついにラ・フォルタレサ蒸溜所は復活。約30年ぶりにサウザ家によるテキーラ造りが行われることとなりました。

2002年にラ・フォルタレサ蒸溜所は復活を遂げた。

2002年にラ・フォルタレサ蒸溜所は復活を遂げた。

伝統が継承された「フォルタレサ」

テキーラ造りに際して、ギレルモ氏は、どうしても譲れないこだわりがあったと言います。

それは、偉大な祖父たちと同じ方法でテキーラを造ること。
祖父たちの代とは時代が変わり、近代的な設備も台頭していましたが、たとえその方が効率的であったとしても自身のこだわりに迷いはなかったと言います。
ギレルモ氏が用いた設備は、原料のアガベの加熱に使用するレンガ造りのオーブン、そのアガベの搾汁に使用するタオナと呼ばれる石臼、木桶の発酵槽など、いずれも高祖父の代から用いられていた伝統的な設備。
近代的な設備に比べ工程を終えるのに倍の時間と高い技術力を要しますが、全ては“テキーラの伝統”という宝物を残してくれた祖父たちへの敬意から、その伝統(方法)を継承すると決めたのです。

そうして誕生したテキーラが「フォルタレサ(不屈の精神)」です。

フォルタレサのアネホのラベルには、祖父たちから継承した伝統設備タオナが描かれている。

フォルタレサのアネホのラベルには、祖父たちから継承した伝統設備タオナが描かれている。

華麗なる一族の末裔が不屈の精神で再興させたテキーラ、それがフォルタレサ

以上をまとめると、
栄光を極めながらもテキーラ造りをやめてしまったサウザ家。その5代目として生まれたギレルモ氏が、30年の時を超え、不屈の精神で逆境を乗り越えながら復活させたサウザ家のテキーラ、それがフォルタレサです。

ちなみに「フォルタレサ」というブランド名は、輸出用でのみ使用されており、メキシコ国内に流通するものには「ロス・アブエロス」というブランド名が使用されています。(中身は全く同じ)
ロス・アブエロスとは、日本語に訳すと「おじいさんたち」という意味。これも「祖父たちへの敬意から名付けた」のだとギレルモ氏は言います。

いずれにせよ、ここまで誕生の背景が凄みに満ちたお酒はそうありません。
だからこそフォルタレサは、多くの人々を魅了しているのでしょう。

小針 真悟
著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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