二日酔いの原因 〜 本当のところなぜ二日酔いになるのか?

二日酔いの原因

お酒を飲むことは楽しいことであり、心が満たされるもの。
時にありえないほど楽しい時間を与えてくれます。

しかし、その楽しさは忌まわしいものがセットとなっており、それはちょうど楽しさと入れ替わるように翌日になって姿を現します。
そう、あの忌まわしい二日酔いです。

この二日酔いのせいで、ありえないほど楽しい思い出とありえないほど最悪な思い出はきっとセットになっていることでしょう。
楽しい時間は欲しいものの、誰だって二日酔いで苦しみたくない。そう思うのは当たり前。

そこで当サイトでは、この二日酔いについて、「酒の科学|白揚社 著アダム・ロジャース」を参考に解説していきます。

本記事のテーマは「二日酔いの原因」について。
二日酔いの原因は何なのか?それから、二日酔いの原因としてよく挙げられているものは果たして正しいのか?など解説していきます。
それでは見ていきましょう。

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二日酔いの原因は実ははっきりと分かっていない

まるで二日酔いかのような犬

二日酔いの原因は実は分かっていない。

楽しんだ次の日に、頭痛、吐き気、下痢、倦怠感などあらゆる不快な思いをさせてくれる二日酔い。
そのダメージは計り知れず、筆者がこれまで受けたあらゆるダメージ(病気やら怪我やら)の中で一番キツかったのは二日酔いによるものです。
あらゆるものを投げ出したい、そう思うほどキツい思いをした方も少なくないはず。

二日酔いが与える悪影響について、面白いデータがあります。
アメリカ政府が算出した、二日酔いによって損なわれた生産性を集計し金額に置き換えたもので、それによればアメリカ国内における経済的損失額はなんと年間1600億ドル。(日本円で約13兆円)

一個人どころか、国家にまで大きなダメージを与えている二日酔い。
それだけ大きな影響を与えているものなら、さぞかし研究も進んでいるのだろうと思うところ。
しかし驚くことに、疫学者のジョナサン・ハラウンドが「何が二日酔いを起こすのかを誰も知らない」と言っているように、二日酔いの研究は全然進んでおらず、その原因すらはっきりと分かっていないのです。

なぜ研究が進んでいないのか?
それはまあ冷静に考えれば、単純に飲みすぎなければ二日酔いになりませんし、社会的優先度も低いからでしょう。(ここに研究費をかけるより難病とかそっちの方にインセンティブが働くはず)

二日酔いについてわかっていること

とはいえ、いくつか二日酔いに関してわかっている事実はあります。

まず一つ目は、身長や体重、体質によりますが、血中アルコール濃度が0.10を超えると、翌日に二日酔いになるのは間違いないということ。
それからもう一つは、二日酔いの症状は飲酒後12〜14時間後にピークに達するということ。

血中アルコール濃度なんて測りようがないと思うかもしませんが、実は簡易的に測れるサイトがあります。

これによれば、あくまで概算ではあるものの例えば体重60kgの場合、350mlの缶ビール3本で血中アルコール濃度は0.10を超える。
たったそれだけ?と思うところですが、確かにその程度でも「ちょっとだけダルいかも」などわずかながらも二日酔いの症状はあるかもしれません。

ちなみに、症状のピーク時には血中アルコール濃度はすでにゼロに近い数値になっているらしく、つまり二日酔いのピーク時にはすでにアルコールは抜けているということです。

二日酔いの原因として疑わしいもの

なぜ二日酔いが起きるのか?何によって二日酔いは引き起こされているのか?
これについては、前述のようにはっきりとわかっていません。
その原因について様々なことが言われていますが、どれも証明されたものではないようです。

念のため、一般的に二日酔いの”原因とされているもの”について、見てみましょう。

脱水状態を連想させる砂漠

脱水状態やアセトアルデヒドなどが言われているが…

アセトアルデヒド

アセトアルデヒドは、二日酔いの原因の筆頭とも言えるほどよく挙げられるもの。

アセトアルデヒドとは、アルコールが分解される際に生じる毒性のある副産物。
本来アセトアルデヒドはさらに分解され、無害な炭酸ガスと水に変化するのですが、飲みすぎたりうまく分解されないと、頭痛や吐き気などおなじみの悪酔いの症状をもたらします。(残念なことにアジア人の約半数はこの分解力が弱い。つまりお酒が弱いということ)

当日の酔いに関しては、この厄介者が悪さをしているのは間違いないようですが、二日酔いとなると事情が異なるようです。
なぜなら、二日酔いのピーク時、実はアセトアルデヒドの数値は低いのです。
つまるところ、二日酔いとアセトアルデヒドの相関は見られず、原因とは言い難いということ。
どうりで二日酔いになってから肝機能系の薬を飲んでも治らないわけです。

ただ強いていうなら、アセトアルデヒドは蒸発しやすいため的確に調べるのが難しいともされています。
とはいえこれを原因とするのは早計でしょう。

脱水状態

脱水状態。これもアセトアルデヒドと並んでよく言われるもので、二日酔いの原因の二枚看板といったところ。

アルコールは揮発性が高く、さらに抗利尿ホルモンであるパソブレシンの作用を抑制するため、飲んでも飲んでも水分はどんどん放出されていきます。
さらに、よほど気をつけている人でない限り、お酒を飲んでいるときは他の水分を摂らなくなります。
よって、脱水状態に陥りやすくなるのです。

しかしながら二日酔いの時、脱水状態の指標である電解質の濃度は基準値とさほど変わらず、さらに言うと二日酔いの程度とは相関性がないとのこと。
つまり、お酒を飲むことで脱水状態にはなるが、だからといってこれが二日酔いの原因とは言えないということです。

どうりで二日酔いになってからたくさん水分を摂っても症状が改善しないわけです。

低血糖

あまり一般的には言われていませんが、低血糖状態が引き起こす代謝性酸血症も、二日酔いの原因となりうるかもしれません。

代謝性酸血症とは、本来弱アルカリ性であるはずの血液が酸性に傾くことで起こり、二日酔いに似た症状が現れます。
これは、脱水状態になることで血中のブドウ糖値が低下し、それを埋め合わせるために脂肪酸やケトン体、乳酸が増加することで起きる、というもの。

しかし実際のところ、低血糖と二日酔いに相関性は見られるものの、だからといって血糖値をあげても二日酔いは良くならない。というよりそれを証明できたことはないということです。
もし低血糖状態が二日酔いの原因ならば、ブドウ糖や果糖を摂取することで治りそうなものですが、残念ながらそうはなりません

コンジナーが多いお酒は二日酔いを起こしやすい?

二日酔いの原因とまではいかないものの、コンジナーも二日酔いと深い関係がありそうです。

コンジナーとは、お酒に含まれるアルコールと水以外の物質、要するに不純物のこと
このコンジナーの量が多いお酒は、二日酔いを誘発しやすいのではないかというわけです。
(不純物というと聞こえは悪いが、コンジナーは香味・風味の役割も果たしている)

コンジナーが多いお酒って?
そう思うところですが、基本的に透明ではない色づいたお酒にはコンジナーが多く含まれると思って良いでしょう。

赤ワインが注がれたグラス

赤ワインなど有色のお酒はコンジナーが多いとされている。

では例えば赤ワインやブランデーは二日酔いになりやすいのか?
酒類別に二日酔いの重症度をランク付けしたなんとも興味深い研究があり、これによれば一番二日酔いの症状がひどいのはブランデー。
重症度順に並べると、ブランデー、赤ワイン、ラム、ウイスキー、白ワイン、ジン、ウォッカとなっており、見るからにコンジナーが少ないいわゆるホワイトリカーの重症度は低く、その中でもウォッカが一番マシということになります。
(ただしこの研究は論文化はされていないのであくまで参考程度)

巷ではよくウォッカは二日酔いになりにくいと言われますが、これはどうやら信憑性が高いのかもしれません。
とはいえウォッカだと二日酔いにならないというわけではありません。
あくまで症状が”一番マシ”だというだけです。

悪夢のような二日酔いを振り返ってみると…

前述した二日酔いの重症度ランキングをうけて、本望ではないながらも自らの二日酔いの悪夢を振り返ってみると、あくまで筆者個人のケースですが、このランキングは納得がいくものです。

嫌々振り返ってみると、確かにこれまで悪夢のような二日酔いとなった前日には、赤ワインを用法・用量を間違えて服用していることが多い。
そしてランキングには含まれていないものの、コンジナーにまつわる話で有名な「アブサン」の存在もチラつく。
これは標本には含まれていないものの、もし含まれていればブランデーを上回る重症度であるのは間違いないでしょう。

その一方、筆者はジン好きでもあり、一夜に10杯以上飲むことも少なくないが、不思議と二日酔いの悪夢とはリンクしていない。(ジンを飲むシチュエーションが割とゆったり・しっぽり系(つまりいろんなお酒をバカみたいに飲んではいない)であることも関係しているかもしれないが)

と、このようにあくまで筆者個人の話ですが、コンジナー量が少ないお酒、つまりはホワイトリカーは悪夢のような二日酔いとの相関があまり見られず、前述した「二日酔い重症度ランキング」はおおかた正しいように思います

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まとめ

本記事で記したように、二日酔いの原因について巷では様々なことが言われていますが、これについては研究が進んでおらず詳しいことは何もわかっていないため、どれも正しいとは言えるレベルのものではないというのが現状。
疫学者ジョナサン・ハラウンドの言葉を再掲すると、結局のところ「何が二日酔いを起こすのかを誰も知らない」のです。

ただし、科学的ではないながらも、一つだけ明らかになっていることがあります。
それは、二日酔いの原因はそもそも「自己管理能力」にあるということ。
これがしっかり働いている人、もしくはしっかり働いている日は、そもそも飲み過ぎませんから二日酔いにはならないでしょう。(自戒の念も込めて)
腑には落ちないながらも、これが現状唯一明らかになっている二日酔いの原因、といったところです。

それをわきまえた上でお酒を嗜む模範的なお酒ラバーでありたいと思うところですが、まあ控えめに言っても二日酔いの消耗者である筆者としては、他力本願ながらも二日酔いの研究が進み原因究明されてほしいと思うところです。
原因がわからないことには、有効な対策ができませんから。

それではこの辺で。

【参考書籍】
酒の科学|白揚社 著アダム・ロジャース

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小針 真悟
著者:小針 真悟

LiquorPage運営者。様々な業態のバーテンダー経験からジンやウイスキー、日本酒や焼酎など幅広い知識を持つ。

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