瀬戸内海を挟み9県を擁する中国・四国地方。
今や日本を代表するジンブランドへと成長した広島の「SAKURAO GIN」を筆頭に、瀬戸内レモンなどの和柑橘をふんだんに使用したクラフトジンが多く造られており、今や15の同地方産ブランドが存在します。
というわけ今回は、2021年9月1日時点で買える全ての国産ジンブランドの中から、中国・四国地方で造られているクラフトジン(※)を都道府県別にピックアップ。 それぞれブランド別に特徴などをご紹介します。
気になるジンがあればぜひ試してみてください。
⇒【北海道・東北版】国産クラフトジン全ブランド一覧
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⇒【中部地方版】国産クラフトジン全ブランド一覧
⇒【大阪・京都・近畿版】国産クラフトジン全ブランド一覧
⇒【九州・沖縄版】国産クラフトジン全ブランド一覧
鳥取
因伯人(Impact)
1865年創業の境港市に蔵を構える日本酒の造り手・千代むすび酒造が、2019年夏に山陰地方初のクラフトジンとしてリリースした「因伯人(インパクト)」
同酒造は焼酎も手がけており、その米焼酎をベースにしたジンです。
ボタニカルとして八朔(はっさく)やゆず、橙など和柑橘も用いながら、ウッディで森のような香りを持つ日本の伝統的な香木・クロモジも使用。米焼酎由来のまろやかさも感じさせるジンで、同じシリーズのウォッカもリリースされています。
造り手 | 千代むすび酒造(鳥取・境港市) |
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主なボタニカル | ゆず、八朔、クロモジなど |
度数/容量 | 47%/720ml |
値段 | 3,080円(税込) |
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BLUE BIRD
鳥取の農産物を使った加工品などを手がけるアグリネット琴浦社が企画・販売し、千代むすび酒造が製造する「BLUE BIRD」
コロナ禍で影響を受ける農産物を有効活用するべく企画されたジンで、同社が主軸として扱うブルーベリーや地元の名産品である二十世紀梨などを使用。「鳥取青松」と「鳥取白砂」の2銘柄がリリースされており「鳥取青松」は、地元で採れたバラフライピーによって青く色づいているのが特徴的です。
なお、ブランド名の「BLUE BIRD」は、幸せを運んでくれる青い鳥にちなんでいます。
※下記は「鳥取青松」の情報
造り手 | 千代むすび酒造(鳥取・境港市)/企画:アグリネット琴浦 |
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主なボタニカル | ブルーベリー、二十世紀梨、バタフライピーなど |
度数/容量 | 40%/720ml |
値段 | 6,000円(税込) |
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白兎-HAKUTO-
「倉吉」や「松井」といったウイスキーも手がける松井酒造が、2019年秋にリリースしたクラフトジン「白兎-HAKUTO-」
ウイスキーと同じく松井蒸溜所で造られるジンは、鳥取の名産品である梨を軸に、ゆずや山椒、玉露、桜などの和素材を含む9種類のボタニカルを使用。上位版にあたる「白兎プレミアム」も展開されており、こちらのボトルには合計14種類のボタニカルが使用されています。
なお「白兎」というブランド名は、地元に伝わる縁結びの神話「因幡の白兎」にちなんでおり、飲み手と造り手の縁を結ぶという思いが込められています。
※下記は「白兎-HAKUTO-」の情報
造り手 | 松井酒造(鳥取・倉吉市) |
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主なボタニカル | 梨、ゆず、山椒など |
度数/容量 | 40%/700ml |
値段 | 1,496円(税込) |
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島根
森恩(しんおん)
山口の県境に位置する山と海に囲まれた益田市で、日本酒・焼酎を軸とした酒造りに励む岡田屋本店が手がけるクラフトジンです。
麦焼酎をベースに、クロモジ焼酎なども手がける造り手らしく、地元の生産者から仕入れたクロモジの枝をボタニカルの軸とし、ヒノキやゆずも使用。2021年5月にリリースされたばかりのブランドです。
「森恩」という名は、島根の森の豊かな恵みに感謝する思いが込められています。
造り手 | 岡田屋本店(島根・益田市) |
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主なボタニカル | クロモジ、ゆず、ヒノキなど |
度数/容量 | 47%/500ml |
値段 | 3,300円(税込) |
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岡山
岡山
クラフトビール「独歩」を手がけることでも有名な、岡山の宮下酒造が2016年秋にリリースした国産クラフトジンのパイオニア的ブランドの一つであり、日本初のオーク樽熟成のジン「岡山」
米焼酎由来のスピリッツをベースに、ジンの王道ボタニカルのほか、ビールやウイスキーも手がける造り手らしくホップとモルトも使用。仕上げに焼酎に使用した樽で熟成させており、樽由来のウッディな香味が特徴的です。
造り手 | 宮下酒造(岡山市) |
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主なボタニカル | レモン、ホップ、ピオーネの皮など |
度数/容量 | 50%/500ml |
値段 | 5,500円(税込) |
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The Inland Sea
2018年にリリースされたジンで、whjapan社の企画のもと、宮下酒造の岡山蒸溜所で造られています。
その名は、明治ごろに欧米人が瀬戸内海のことを「The Inland Sea」と呼んでいたことにちなんでおり、名前のとおり瀬戸内産のボタニカルをメインに使ったクラフトジンです。
愛媛産レモン、岡山産のパクチーやクロモジ、ブドウ、茶のほか、徳島の昆布といった海の幸も使用されています。
造り手 | 宮下酒造(岡山市) |
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主なボタニカル | 愛媛産レモン、広島産山椒、岡山産パクチーなど |
度数/容量 | 46%/700ml |
値段 | 5,060円(税込) |
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広島
SAKURAO GIN
中国地方最大の酒類メーカー・サクラオブルワリーアンドディスティラリー社が、2017年に新設した蒸溜所で造られる「SAKURAO GIN」
“ジンをとおして広島のことを知ってほしい”という思いのもと、レモンやオレンジ、ヒノキ、緑茶など広島産のボタニカルを軸に使用した「ORIGINAL」の他、全て広島の素材で造られる上位版にあたる「LIMITED」の2銘柄が流通しています。
ジンの伝統的スタイルであるロンドンドライジンの製法で造られており、洋と和のエッセンスが溶け込みながらジンとしてのバランスにも長けた味わいが特徴的。世界的に評価が高い国産クラフトジンです。
※下記は「ORIGINAL」の情報
造り手 | SAKURAO DISTILLERY(広島・廿日市市) |
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主なボタニカル | 広島産レモン、広島産ゆず、広島産緑茶など |
度数/容量 | 47%/700ml |
値段 | 2,310円(税込) |
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クラフトジン瀬戸内
日本酒「千福」や、レモンリキュールなどを手がけてきた呉市の三宅本店が、2021年9月にリリースしたばかりの「クラフトジン瀬戸内」
“瀬戸内の魅力を世界に伝えるジン”をコンセプトに、ジュニパーベリーと緑茶、そしてレモンといった3種類のボタニカルを使用したジンで、特にレモンのフレーバーをしっかり感じられるように造られています。
700mlで2,200円と、国産ジンの中ではリーズナブルであることも特徴的です。
造り手 | 三宅本店(広島・呉市) |
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主なボタニカル | レモン、緑茶、ジュニパーベリー |
度数/容量 | 47%/700ml |
値段 | 2,200円(税込) |
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山口
青舞(オーブ)
2019年に創業したNeo Blue Distilleryで造られるクラフトジン「青舞」
オランダでジンの蒸溜について学んだ創業者が手がけるジンで、地元である長門市油谷で無農薬栽培されたハーブをボタニカルの軸として使用。ラベンダー、レモングラス、ローズマリー、バラなど合計38種類ものボタニカルの香りが閉じ込められています。
ジンとしては珍しく柑橘類を使っていないのも特徴的で、それらの素材や(柑橘も使われている飲料である)トニックウォーターなどとともに楽しんでほしいという思いが込められています。
造り手 | Neo Blue Distillery(山口・長門市) |
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主なボタニカル | バラ、ラベンダー、レモングラスなど |
度数/容量 | 40%/700ml |
値段 | 10,000円(税込) |
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YUYA
Neo Blue Distilleryで造られるごく少量生産のプレミアムジン「YUYA」
ジンの一般的な製法である、瓶詰め前の加水による度数調整をあえて行わない仕様のジンで、66%と高い度数が特徴的です。
ボタニカルには、バラを軸にラベンダーやレモングラスなど長門市油谷産のオーガニックハーブを15種類使用。度数が高いジンはボタニカルの香りも強い傾向にある中で「YUYA」は、バラの香りが印象的とされています。
造り手 | Neo Blue Distillery(山口・長門市)/販売:ワインライフ |
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主なボタニカル | バラ、ラベンダー、レモングラスなど |
度数/容量 | 66%/700ml |
値段 | 15,000円(税込) |
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徳島
AWA GIN
「すだち酎」などを手がけることで知られる徳島の日新酒類が2018年にリリースした「AWA GIN」
その定番ボトルはすだち、木頭ゆず、阿波晩茶、山椒の4種類を使用したボタニカルスピリッツにあたる製品ですが「クリアボトル」は(ジンに必須の素材である)ジュニパーベリーも使用したジンとして展開されています。
ベースには山田錦(酒米)が原料のライススピリッツを使用しており、和柑橘と阿波晩茶の甘さを伴う上品な香りとまろやかな味わいが特徴です。
造り手 | 日新酒類(徳島・上板町) |
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主なボタニカル | すだち、ゆず、阿波晩茶など |
度数/容量 | 45%/700ml |
値段 | 5,500円(税込) |
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香川
夕凪GIN
350年以上の歴史を持つ香川の老舗酒類メーカー・西野金陵酒造が、2021年に同県初のクラフトジンとしてリリースした「夕凪GIN」
地元の酒米を使った米焼酎をベースに、ジンの伝統的なボタニカルのほか、瀬戸内産のオリーブや、山椒、生姜、柚子など合計10種類のボタニカルを用い、香りを抽出しています。
“凪のような穏やかな気持ちで、心地よく酔いしれてほしい”という思いのもと「夕凪」という名が付けられています。
造り手 | 西野金陵酒造(香川・琴平町) |
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主なボタニカル | オリーブ、ゆず、山椒など |
度数/容量 | 40%/500ml |
値段 | 3,850円(税込) |
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愛媛
道後ジン
愛媛の県庁所在地・松山市で日本酒・焼酎やクラフトビールを手がける水口酒造が、2019年夏にリリースしたクラフトジンです。
自社の大吟醸酒の酒粕を使った粕取焼酎をベースにしながら、地元の名産品・せとかや紅まどんな、それにゆずやレモンなど愛媛らしく柑橘類をふんだんに使用。そのほかにも七折小梅や新宮茶、ヒノキなど地元の素材をボタニカルとして用いています。
柑橘主体の爽やかな香りが特徴的なジンです。
造り手 | 水口酒造(愛媛・松山市) |
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主なボタニカル | せとか、紅まどんな、ゆずなど |
度数/容量 | 40%/500ml |
値段 | 5,280円(税込) |
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PACHI PACHI
海沿いのまち・新居浜市で日本酒などを手がける近藤酒造が、2019年夏にリリースした「PACHI PACHI」
みかんの一大産地として知られる愛媛のジンらしく“真穴みかん”の果実・花・新芽を軸に、青みかんや橘など柑橘主体の8種類のボタニカルを使用。それらのボタニカルは、個々の特性を活かすべくそれぞれ個別に蒸溜し、ブレンドによって仕上げています。
和柑橘由来の甘やかでフレッシュな香りがメインとなるジャパニーズジンらしい一本です。
造り手 | 近藤酒造(愛媛・新居浜市) |
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主なボタニカル | 真穴みかん、青みかん、橘など |
度数/容量 | 48%/720ml |
値段 | 5,500円(税込) |
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キャンプGin
新居浜市のアウトドアショップ・アーベントイアーが企画し「PACHI PACHI」の製造元である、同じく新居浜市の近藤酒造が手がけるクラフトジンです。
“キャンプの二日酔い問題を解決したい”と、アーベントイアーが近藤酒造に相談したことから始まった企画で、様々な飲み方で度数を下げながら楽しめることからジンを製造。青みかんやみかんのほか、キンモクセイもボタニカルとして使われています。
造り手 | 近藤酒造(愛媛・新居浜市)/企画:アーベントイアー |
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主なボタニカル | みかん、青みかん、キンモクセイなど |
度数/容量 | 44%/200ml |
値段 | 2,200円(税込) |
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高知
今のところ高知産のクラフトジンは誕生していません。
今後に期待しましょう。
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