【大阪・京都・近畿版】国産クラフトジン全ブランド一覧 〜 15ブランドの特徴を紹介

【大阪・京都・近畿版】国産クラフトジン全ブランド一覧 〜 15ブランドの特徴を紹介

世界に羽ばたくクラフトジンへと成長した「季の美」と「ROKU」は、どちらも近畿地方の府県を産地とするブランドなのはご存じですか?
その近畿地方では、両ブランドを含め15のクラフトジンブランドが造られているんです。

というわけ今回は、2021年9月1日時点で買える全ての国産ジンブランドの中から、近畿地方で造られているクラフトジン(※)を都道府県別にピックアップ。
それぞれブランド別に特徴などをご紹介します。

気になるジンがあればぜひ試してみてください。

※一般的に“クラフトジン”とみなされることがあるジンをピックアップしています



大阪

ROKU

ROKU
サントリー社が手がけるクラフトジン「ROKU」は、実は同社の大阪工場で造られています。
2017年の発売以降、今や世界的に知られるジンブランドへと成長している「ROKU」は、旬の時期に収穫した6つの和のボタニカルを使用しているのが特徴。素材の香りを活かすべく、それぞれ個別に4タイプの蒸溜器を使い分けながら原酒を造り、同社の強みでもあるブレンドの技術で仕上げています。
ゆずや桜などの和素材が複雑に香る繊細な味わいのジンで、少し薄めのソーダ割りは和食とともに楽しめます。

造り手 サントリースピリッツ大阪工場(大阪市)
主なボタニカル ゆず、桜の花、生姜など
度数/容量 47%/700ml
値段 4,400円(税込)

翠(SUI)

翠
サントリー社が手がける「ROKU」のリーズナブル版にあたるのが「翠」です。
ジュニパーベリーを含む伝統的なジンのボタニカル8種類を蒸溜した原酒をベースに、ゆず、緑茶、生姜といった3つの和素材の原酒をブレンド。ゆずを中心に和のテイストが優しく香る、日本の食事に寄り添う味わいのジンです。
今、日本で最も売れているジンの一つです。

造り手 サントリースピリッツ大阪工場(大阪市)
主なボタニカル ゆず、緑茶、生姜など
度数/容量 40%/700ml
値段 1,518円(税込)

京都

季の美

季の美
日本初のジン専門の蒸溜所として2015年に創業した京都蒸溜所で造られる、日本のクラフトジンのパイオニアともされる「季の美」
“京都であること”にこだわり、米のスピリッツをベースに、京都産のゆずや玉露、山椒、生姜など和のボタニカルを使用。度数調整の際の水には伏見の名水を使用し、ラベルには1624年創業の京都の唐紙屋、雲母唐長のデザインが施されています。
今や世界でも有数のクラフトジンブランドであり、水割りやお湯割りでも楽しめる奥ゆかしいエレガントな和の香りと、ジンとしてのバランスの良さが特徴です。

造り手 京都蒸溜所(京都市)
主なボタニカル ゆず、玉露、山椒など
度数/容量 45%/700ml
値段 4,500円前後

千の鈴

千の鈴
多くの洋酒愛好家から支持される酒販店、信濃屋食品が企画し、京都蒸溜所で造られたオリジナルジンです。
「美味しいジン&トニックを提供したい」という思いから、都内のバーとスピリッツバイヤーが手を取り合って製造したジンは「季の美」のボタニカルに加え、ジンの王道ボタニカルであるコリアンダーとアンジェリカも使用。限定ボトルであり、すでに完売となっていますが、バーなどでは稀に見かけることもあります。

造り手 京都蒸溜所(京都市)/企画:信濃屋食品
主なボタニカル ゆず、コリアンダー、アンジェリカなど
度数/容量 47%/700ml
値段 完売商品

花物語

花物語
日本酒の名産地である京都・伏見に拠点をおく大手日本酒メーカー、黄桜が2021年にリリースしたクラフトジンが「花物語」です。
社名の由来ともなっている黄桜の花と葉や、宇治の老舗茶問屋・北川半兵衞商店の抹茶など、自社や地元にちなんだ素材を中心とした9種類のボタニカルを使用。それらは素材の特性ごとに2つのグループに分けて蒸溜され、ブレンドによって仕上げられています。
ブランド名にもあるように、特に黄桜の花はふんだんに使っているとされています。

造り手 黄桜(京都市)
主なボタニカル 黄桜、ゆず、抹茶など
度数/容量 47%/700ml
値段 3,500円(税込)

神楽南蛮クラフトジン湯沢

神楽南蛮クラフトジン湯沢
新潟・越後湯沢交流事業推進協議会の地域おこし協力隊のメンバーが企画し、京都のクラフトリキュールの造り手が製造したクラフトジンです。
江戸時代に南蛮から伝わり、20年ほど前から長岡野菜として栽培されている唐辛子の一種、かぐら南蛮。地元の農家が手がけるかぐら南蛮をボタニカルとして使用しています。
少量の砂糖が加えられた、アルコール度数も低めのリキュールスタイルのジンです。

造り手 フルーツリキュールフリークス(京都市)/企画:インレットファーム
主なボタニカル かぐら南蛮など
度数/容量 34%/500ml
値段 3,300円(税込)

兵庫

小鼓 モンテオエステ ジン

小鼓 モンテオエステ ジン
丹波の地で日本酒や焼酎、ブランデーなどを手がけてきた西山酒造場が、2019年に兵庫初のクラフトジンとしてリリースしたブランドです。
やわらかな甘みを引き出すべく、自社の日本酒・小鼓を蒸溜したスピリッツをベースに用い、黒豆の名産地である丹波のジンらしく、黒豆茶や有機なた豆茶をボタニカルとして使用。そのほかブルーベリーや酒粕なども使用したユニークなジンです。

造り手 西山酒造場(兵庫・丹波市)
主なボタニカル ブルーベリー、黒豆茶、有機なた豆茶など
度数/容量 40%/720ml
値段 5,500円(税込)

兵庫美人

西日本きっての温泉地である有馬の中でも、800年の歴史を持つ有馬最古の宿・陶泉 御所坊が企画し、西山酒造場が製造した限定クラフトジンです。
神戸ワインを蒸溜したスピリッツをベースに、兵庫県が但馬、丹波、播磨、摂津、淡路の5つの国から成っていることに準え、それぞれの名産品を使用。但馬のわさび、丹波のブルーベリー、播磨のゆず、摂津の山椒、淡路のオレンジが使用されています。

造り手 西山酒造場(兵庫・丹波市)/企画:御所坊
主なボタニカル わさび、ブルーベリー、ゆずなど
度数/容量 40%/720ml
値段

東経135度兵庫ドライジン

東経135度兵庫ドライジン
“時のまち”とも呼ばれる明石で日本酒造りを行う明石酒類が創設した、ウイスキーなどを手がける海峡蒸溜所で造られるクラフトジンです。
その名は明石の経度にちなんだ、ロンドンドライジンの伝統と日本の文化を融合させたジンで、アンジェリカやコリアンダーなどの伝統的なボタニカルのほか、紫蘇、ゆず、煎茶、梅といった和素材もボタニカルとして使用。さらに純米酒を蒸溜したスピリッツも少量加えられています。
今現在、海外での販売のみですが、今後日本でも販売される予定とのことです。

造り手 海峡蒸溜所(兵庫・明石市)
主なボタニカル 紫蘇、ゆず、煎茶など
度数/容量 42%/700ml
値段 日本未発売

奈良

橘花KIKKA GIN

橘花KIKKA GIN
大人気日本酒ブランド「風の森」を手がける1719年創業の老舗酒蔵・油長酒造が、2018年に新設した大和蒸溜所で造られる「橘花KIKKA GIN」
日本の生薬発祥の地とされる奈良において、古来より薬草として重宝されてきた大和当帰(アンジェリカの一種)の葉と、2000年もの歴史を有する日本最古の柑橘とされる大和橘をボタニカルとして使用した古都の歴史を感じさせるクラフトジンです。
アルコール度数が高く、橘のエレガントで甘やかな柑橘香が強く香るのが特徴です。

造り手 大和蒸溜所(奈良・御所市)
主なボタニカル ジュニパーベリー、大和橘、大和当帰
度数/容量 59%/700ml
値段 5,500円(税込)

三重

伊勢神(ISEGIN)

伊勢神(ISEGIN)
伊勢神宮の近くに内宮前酒造場を構えるなど、伊勢市で日本酒や焼酎などを手がける伊勢萬社が手がけるクラフトジンが「伊勢神」です。
トウモロコシ由来のスピリッツをベースに、地元伊勢志摩地方の豊かな自然が育んだあおさや伊勢茶、三つ葉を軸に、ゆずや梅、生姜などの国産ボタニカルを使用しています。
柑橘の香りを中心に程よくほうじ茶の香ばしさも感じられる味わいです。

造り手 伊勢萬(三重・伊勢市)
主なボタニカル あおさ、伊勢茶(ほうじ茶)、みつ葉など
度数/容量 47%/700ml
値段 4,600円(税込)

滋賀

今のところ滋賀産のクラフトジンは誕生していません。
今後に期待しましょう。

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和歌山

槙-KOZUE-

槙-KOZUE-
梅酒や日本酒の製造で全国的に有名な中野BCが、2017年にリリースした「槙 -KOZUE-」
長年の梅酒造りで培った漬け込みの技術を活かしながら、地元の名産である温州ミカンやレモン、山椒に加え、高野山に多く自生する高野槙(こうやまき)の葉をボタニカルとして使用しています。
ミカンの優しい柑橘香がほんのり香りながら高野槙のグリーンなフレーバーが広がる、和歌山初のクラフトジンです。

造り手 中野BC(和歌山・海南市)
主なボタニカル 高野槙、温州ミカン、山椒など
度数/容量 47%/700ml
値段 2,970円(税込)

香立 -KODACHI-

香立 -KODACHI-
中野BCが、2019年にリリースした新たなクラフトジンブランドが「香立 -KODACHI-」です。
「槙 -KOZUE-」とは異なるウッディなフレーバーを特徴としたジンで、地元紀州の材木として有名な紀州スギと紀州ヒノキをボタニカルのキーとして使用。スギとヒノキによるウッディで落ち着きのある香りと味わいが広がります。
その名は世界遺産の熊野古道に生える美しい木々=木立(こだち)にちなんでいます。

造り手 中野BC(和歌山・海南市)
主なボタニカル 紀州スギ、紀州ヒノキ、温州ミカンなど
度数/容量 47%/700ml
値段 2,970円(税込)

熊野

熊野
梅酒や梅ドリンクを手がけてきたプラム食品社が、2019年に新設した紀州熊野蒸溜所にて造られるクラフトジンです。
ジン初心者にも飲みやすいフルーティーな味わいに仕上げるべく、地元和歌山の名産品である南高梅や温州ミカン、ゆず、すだちなど合計19種類ものボタニカルによって生み出されています。
53%とアルコール度数が高いのも特徴で、様々な飲み方で楽しめるようになっています。

造り手 紀州熊野蒸溜所(和歌山・上富田町)
主なボタニカル 南高梅、温州ミカン、ぶどう山椒など
度数/容量 53%/500ml
値段 5,500円(税込)

SAKAKI GIN (榊ジン)

SAKAKI GIN (榊ジン)
「熊野」を手がける紀州熊野蒸溜所で造られる、その名のとおりサカキを使用したジンシリーズです。
神事に用いられる植物であり、神の世界と人の世界の境に立つ木とされるサカキですが、実は和歌山は日本一の生産量を誇ります。
緑茶よりも濃厚な緑の香りを持つとされるサカキを活かしながら「XV」では、南高梅、温州ミカンなど15種類のボタニカルが使用されています。
現在「XV」のほか「XIX」と「XXV」の3銘柄が展開されています。

※下記は「XV」の情報

造り手 紀州熊野蒸溜所(和歌山・上富田町)
主なボタニカル サカキ、南高梅、温州ミカンなど
度数/容量 38%/500ml
値段 3,850円(税込)



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著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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