世界的なウイスキーブームの中で、スコットランドで造られる「スコッチ」は、存在感を強めています。
数あるウイスキーカテゴリーの中でも、とりわけ膨大な数のブランドが流通していますが、世界では一体どのスコッチが人気なのでしょうか?
ということで今回は、イギリスのDrinks Internationalが世界のトップバー100店舗から集計した、2021年版のスコッチウイスキーのセールスランキングTOP10(※)をご紹介!各ブランド、特徴など簡単に情報を添えてご紹介します。
ぜひ、今後スコッチを選ぶ際の参考にしてください。
※データ元は、Drinks Internationalが毎年リリースする「Annual Brands Report」内で発表される「Best Selling Brands」のスコッチ版です。 2021年版は世界33カ国のバー100店舗を対象に調査。「The World’s 50 Best Bars」など世界的なアワードを受賞しているトップバーを対象とし、各店の売れ筋スコッチを集計してランキング化させたものです。
【スコッチカテゴリー】についての解説
シングルモルト:一つの蒸溜所で造られた大麦麦芽100%の“モルトウイスキー”のみを瓶詰めしたもの(グレーンウイスキーや他の蒸溜所のウイスキーをブレンドしないもの)
ブレンデッドモルト:複数の蒸溜所で造られたモルトウイスキーをブレンドして瓶詰めしたもの
ブレンデッドウイスキー:モルトウイスキーと、とうもろこしやライ麦などの穀物から造られる“グレーンウイスキー”をブレンドしたもの
10位 アードベッグ
【スコッチカテゴリー:シングルモルト】
まず10位にランクインしたのは、“スコッチの聖地”ともされるアイラ島で造られるシングルモルトウイスキー「アードベッグ」。
シングルモルトは、一つの蒸溜所のみの原酒から造られるため、ブランドごとの個性が強い傾向にあるのですが、その中でもアイラ島のシングルモルトは、強烈なスモーキーフレーバーや海を感じさせる独特の香味を特徴したものがほとんど。好き嫌いが分かれがちですが、それゆえ熱狂的ファンも多い傾向にあります。
そんなアイラ島のスコッチの中でも、「アードベッグ」は、全ウイスキーの中でも最強クラスのスモーキーフレーバーが特徴。その深みも感じさせる味わいが人気を呼び、とりわけ熱狂的なファンが多いことでも知られています。
⇒熱狂的ファンを持つスモーキーウイスキー「アードベッグ」の特徴を簡単にご紹介!
9位 グレンフィディック
【スコッチカテゴリー:シングルモルト】
日本でも広く知られる人気のシングルモルトスコッチ「グレンフィディック」が9位に。日本産なども含めたシングルモルトカテゴリーの中では、世界の全市場においてNo.1の売り上げを誇ります。(※2019年実績、Drinks Internationalより)
世界のトップバー100店舗から調査した当ランキングでは、他のシングルモルトスコッチに上を譲る形となりましたが、それでも毎年TOP10にランクインしており、人気ブランドであることに変わりはありません。
その爽やかで程よくフルーティーな味わいは飲み手を選ばない傾向にあり、比較的リーズナブルな価格も相まって、入門用シングルモルトとしても人気が高いスコッチです。
⇒世界のウイスキー売上ランキングTOP30【2020版】
8位 タリスカー
【スコッチカテゴリー:シングルモルト】
スコットランド北部にある風光明媚な島、スカイ島で唯一造られるシングルモルトスコッチ「タリスカー」が4位に。
アイラ島のスコッチにも通ずるスモーキーさに加え、何より強烈なスパイシーさを持つことで知られる個性派ブランドです。しかし、ただスパイシーなだけでなく、複雑さと力強さをあわせ持つ、バランスにも長けた味わいは、ビギナーからベテランのスコッチファンまで幅広く人気を集める秘訣といえるでしょう。
日本でも熱狂的なファンが多いブランドの一つです。
7位 ラフロイグ
【スコッチカテゴリー:シングルモルト】
7位には、“アイラの王”とも呼ばれ、チャールズ皇太子の愛飲ブランドとしても知られる、アイラ島のシングルモルト「ラフロイグ」がランクイン。
「ラフロイグ」といえば、アイラらしいスモーキーさが強いだけではなく、ヨード香と呼ばれる薬品のような強烈な香りを発することから、好き嫌いがはっきり分かれるスコッチだとされています。
昨年は当ランキングで2位だったため、大きく後退してしまいましたが、数あるシングルモルトの中でも、日本のバーシーンにも広く普及しているブランドであり、依然として根強い人気を誇ります。
⇒愛せよ、さもなくば憎めよ…熱狂的なファンを持つウイスキー「ラフロイグ」の特徴と魅力
6位 シーバスリーガル
【スコッチカテゴリー:ブレンデッドウイスキー】
7位までは全てシングルモルトでしたが、ここでようやくブレンデッドスコッチがランクイン。「シーバスリーガル」が昨年に続き6位となりました。
様々なタイプのモルトウイスキーの他に、グレーンウイスキーもブレンドして造られるブレンデッドウイスキーは、個性面ではシングルモルトに劣る分、優しい口当たりのものが多く、飲み手を選ばない傾向にあります。
その中でも「シーバスリーガル」は、そのフルーティーな味わいから日本でもとても人気のスコッチ。12年や18年の他、日本限定でミズナラ12年が展開されています。
5位 ザ・バルヴェニー
【スコッチカテゴリー:シングルモルト】
スコッチ最大の産地ともされるスペイサイドで造られるシングルモルト「ザ・バルヴェニー」が、熱狂的なファンを有するアイラ島のスコッチを抑え5位に!
スペイサイド産のスコッチはアイラ島のそれとは対照的に、華やかでバランスに優れたブランドが多いのが特徴。そんなスペイサイドらしさ溢れるブランドが「ザ・バルヴェニー」です。
9位の「グレンフィディック」とは、創業者が同じ兄弟ブランドにあたり、その蒸溜所は隣り合わせ。「グレンフィディック」が万人ウケする味わいであるのに対し、「ザ・バルヴェニー」は中-上級者も唸る、しっかり厚みのある味わいを特徴としています。
なお、現在日本では12年、14年、17年が正規展開されています。
4位 デュワーズ
【スコッチカテゴリー:ブレンデッドウイスキー】
日本でもよく知られるブレンデッドスコッチ「デュワーズ」が4位にランクイン。
その口当たりの良さから世界トップクラスの売り上げ数を誇るブランドで、年間300万ケースもの売り上げを記録しています(※2019実績、Drinks Internationalより)。ブランドの発表によれば「バーテンダー支持NO.1ウイスキー」ともされ、それゆえバーカルチャーと融合させたイベントもしばしば行われています。
リーズナブルな価格帯であることや、飲みやすいともされるバランスの良い味わいから、カクテルのベースとしてもかなり人気。だからこそこのランキングでも上位につけているのでしょう。
⇒ハイボールの起源とされるスコッチ「デュワーズ」はなぜ若い世代に人気?
3位 ザ・マッカラン
【スコッチカテゴリー:シングルモルト】
数あるシングルモルトの中でも、格式が高いとされ、近年は品薄になるほど世界中で人気を博す「ザ・マッカラン」がTOP3にランクイン。シングルモルトとしては最高位となりました。
スペイサイド地方のほぼ中心に蒸溜所を構え、2017年にモダンな巨大蒸溜所を新設したことで大きな話題となりました。
そんな「ザ・マッカラン」は、シェリー樽熟成によるドライフルーツのような濃厚で甘美なフレーバーが特徴。その独自の味わいと、ラグジュアリーなブランドイメージが人気の秘訣でもあります。
比較的で高価ながらも、日本はもちろん世界中で憧れのスコッチとして地位を確立させています。
2位 モンキーショルダー
【スコッチカテゴリー:ブレンデッドモルト】
並み居る有名なスコッチブランドを抑え「モンキーショルダー」が2位に!複数の蒸溜所のモルトウイスキーを使用して造られるブレンデッドモルトとしては唯一のランクインとなりました。
9位の「グレンフィディック」と5位の「ザ・バルヴェニー」と同じ会社が製造するスコッチで、これらの蒸溜所のモルトウイスキーもブレンドして造られています。
ランクインした他のスコッチと比較すると、日本での知名度はまだ道半ばですが、バーシーンにおいては高い人気と知名度を誇ります。
柑橘やバニラのような甘い香りが程よく、シングルモルトよりは広く受けいれられる優しい口当たりながらも、ブレンデッドスコッチより芳醇なフレーバーを有することから、カクテルのベースとしてもピッタリなのです。
だからこそカクテルをメインとするバーでも、高い人気を誇るのでしょう。
1位 ジョニーウォーカー
【スコッチカテゴリー:ブレンデッドウイスキー】
栄えある1位に輝き、世界のバーで最も人気のスコッチを称号を得たのは「ジョニーウォーカー」!きっとこちらのスコッチが大人気であることは、日本でも多くの方がご存じでしょう。
レッドラベルやブラックラベルなど、色分けされたシリーズで展開される「ジョニーウォーカー」は、一般販売も含めて世界一の売上を誇るスコッチとしても知られています。
日本では特にブラックラベル、通称“ジョニ黒”が人気。上品で飲み手を選ばない味わいながらも、ほのかにスモーキーさも効いており、その絶妙なバランスから、オンザロックやハイボールなど、様々な飲み方で楽しむことができ、家飲み用としても人気のスコッチです。
カクテルのベースとして用いられることも多く、だからこそバーでも絶大な人気を誇るのです。
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