2021版・世界のバーで人気の“ジンカクテル”ランキングTop13 – 1位はやはり“あの”カクテル!

2021版・世界のバーで人気の“ジンカクテル”ランキングTop13 - 1位はやはり“あの”カクテル!

マティーニやネグローニなど、数えきれないほどジンのカクテルがある中で、世界のバーではどのカクテルが人気なのでしょうか?

今回は、毎年イギリスのDrinks Internationalが発表する、世界のバーにおける人気カクテルランキング「The World’s Bestselling Classics(※)」の2021年版にて、TOP50に選出されたカクテルの中からジンベースのカクテルのみを抽出。合計13種に及んだジンカクテルを下位から順に、レシピと特徴を添えてご紹介していきます。

ぜひとも気になったカクテルは、バーで試してみたり、はたまたおうちカクテルとして自分で作ってみてください。

※「The World’s Bestselling Classics」は、Drinks Internationalの「Annual Brands Report」内で発表。
今年は世界33カ国のバー100店舗を対象に調査。「The World’s 50 Best Bars」など世界的なアワードを受賞しているトップバーを対象とし、各店の売れ筋カクテルを集計してランキング化させたものです。

13位 ジンジンミュール

ジンジンミュール

[ロングカクテル / 度数:中(10〜25% ※目安) / シェイク]
レシピ:ジン60ml、ライムジュース15ml、シュガーシロップ7.5ml、ジンジャービア適量、ミントの葉

まず最初にランクインしたのは「ジンジンミュール」。カクテル全種のランキングでは48位にランクインしています。
日本では知名度が高くはないこちらのカクテルは、2000年にニューヨークで誕生した比較的新しいカクテルで、大人気ウォッカカクテルのモスコーミュールをジン版としてアレンジしたものです。
ジンバックとも似ていますが、ジンジンミュールは、基本的にジンジャーエールではなくジンジャービア(より生姜が強く感じられる炭酸飲料)を使い、ガーニッシュ(付け合わせ)としてミントの葉を用いるレシピが多いようです。

12位 ホワイトレディ

ホワイトレディ

[ショートカクテル / 度数:高(25%〜) / シェイク]
レシピ:ジン2/4、ホワイトキュラソー1/4、レモンジュース1/4

バーが好きな方なら、きっと一度はその名を聞いたことがあるであろう、日本のバーシーンでも人気のジンカクテル「ホワイトレディ」ももちろんランクイン。
“白い貴婦人”の名のとおり、真っ白な色合いが特徴で、ほんのり甘さが感じられるさっぱりした味わいのカクテルです。
名前のイメージとは裏腹に、アルコール度数は高いカクテルであることは留意しておく必要があります。

11位 ハンキーパンキー

ハンキーパンキー

[ショートカクテル / 度数:高 / シェイク]
レシピ:ジン45ml、スイートベルモット45ml、フェルネットブランカ2.5ml

伝説的なバーとして、現在も世界中から多くの人が押し寄せる、ロンドン・サヴォイホテルの“アメリカン・バー”で誕生したカクテル。1903年から同店に勤めていた、女性バーテンダーのレジェンドでもあるエイダ・コールマンが生み出しました。
ジンをベースに、イタリア生まれのお酒が織りなすその味わいは、ハーバルな甘さに、ほんのり苦みも感じられます。

10位 トムコリンズ

トムコリンズ

[ロングカクテル / 度数:中(10〜25% ※目安) / シェイク]
レシピ:ジン60ml、レモンジュース20ml、シュガーシロップ2tsp、ソーダ適量

甘さを加えたタイプのジン、オールドトムジンを活かしたカクテルとして、日本でもよく知られる「トムコリンズ」が10位に。
このジンカクテルに欠かせないオールドトムジンの銘柄は、以前はそう多くはなかったのですが、クラフトジンの台頭によって個性豊かなこのタイプのジンも増えてきました。
程よく甘さが効いた爽やかな味わいから、飲み手を選ばないカクテルと言えるでしょう。

9位 ラストワード

ラストワード

[ショートカクテル / 度数:高 / シェイク]
レシピ:ジン22.5ml、シャルトリューズ・ヴェール22.5ml、マラスキーノ22.5ml、ライムジュース22.5ml

ジンカクテルとして、日本ではまだ広くは認知されていないものの、海外では大人気の「ラストワード」が9位にランクイン。
1915年ごろ、アメリカ・デトロイトで誕生した歴史の長いカクテルですが、禁酒法時代(1919-1933年)以後、長らく忘れ去られていました。それをシアトルのバーテンダーが2004年に再発見し、同都市を中心に大人気となり、今やその人気は世界的なものへと拡大しています。
薬草系の風味が活きた、深みのある甘さが特徴の一杯です。

8位 アヴィエーション

アヴィエーション

[ショートカクテル / 度数:高 / シェイク]
レシピ:ジン45ml、マラスキーノ15ml、レモンジュース15ml、バイオレットリキュール1tsp

8位には、ジンのクラシックカクテルの王道の一つとして、日本でもよく知られる「アヴィエーション」がランクイン。
禁酒法時代以前の1916年に、ニューヨークで生まれたカクテルで、チェリーブランデーであるマラスキーノリキュールを活かし、ほんのり甘くさっぱりした味わいが特徴。ガーニッシュとして、よくチェリー(マラスキーノチェリー)が用いられます。

7位 ブランブル

ブランブル

@BAROSSA cocktailier(岐阜市)

[ロングカクテル / 度数:中 / シェイク]
レシピ:ジン40ml、レモンジュース20ml、シュガーシロップ5ml、カシスリキュール適量(仕上げに垂らす)

1980年代にロンドンで誕生したブランブルは、毎年当ランキングにランクインする人気のジンカクテル。クラッシュアイスの上からブラックベリーorカシスリキュールを最後に垂らすスタイルが特徴的です。
見た目のイメージどおり、季節的には夏に人気のジンカクテルです。
甘く口当たりがとても良いですが、アルコール度数は決して低くはないので、飲むペースには注意しましょう。

6位 ジンフィズ

ジンフィズ

[ロングカクテル / 度数:低(〜10%) / シェイク]
レシピ:ジン45ml、レモンジュース20ml、砂糖2tsp、ソーダ適量

1888年にアメリカで生まれた、言わずと知れたジンのクラシックカクテル「ジンフィズ」が6位にランクイン。日本のバーでも長年愛されており、ジンのボタニカルの香りと、レモンジュースやソーダによって与えられる爽やかな風味は、数あるジンカクテルの中でも親しみやすい味わいです。
低いアルコール度数も関係して、飲み手を選ばないカクテルでもあり、昔も今も人気のジンカクテルです。

5位 フレンチ75

フレンチ75

[ロングカクテル / 度数:中 / ビルド]
レシピ:ジン45ml、レモンジュース20ml、砂糖1tsp、スパークリングワイン適量

第1次世界大戦時のパリで生まれ、口径75mmの大砲にちなんで名付けられたカクテル「フレンチ75」は、特に海外では大人気を誇り、5位という結果に。全体のカクテルランキングでも21位と、上位につけています。
スパークリングワインの微細な泡が弾ける華やかさと、ジンの持つ爽やかさが調和した、上品ながらしっかり飲みごたえもあるカクテルです。

[特別枠] コープスリバイバー

コープスリバイバー

@BAR K-9(名古屋市)

「コープスリバイバー」は、#1〜#4まで全く異なるレシピが存在するカクテル。バーテンダーなら誰も知る「The Savoy Cocktail Book(1930)」にも掲載されている歴史あるカクテルで、全カクテルのランキングでは16位につけています。
#2だけはジンがベースとなっており、そのため特別枠としてピックアップしました。
「死者を蘇らせる(迎え酒)」という意味のカクテルで、#2は、ジンの他にコアントローやリレ・ブラン、そしてアブサンが加えられる飲みごたえを生むレシピとなっています。

4位 クローバークラブ

クローバークラブ

@Bar 若林(東京・蒲田)

[ショートカクテル / 度数:中 / シェイク]
レシピ:ジン45ml、レモンジュース15ml、グレナデンシロップ15ml、卵白

禁酒法以前のアメリカ・フィラデルフィアのクラブ(当時の上流階級の社交場)で生まれたとされるジンカクテル「クローバークラブ」。
近年、禁酒法時代の前に流行していたカクテルに、再び注目と人気が集まっており、クローバークラブはその代表的カクテルの一つに挙げられます。
鮮やかなピンクの色合いと、甘酸っぱくまろやかな味わいが特徴。日本でもよく知られるピンクレディというカクテルと類似していますが、世界的にはこちらの方が高い人気を誇ります。

3位 ギムレット

ダイキリ

@STAR BAR GINZA(東京・銀座)

[ショートカクテル/ 度数:高 / シェイク]
レシピ:ジン45ml、ライムコーディアル15ml

ジンの王道カクテルの一つであり、日本はもちろん世界中のバーで長年高い人気を誇る「ギムレット」がTOP3に。
ジンの定番の飲み方であるジン&トニックと同様に、19世紀に英国船の上で生まれた飲み方で、それがいつしかバーシーンに伝わり、カクテルとして洗練されていきました。
骨太ながらも、程よい甘さと酸味を感じられるフレッシュな味わいが特徴の一杯です。

2位 ドライマティーニ

マティーニ

@Bar Benfiddich(東京・新宿)

[ショートカクテル/ 度数:高 / ステア]
レシピ:ジン4/5、ドライベルモット1/5、オリーブ

“カクテルの王様”とも称され、カクテルの代名詞と言っても過言ではないジンカクテル「ドライマティーニ」が2位に。全体のカクテルランキングでは4位という結果となりました。
そのルーツを遡ると、100年以上の歴史を持つ伝統的なカクテルで、過去の偉人達にも愛されていた格式が高いカクテルとされています。
シンプルなレシピと製法で作ることから、バーテンダーによって味わいが異なるともされる奥が深いカクテルで、キリリと締まった洗練された味わいが特徴です。
派生カクテルが山ほどあり、「ヴェスパー・マティーニ」や「エスプレッソマティーニ」なども人気があります。

1位 ネグローニ

ネグローニ

@喫酒 幾星(京都市)

[ロングカクテル / 度数:高 / ビルド]
レシピ:ジン30ml、カンパリ30ml、スイートベルモット30ml

マティーニをも上回り、ジンカクテルの人気No.1に輝いたのは「ネグローニ」。実は、7年連続でトップに君臨し、全体のカクテルランキングでは2位の座を7年キープしている大人気のジンカクテルです。
イタリア生まれのこのカクテルには、同国が世界に誇るリキュールであるカンパリやベルモットなどイタリアに縁深い素材を使用。甘苦く深みを感じさせるハーブ様の味わいが特徴です。
近年は、クラフトジンのムーブメントによって、ジンが多様化したことで、ネグローニの味わいにもバラエティが生まれ、日本でも人気が急上昇しているカクテルです。
決して度数は低くないですが、ジン、そしてバーが好きなら、一度は味わっておきたいジンカクテルです。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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