世界的なブームに始まり、日本にもブームが到来しているクラフトジン。
最近では日本産のクラフトジンも増えてきています。
クラフトジンとは主に、少量生産で、ユニークな製法や地域特有の原料やボタニカルを使用するなど、こだわりが詰まった個性派ジンを指します。
その日本版であるジャパニーズクラフトジンでは、例えば焼酎や日本酒をベースに用いてみたり、さらにはゆずや茶葉などの日本特有のボタニカルを積極的に使用するなど、「日本らしい」ジンとなる傾向があります。
本記事では、すでにリリースされているジャパニーズクラフトジン10銘柄を一挙ご紹介。
それぞれ特徴や、使用ボタニカルなど詳しくご紹介していきます。
ジンは、ベースのスピリッツにハーブや果皮、スパイスなどの「ボタニカル」を数種加え風味づけされたお酒。
ジュニパーベリーは必須だが、ボタニカルのレシピは各銘柄様々。度数は40〜50度が一般的。
季の美
「京都蒸留所」が手がける季の美は、2016年9月にリリースされ、大きな話題性とともにジャパニーズクラフトジンの夜明けを告げました。
京都らしさが強く反映されたジンで、お米100%のライススピリッツをベースに使用。さらにボタニカルには京都産のゆずや茶葉(玉露)、ヒノキや山椒などを使用し、ボタニカルの特性に合わせて個々に蒸留。仕上げの割り水には「伏見の名水」が使用されています。
京都らしい造り、ボタニカル、ボトルデザイン。
ゆずの香りが効いた、繊細で奥行きのある味わい。
【ボタニカル】
茶葉(玉露)、ゆず、生姜、赤しそ、笹、山椒、ヒノキ、他ジュニパーベリーなどジン特有のボタニカルを含めた計11種。
こちらの記事で詳しくご紹介!
⇒季の美 〜 日本・京都発クラフトジンの特徴を徹底解説!
ROKU (六)
ROKU(六)は、サントリーが手がけるジャパニーズクラフトジンで、2017年7月にリリースされました。
旬の時期に収穫した桜の花や山椒など日本特有のボタニカルを6つ使用し、ボタニカルの特性に合わせて4つの製法(減圧蒸留、常圧蒸留など)に分けて造られ、最後にブレンドすることで完成します。
6種類の和のボタニカル、六角形のボトル。
桜やゆずの香りが効いた、甘い口当たりから辛味を感じる味わい
【ボタニカル】
桜の花、桜の葉、煎茶、玉露、山椒、ゆずの日本のボタニカル6つと、ジュニパーベリーなどジン特有のボタニカル8種。
こちらの記事で詳しくご紹介!
⇒サントリーのクラフトジン「ROKU(ロク)」を徹底解説!
カフェジン
カフェジンは、ニッカウイスキー(アサヒ)が手がけるジャパニーズクラフトジンで、ROKUと同じく2017年7月にリリースされました。
日本ではニッカのみが持つ伝統技術「カフェスチル」を使用し、ボタニカルは素材によって蒸留方法を分け、それぞれの良さを最大限に引き出し、原酒をブレンドすることで生み出されています。
カフェスチルを使用、和柑橘のボタニカル、ボタニカル別蒸留。
柑橘系のフレッシュな香り、コクのある甘い口当たり。
【ボタニカル】
甘夏、かぼす、山椒、りんご、ジュニパーベリー、コリアンダーシード、オレンジピールなど計11種。
こちらの記事で詳しくご紹介!
⇒ジャパニーズクラフトジン「ニッカ・カフェジン」を徹底解説!
和美人
和美人は、焼酎やウイスキー造りで知られる、鹿児島の本坊酒造が手がけるジャパニーズクラフトジン。
「鹿児島らしさ」が活かされたジンとなっており、ベースには米焼酎を使用し、キンカン、へつか橙など鹿児島産ボタニカルを9種も使用。それを3つのカテゴリーに分け蒸留し、和美人が完成します。
米焼酎がベース、鹿児島産の9種のボタニカル。
和柑橘の爽やかな香りと、お米のまろやかな旨味。
【ボタニカル】
ジュニパーベリー、茶葉、ゆず、レモン、キンカン、へつか橙、生姜、しそ、けせん、月桃(ジュニパーベリー以外鹿児島産)
こちらの記事で詳しくご紹介!
⇒ジャパニーズ・クラフトジン「和美人」を徹底解説!
AKAYANE
AKAYANEは、芋焼酎の不二才や晴耕雨讀で有名な鹿児島の名門蔵元・佐多宗二商店が手がけるジャパニーズクラフトジン。
芋焼酎で有名な作り手らしく、ベースには自家製の芋焼酎を使用、さらにボタニカルはジュニパーベリーだけという強いこだわりのもと造られるクラフトジンです。
ジンの他にも、茶やゆず、山椒などを個々に使用したボタニカルスピリッツもあります。
芋焼酎がベース、ボタニカルはジュニパーのみ。
芋のまろやかな甘みから、ジュニパーのハーバルな風味へ変化する味わい。
【ボタニカル】
ジュニパーベリーのみ。
こちらの記事で詳しくご紹介!
⇒焼酎の名門が造るジャパニーズクラフトジン「AKAYANE」の魅力に迫る
KOZUE -槙-
KOZUE -槙-は、梅酒で有名な和歌山の中野BCが手がけるジャパニーズクラフトジン。
希少価値の高い針葉樹「高野槙(コウヤマキ)」の葉や、温州ミカンやレモン、山椒といった和歌山産のボタニカルを使用する、「和歌山らしさ」が活かされたジンです。
高野槙や温州ミカンなど和歌山産のボタニカル。
ミカンの柑橘香とジュニパー、高野槙のウッディさが上品に混じり合う味わい。
【ボタニカル】
ジュニパーベリー、高野槙(コウヤマキ)、温州ミカンの果皮、レモンの果皮、山椒。
こちらの記事で詳しくご紹介!
⇒国産クラフトジン「槙-KOZUE-」が新発売!気になる特徴とは
油津吟 (Yuzu Gin)
油津吟は、芋焼酎で有名な宮崎の蔵元・京屋酒造が手がけるジャパニーズクラフトジン。
京屋酒造の人気の芋焼酎「甕雫」と「空と風と大地」がベーススピリッツの一角として使用する贅沢なジンで、ゆずの他に、ヘベス、日向夏といった宮崎特産の和柑橘を中心としたボタニカルで風味づけされています。
甕雫と空と風と大地をベースの一角として使用。
ゆずの香りが効いた爽やかでまろやかな味わい。
【ボタニカル】
ジュニパーベリー、コリアンダーシード、ゆず、ヘベス、日向夏、山椒、生姜、きゅうり、クローブ。
こちらの記事で詳しくご紹介!
⇒あの芋焼酎がベース!ゆず香るクラフトジン「油津吟」を徹底解剖
クラフトジン岡山
クラフトジン岡山は、クラフトビール「独歩」が有名で、日本酒や焼酎などを造る宮下酒造が手がけています。
米焼酎をベースに使用。さらに、近年「岡山蒸留所」としてウイスキーの生産も始める蔵元とあって、ウイスキーと同じように樽熟成を導入(よってジンは色づいている)するジンです。
米焼酎がベース、オーク樽熟成。
ウッディな香りがかなり強く、ボディがしっかりした味わい。
【ボタニカル】
ジュニパーベリー、レモンピール、オレンジ、モルト、ラベンダー、ホップ、シナモン、生姜など全10種。
こちらの記事で詳しくご紹介!
⇒クラフトジン岡山〜話題の国産ジンの特徴・魅力を徹底解説!
プレミアム和ジン
プレミアム和ジンは、茨城県水戸市の明利酒類が2017年8月にリリースしたクラフトジン。
元は日本酒の蔵元らしく、日本酒を蒸留し10年間もの期間貯蔵したスピリッツをベースに使用する、その名のとおりプレミアムな造りのジンです。
10年間貯蔵した日本酒由来のスピリッツがベース。
シトラス香をほのかに感じる、ややビターでまろやかな味わい。
【ボタニカル】
ジュニパーベリー、レモンピール、オレンジピール、シナモンなど7種のボタニカル。
まさひろオキナワジン
まさひろオキナワジンは、泡盛を手がけるまさひろ酒造が2017年10月にリリースした沖縄初のクラフトジンです。
泡盛造りの技術を活かして造られ、シークヮーサーやゴーヤー、ローゼル(ハイビスカス属)など沖縄特有のボタニカルで風味づけしています。
沖縄特有のボタニカル。ベースは明かされていないが、その味わいから泡盛を使用していると思われる。
泡盛っぽい独特の甘みとコク、ボタニカルの香味による複雑な味わい。
【ボタニカル】
ジュニパーベリー、シークヮーサー、ゴーヤー、グアバの葉、ローゼル(ハイビスカス属)、ピィパーズ(ヒハツモドキ)
まとめ
以上が、今回するジャパニーズクラフトジン10銘柄。
ご紹介したジン以外にも、岐阜の「辰巳蒸留所」が手がける少量生産の希少なクラフトジンもあり、こちらはとても数が少ないため購入は難しく、バーなど専門店で味わうのがオススメです。
⇒東京でクラフトジンを味わうならココ!私がオススメする2つの名店を詳しくご紹介
ジャパニーズクラフトジンは、2016年に始まり2017年に火がついたばかり。
現在計画中もしくは製造中のものもあり、今後さらに銘柄が増えることが予想されます。
ジンに興味がある方は、ぜひジャパニーズクラフトジンから味わってみてください。
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