テキーラの伝統的な飲み方には「カバジート」を使用する

テキーラの伝統グラス・カバジートとは?

テキーラといえば「ショットグラスで一気に煽る」そうイメージする方が大多数でしょう。
今でこそ多様な飲み方が認知されてきていますが、やはり「そうやって飲むもの」と捉えている方の方が圧倒的に多いと言えます。

テキーラの飲み方については、本場メキシコでは「カバジート」というグラスを使用する飲み方が伝統的とされています。
聞きなれない言葉で、どういったグラスなのか気になるところですが、本記事ではこのカバジートについて解説。
その見た目についてはもちろん、伝統的な飲み方とはカバジートを用いてどのように飲むのか、などをご紹介していきます。

テキーラの伝統的なグラス・カバジートとは?

本場メキシコでのテキーラの伝統的な飲み方に使用される「カバジート」とは、ざっくりというとショットグラスのようなもの。
1ショット(30ml)がちょうど良く入るぐらいの小ぶりなグラスで、見た目はショットグラスそのものです。

カバジートに注がれたテキーラ

カバジートは細長いショットグラスのようなもの。

「では単にショットグラスを言い換えただけのものなのか」というと、決してそうではなく、カバジートは微妙に形に特徴があります。
通常のショットグラスに比べ、カバジートはやや細長い形状をしているのが特徴で、基本はストレート型ですがグラス上部に向けてやや広がっているものが多い傾向にあります。
ややスタイリッシュなショットグラスといったところでしょうか。

ちなみにカバジートとは、「子馬」を意味する言葉。
元々は「クエルニート」と呼ばれる水牛のツノを用いて飲んでいたものが、より実用的に変化したものがカバジートだとされています。(クエルニートは先が尖っているのでテーブルに置くことができない)

テキーラの伝統的な飲み方

さて、カバジートについて分かったところで、これを用いてどのように飲むのがテキーラの伝統的な飲み方なのか気になるところ。
実は、本場メキシコにおけるテキーラの伝統的な飲み方とは、みなさんよくやっている、おなじみのテキーラの飲み方です。
塩とライムを使って、一気に飲み干す…実は、あの飲み方こそが伝統的な飲み方なのです。

念のため、具体的な手順についても説明しておきましょう。

  1. カバジートに注いだテキーラと塩、ライムを用意する。
  2. 手の甲の親指と人差し指の間をライムで濡らし、そこに塩を乗せる。
  3. 塩を舐め、すぐさまテキーラを飲み干す。
  4. テキーラが残っているうちにライムをかじる。
  5. 最後また塩を舐める。

基本的にはこのような手順。

しかし近年は、この伝統的な飲み方はメキシコにおいても少なくなりつつあり、新しい飲み方が台頭しています。
時代とともにテキーラの質が向上しており、さらにプレミアムテキーラと呼ばれるアガベ100%テキーラの人気向上もあり、この飲み方では単純に「もったいない」というケースも増えているからです。

次に、新しい飲み方についても見ていきましょう。

最近ではウイスキーグラスやシャンパングラスで飲まれることも多い

近年はテキーラ全体の質が底上げされたことや、アガベ100%テキーラ、通称プレミアムテキーラが世界各国で浸透してきていることもあり、テキーラそのものを味をじっくり味わう飲み方が増えつつあります。

ウイスキーと同じような飲み方で、例えばロックグラスでじっくり味わってみたり、小ぶりなワイングラスやシャンパングラスのような香りを堪能できるグラスで、常温のストレートでゆっくり楽しんでみたりなど、より本格派な飲み方が増えてきています。

これはテキーラの複雑な香り・風味を嗜むためで、ウイスキーのように嗜好性が高さが認められたとも言えるでしょう。

また、最近では、ソーダで割ったテキーラハイボールも浸透してきています。

まとめ

ここまでテキーラ専用のグラスであるカバジートと、それを用いた伝統的な飲み方について解説してきました。

最後にざっくりとまとめると…

  • カバジートとはやや細長いショットグラスのようなもの。
  • カバジートと塩、ライムを使って一気に飲み干すスタイルが伝統的な飲み方。
  • 今はウイスキーのように、テキーラそのものを味わう飲み方が増えつつある。

本記事で記したようにカバジートを用いた伝統的な飲み方は減りつつはあるものの、今後も「伝統」として残り続けることでしょう。
テキーラの楽しみ方の一つであり、カバジートも決して無くなるわけでありません。
きっと今夜も、多くの方がカバジートを用いてテキーラを楽しんでいることでしょう。

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、ジン専門書籍やテキーラメディアなど外部酒類メディアの執筆協力の他、イベントの企画運営にも携わる。(ただの酒好き)

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