テキーラは意外な「植物」が原料となって作られている

テキーラの原料

何かと「キツいお酒」のイメージが強いテキーラですが、ちゃんと飲めば実はおいしいお酒、というのは先日こちらの記事に書きました。

ところでみなさんは、テキーラが何で作られているかご存知でしょうか?
テキーラを飲む機会はあっても知る機会ってあまりないですよね。

テキーラは実は、とっても意外な「植物」が原料となって作られています。
先日の記事でもちょっとだけ触れているのですが、本記事ではその意外な原料についてフォーカスしていきます。

テキーラの原料「アガベ」とはどんな植物?

テキーラの原料は「アガベ」という多肉植物を用いて作られています。
アガベはリュウゼツラン(竜舌蘭)とも呼ばれる植物で(正式にはリュウゼツランの中のアガベという品種)、観葉植物としても人気があります。(この記事のTOP画像に載っている植物がアガベです)

数年前からアガベを原料としたアガベシロップが人気を博しているので、こちらで知った方も多いでしょう。

見た目はアロエそっくりです。

それだけでなく味もアロエにそっくりです。
植物由来のフローラルな甘みと、どことなくスッキリ抜けていく感じです。

同じような多肉植物なので、どうしても味が似るのでしょうね。
筆者は代表的な多肉植物・サボテンを使ったサボテンジュースなるものを飲んだことがありますが、こちらもアロエジュースに似た味でした。

ちなみにテキーラに使用されるアガベはしっかり畑で管理・栽培されたもので、産地であるメキシコでのアガベ畑とテキーラの蒸留所は、景観が美しいことから「テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観」として世界遺産に登録されています。

テキーラに使うのは茎の部分

アガベの茎部分

テキーラの原料となるアガベですが、実は葉の部分を使用するわけではありません。
使用するのはアガベの茎の部分のみです。
さらに言うと茎を絞った、絞り汁が実際の原料となり、これを発酵させます。
(絞り汁だけ使うと言う点では白ワインと一緒ですね)

葉を切り落とし、収穫されたアガベの茎は一度蒸焼きにし、糖分を作り出します。
(お酒は糖分がないと作れない(発酵できない)ため)

その茎を細かく粉砕し、出てきた絞り汁を発酵させ、それを蒸留させてテキーラが作り出されます。

ちなみに葉を切り落としたアガベの茎は見た目がパイナップルそっくりなことからピニャと呼ばれています(メキシコの公用語であるスペイン語でパイナップルの意味)

アガベ100%のテキーラはプレミアムテキーラと呼ばれる

アガベはテキーラの主原料とはなりますが、よく流通している一般的なテキーラは、アガベ以外にも原料を混ぜて作られています。
テキーラは原料の51%以上、つまり半分以上アガベを使用すればOKという規定があるので、他に糖蜜由来のアルコールなどと混ぜて作られます。
原料を混ぜて作られることから、これらは「ミクストテキーラ」と呼ばれています。

このミクストテキーラは、コストが抑えられるため値段が安いテキーラが多いですね。
よく見るクエルボやサウザなどのレギュラーシリーズはこのミクストテキーラに該当します。

一方、アガベだけを原料としたテキーラも存在し、こちらは「100%アガベ・テキーラ」もしくは「プレミアムテキーラ」と呼ばれ区別されています。
ピュアの名のとおり、雑味がなくピュアな味わいになります。
こちらはコストが高くなるため、値段もプレミアムになりますね。

同じクエルボでも「クエルボ1800」という名前のものはこのプレミアムテキーラに該当します。

ちなみにプレミアムテキーラは、ボトルに必ず「100% de Agave(もしくは100% Agave等)」という記載があります。しっかり見えるように記されていることが多いので、テキーラ選びの際はぜひチェックしてみてください。

プレミアムテキーラについてはこちらの記事でより詳しく解説しています。
ハリウッドで大流行!プレミアムテキーラとはどんなもの?

まとめ

テキーラの原料がアロエのような植物だったとは思いもしなかった、という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
実際にちゃんと味わって飲んでみると、たしかに植物っぽいフローラルな甘みは感じることができます。

これを機にテキーラをじっくり味わって飲んでみては?

ちなみにテキーラ初心者の方には、ぜひともプレミアムテキーラを飲んでいただきたいです。
良い意味でテキーラのイメージが覆ると思います。

それではこの辺で。

以上、「テキーラは意外な「植物」が原料となって作られている」でした。

テキーラを詳しく知りたい方はコチラもおすすめ

著者:小針 真悟

[LiquorPage運営責任者] お酒の現場を7年経験したのちに独立。お酒の魅力を多くの人に知ってもらうべく、2016年11月に「LiquorPage」の運営を開始。 洋酒から和酒まで幅広い知見をベースに、様々な酒類専門メディアの執筆・編集のほか、酒類イベントの企画運営やWEB制作、プロモーション業にも携わる。写真撮影も行うなど、お酒を通じた様々な制作業を一人でこなす。(ただの酒好き)

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